越前和紙の話

いつもの様に、和紙を仕入れに文具屋さんへ。
私の作る商品の中でも、たくさんのお選びいただいているご祝儀袋に使用している和紙、いつもはすぐに見つかるのに、どんなに探しても見つからず、
店員さんに声をかけて探してもらおうとすると、
「実はその紙を作っている会社が廃業したんです」と。
業界の不況と後継者不足が主な理由とのこと。
それは、福井県、越前和紙の「上山製紙所」という会社。
あれほど美しく可愛らしい和紙を作り、銀座の大型文具店、itoyaにも卸している会社が廃業してしまうなんて....残念でならない。
上山製紙所は、襖や壁紙など、和紙製品の加工商品の会社。
大正10年から、伝統の技法を継承してきた会社、廃業したのは今年の2月。
品質、種類、量ともに日本一の和紙産地とされ、手漉き和紙を代表する越前和紙を代々受け継ぎ、銀座の大型店へ商品を卸している会社ですら廃業してしまう程、伝統的な日本文化産業が、苦しい状況にあるなんて。
分かってはいたものの、直接その現状に触れると、本当にやるせなく、虚しく、悲しい。
きっと、これは、上山製紙所だけの話じゃない。
後継者がいなくて、技術者や伝統文化の担い手が高齢化し、
時代に合わせた新しい発想や商品が生まれず、素晴らしい技術が後世に引き継がれないまま、大切な伝統文化が衰退していく、会社が廃業していく。
どうにかして、ほんの少しでも、そんな現状を変える助けになりたい。
これは幼い頃からずっと感じていたこと。
水引、和紙、伝統の結び、行事、いろんな日本の大切な文化を、後世に伝えいく助けになりたい。そんなことを思いながら、上山製紙所の手漉き和紙に触れ、決意を新たにしました。

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