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聖火ランナーを辞退しました。

聖火ランナーを6月25日に辞退しました。
開会式の3日前、7月20日に東京を走る予定でした。

小さい時から世界平和を夢見ていた私にとってオリンピックの掲げる平和の理念に深く賛同しその一躍を担わせて頂けることを心から楽しみにしていましたが、開催自体に様々な疑問が生まれる中で100%選ばれた時の気持ちのまま走り切ることができない、この気持ちを抱えたまま当日を迎えることはできないと思い辞退させて頂きました。「延期という選択肢があったら」と何度も思いましたが現実には訪れない。関係者の皆様にはご迷惑をお掛けすることとなってしまいました。心から申し訳ない気持ちでいっぱいです。

開催まであと20日と迫っていますが、今もどういう心構えでいたら良いのか正直わかりません。一度始まれば、人生をかけて戦っている選手の皆さんの活躍に勇気をもらい、感動を分かち合いたいと思うのだろうと思います。一方で、その裏で広がる感染拡大によって苦しい状況に立たされる人たちを目の当たりにしながら、この開催はこの未曾有の危機の下で本当に強行すべきだったのかと度々自問自答し、その矛盾した気持ちを抱えながら1日1日が過ぎていくんだと思います。

色んな意見があると思いますが私は、この未曾有の状況下の中で「なぜ開催するのか」その明確な解を見出すことができませんでした。ただ一方で、社会のどんな事象も、その意味や意義を誰かに委ねるのではなく、自分の中で納得して、できれば未来への糧にできるようなものに変換していかなきゃいけないのではないかとも思います。自分の立っているこの場所からできることを、変えられると思うことを、希望を、自分たちの手で、声をかけあいながら、手を取り合って創っていくしかないんだと思います。

国や企業が社会的役割を背負っているように、
私たち個人もまた「意識」の持ち方に社会的役割を背負っていると思うのです。いつの時代も、一人ひとりが何を信じて、どうしたいかという思いや社会観の積み重なりが全体を成しているから。

ワクチンが進んできたとはいえ、まだまだ命のリスク、経済不安、孤立や分断と解決しなくてはいけないことが山ほどある。平和を強く願う一人として自分の立っている場所から、前に進めていきたいと思います。

シェアの立場からは去年から続けている「#わたしたちがシェアできること」プロジェクトの推進や次の時代の持続可能な豊かさや新たな生き方・社会のあり方を提示していきたい。
官僚・弁護士の仲間達とやっているPublicMeetsInnovationではテクノロジーを通じどう社会をアップデートできるのか、ミレニアル世代の考える民主主義、国家OSはどうあるべきかを引き続き議論する場と提言をつくっていきたい、そういう視点をもった人材を育てていきたい。

石山アンジュ

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