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在日外国人女性が抱える課題とは

弊社が運営しているデコレーションアイテムブランド"SOL LUNA"は、おそらく世界でも初めての「エシカル」なデコレーションブランドです。

在日外国人女性の困難や課題の解決、そして彼女たちの子どもたちである外国にルーツを持つ子どもたちが将来の選択を諦めないですむ社会を作りたいという思いをもって立ち上げました。

SDGsと聞くと、おそらく多くの人は貧困や環境問題について思い浮かべるかもしれませんが、8番目のゴールとして「働きがいも経済成長も」があり、8.8に「移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。」というターゲットがあります。

SOL LUNAではまさにこの目標・ターゲット達成を目指しているのですが、ここまで具体的に内容が合っているとは知らず、初めて知った時はかなり驚きました。けれどターゲットとしてここまで具体的に挙げられているということは世界中で日本と同様の現状があるからであって、まずは国内で目標を達成すべく日々邁進しています。

では具体的に、在日外国人女性はどのような課題に直面しているのでしょうか。大きく4つの課題について解説します。

1. 不安定な生活環境

雇用形態として、製造業で働く工場労働者などの間接雇用(派遣や業務請負など、いわゆる非正規雇用)が多く、貧困に陥りやすい現状があります。。
夫婦ともに同じような雇用形態、あるいはシングルマザーというケースも多いです。
DV被害者の場合は在留資格等の制約があるため、適切な保護や公的支援を受けて自立することが難しい場合もあり、被害者が暴力から逃れることを躊躇せざるをえないという問題もあります(※福島由利子. (2021). 移民女性のDV被害と支援. 日本における外国人・民族的マイノリティ人権白書, 37.
)。

2. 日本語が話せない

「定住者」の在留資格を持つ日系人(主に南米出身者)は、来日前に日本語学習が義務付けられているわけではありません。
来日直後から仕事中心の生活を送るため日本語学習の機会が持てず、生活する上で必要最低限の日本語しか使わず長期にわたって日本に暮らし続けていることも。
日本語がほとんどできない、または話せたとしても読み書きができない人が多く、日本語を必要とする仕事につくことが難しいという現状があり、少ない選択肢の中から日本語を必要としない製造業などを選ばざるを得ない状況になっています。

3. 社会からの孤立

日本語の壁に加え、日本の習慣や文化に馴染めず、地域・社会から孤立してしまうことも多いです。
特に外国人が点在する「外国人散在地域」では民族コミュニティも存在しないため、生活する上で重要となるソーシャルキャピタル(社会的資本)が著しく少なくなり、より一層生活が困難となってしまう場合もあります。

4.子どもたちの学力・生活への影響

不安定な生活環境は子どもにも影響を与えることも。
例えば、日本語能力が低いことから学校の勉強についていくことができず低学力に陥ってしまい高校進学が難しくなるケースや、親がいずれ母国に帰ると思っているため子どもを学校に通わせず不就学となるケース、一時的に母国へ預けることによって家族が一緒に暮らせない(一家離散)、または母国と日本を行ったり来たりするのケースなどです。
不安定な生活の影響などにより、高校進学率も日本人と比べ低くなっています。仕事は親と同じような製造業での非正規雇用しか選択肢がない場合もあり、親世代から続く貧困のループからなかなか抜け出すことができません(※毎日新聞取材班. (2020). にほんでいきる 外国からきた子どもたち. 明石書店.)。

日本で外国人というマイノリティ性であることに女性というマイノリティ性が加わる、いわゆるダブルマイノリティであることで課題はさらに複雑なものになっています。

在日外国人の人口は2020年には約288万人となり、総人口の約2%を占めることとなりました。日本はもう立派な移民国家であり、誰もが生きやすい社会にしていくために、制度や支援の拡充が求められます。

私たちはソーシャルビジネスとして今後も彼女たちが抱える課題や困難の解決に向けて取り組んでいきます。
飾り付けアイテムを通じて、より多くの人たちに彼女たちの存在について知ってもらえますように。

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