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声優養成所で評価されない演技とは?【養成所講師が解説】

どうも、福原安祥です。

ナレーターをしたり、声優養成所の講師をしたり、会社の経営をしたりしています。

今回のテーマは『声優養成所で評価されない演技』です!

僕は、今も声優養成所で演技やナレーションのレッスンをしています。そのとき、ダメ出しのポイントって似通ってくるんですよね。

つまり、つまづくポイントが似てるってことなんです。

逆にいえば、つまずくポイントを先に知っておくことで、それを回避することもできます。

今回は、つまづきやすいポイントを押さえたうえで、さらにその対策を紹介していきます。

これを読んでくれているあなたが、声優養成所とか現場でいい評価を受けてくれると僕も嬉しいです!ぜひお役立てください!

動画で見たい方はこちらをどうぞ。

あんじょーメソッド(YouTubeチャンネル)

声優養成所で評価されない演技

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まず言っておきたいは、つまづきポイントにはレベルがあるということ。

初心者がつまづくポイントと、中級者がつまづくポイントって違うんですよね。

今回は初心者と中級者のそれぞれ3つずつ、つまづきポイントを紹介していきます。

ポイントと改善点をしっかり読んで、自分の演技の改善に役立ててくださいね!

【初心者編】声優養成所で評価されない演技

まず、声優養成所で評価されない演技【初心者編】を解説していきたいと思います。

自分を中級者だと思っている方も基礎を忘れがちなので、飛ばさずに読んでほしいです。自分の演技を見直すきっかけにしてくださいね。

①声が小さい

まず、初心者編の1つ目のポイントは「声が小さい」です。けっこういます。

問題なのは、「自分としては大きい声を出してるつもり」になってるパターン。

でも全然小さいんです。

日常会話のボリュームだと、声優としてマイク前に立ったときに必要な声量にはまったく足りません。

ポイントは、声優養成所の授業で講師から「もうちょっと声出して」って言われたら、次は「出しすぎ!」ってツッコまれるくらい出さなきゃダメです!

声の小さい人のよくないところは、ちょっとずつ声の目盛りを上げていくこと。これダメです。。

ドカーンと大きくしてくれると、講師も「いまのはやりすぎだよ」とか「もうちょっと下げて」とか言えるんです。

でも、ちょっとずつ上げていかれると「もうちょっと出せる?」を永遠に繰り返して、途中で「あ、声出ないなこの子」って諦められちゃいます。

なので、「声が小さい」と言われたらドカーンと出して、講師が「それはやりすぎ」って言うくらいに出さなきゃダメってことですね!

これはほかのことでも一緒です。

講師に「抑揚をもっとつけて」って言われたら、「それは抑揚つけすぎ」って言われるくらいやらないと、抑えることができません。

なので、「こうして!」って言われたら、やりすぎくらいがちょうどいいってことを覚えておいてくださいね。

「声が小さい」とよく言われる人は、発声とか腹式呼吸ができてないことが多いので、過去に解説した『声優の発声の基礎』という内容をチェックしてみてください!

②早口

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声優養成所で評価されない演技【初心者編】の2コ目のポイントは「早口」です。

セリフが速い人も、自分としては自覚がないんですよね…。

なんで速くなっちゃうのかというと、自分が読みやすい速度で読んじゃうからです。

ただ…あなたが担当するキャラクターは、その速度で喋りますか?キャラクターが話す速度を考えましたか?

おそらく考えてないと思います。。

でも、読むスピードを変えるっていうのはなかなか難しいことです。

人間は一定の速さに慣れてしまうと、その速度を変えるのは難しい生き物なんですよ。

たとえば、明日外に出て歩くときに、自分がいつも歩いているスピードの半分の速度で歩いてみてほしいんです。

半分の速度で歩く…想像してみてください。

めちゃくちゃストレス溜まりませんか?溜まりますよね。

細い道で、目の前にスゴくゆっくり歩いてる人がいて追い抜けないときとかも、すごくストレス溜まりません?

こんなふうに、自分の速度で行動できないと、人間はめちゃくちゃストレスが溜まるんですよ。だから速度を変えるのは難しいんです。

速度を変えるとどうなるかというと、自分の中でめちゃくちゃ違和感がでます。だから早口ってなかなか直らないんですよね。。

なので、講師に「早口だよ」って言われた場合、家で練習するときには「自分で違和感を覚えるくらいゆっくり読む練習」をしてください。

それくらいゆっくり読む練習をしないと早口は直りません!というか、早口と言われてる人は、違和感を覚える速度が「普通の速度」だと思います。

③キャラの声じゃない

声優養成所で評価されない演技【初心者編】のポイント3つ目は「キャラの声じゃない」です。

「キャラの声じゃない」ってどういうことかというと、自分の声で演技をしてしまってる状態のことですね。

スゴく大事にしてほしいポイントを言います。

「めちゃくちゃ演技がうまい」のに「キャラクターの声が出せない」と…一生仕事はありません!

キャラクターというのは、現実世界の日常に存在してませんよね。

現実世界をいくら見渡しても存在しないキャラクターに声をあてるのが、声優の仕事です。

ということは…声も現実にいないはずなんです!声だけめちゃくちゃ現実感あるのはおかしいですよね。

なので、キャラの声じゃなければ仕事がないのは当然といえます。

「キャラクターの声が作れない…」って方は、過去に『声優に向いてる声/向いてない声』というテーマと、『声優のいい声の作り方』というテーマで解説している内容をチェックしてみてください!

【中級者編】声優養成所で評価されない演技

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続きまして、声優養成所で評価されない演技【中級者編】にいきます!

前半の初心者編よりもレベルが上がってきますので、初心者の方は「ゆくゆくはそういう壁があるのか」という気持ちで読んでみてください。

中級者の方はたぶんこの壁にぶち当たっていると思うので、しっかり読んでくださいね!

①セリフがかからない

声優養成所で評価されない演技【中級者編】のポイント1つ目は…「セリフがかからない」です。

相手にセリフを言っているように聞こえる状態のことを「セリフがかかっている」といいます。

逆に、相手にセリフが届いてないように聞こえてしまうことを「セリフがかからない」といいます。

演技自体は悪くないけど、セリフがかからない生徒って一定数いるんですよ。。

上に貼った動画内では、実際に「かかってないセリフ」と「かかっているセリフ」を実践しているので、時間があるときに聞き比べてみてください。

「セリフをかける」という技術は、すぐに身につくものではありません。

練習を積み重ねて、感覚として身につけていくもの。だから、「今日練習したから明日できるようになる」というわけではないんです。

練習方法は、上で紹介した『声優の発声の基礎』というテーマの中で「相手に言う発声」という内容で解説しているので、時間があるときに読んでみてくださいね。

「相手に言う発声」をコツコツ続けていくと、徐々に感覚がつかめてくると思います。焦らずに繰り返し練習してみてください!

②相手のセリフを聞いてない

声優養成所で評価されない演技【中級者編】2コ目のポイントは「相手のセリフを聞いてない」です。

レベルが上がってきましたね…。

スゴく大事なポイントです!

演技というのは、基本的に相手役がいます。ということは、演技は「会話」がメインなわけです。

日常で考えてほしいんですけど、友達と2人でいるときに、あなたは相手の話を聞いてますよね。めちゃくちゃ当たり前のことです。

演技も一緒なんですよ!相手のセリフを聞かなきゃいけません。

当たり前のことを言ってるように聞こえるかもしれませんが…いざ演技となったら、自分のセリフで頭がいっぱいいっぱいになっちゃう人が多いんです!

「噛まないようにしなきゃ」とか「キャラの声を出さなきゃ」とか「自分の考えたプラン通りにやらなきゃ」みたいに、自分の演技にいっぱいいっぱいになってしまうと…相手のセリフをまったく聞いてない芝居が完成してしまいます。。

「相手のセリフを聞く」ってどういうことかというと、声のトーン、単語に込められたニュアンス、語尾などから「相手の気持ちを想像する」ことです。

そして、それによって自分の演技を変えなきゃいけません。

相手からのパスによって、自分の演技も変えていいんです。というか、変えなきゃ会話になりません。

新人さんにけっこう多いのは「自分の演技プランをなんとしてでも守る」っていうパターン。これは絶対ダメです。

会話は一人でやるものじゃないですからね。

ただ、誰でも日常では相手の話を聞けてます。本来的には難しいことじゃないんです。

たとえば、友達と二人で帰っているときに、いつも元気に「じゃーねー!」って言う友達が、ある日の帰り道に「じゃあね…」って元気なく言ったとします。

「なんかあった?」って思いますよね。

これは、声のトーンとか、「じゃあね…」に込められたニュアンスとかから、「あれ、元気ないぞ?なにかあったのか?」って判断してるわけです。

これと一緒で、「相手のセリフによって、自分の演技も変化させなきゃいけない」ってことです。

いつもより元気がない友達に、「じゃーねー!バイバーイ!」って元気に言っちゃうと、友情が壊れます。笑

相手のセリフを聞かないのはそれと一緒なんです。

相手のセリフを聞いてない人って、ダメ出しへの対応もできない人が多いです…。

③なにをやっても同じ演技

声優養成所で評価されない演技【中級者編】最後のポイントは「なにをやっても同じ演技」です。

声優はいろんな役を演じわけなきゃいけません。そこに声優の面白さがあるわけですよね。

たとえば、年齢を飛び越えちゃったり、人じゃなくなったり、性別が変わっちゃったりできるのが、声だけで勝負する声優の面白さ。

なのに!何やっても同じ演技になっちゃう人がけっこう多いんですよね。。

原因は、自分の得意なキャラクターの喋り方を使いまわしてるからなんです!

おそらく、この問題で悩んでいる人は、すでに得意なキャラが1つはあるはずなんですよ。

「自分はこのキャラなら負けない」って思うキャラがあると思います。

ただ、その得意なキャラのテンポとか間とか抑揚とかを、ほかのキャラでも使いまわしてるんですよね。声質を少し変えてるだけ。

でも、これも日常で考えてみてください。

まったく同じ喋り方の人って、世の中にいると思いますか?

あなたの友達やあなたの親って、あなたとまったく同じテンポや抑揚や間で喋りますか?喋らないですよね。。

人間が違えば、喋り方は絶対に変わるんですよ!

でも、キャラクターに声をあてるとなると、キャラが変わったから喋り方が変わると思えずに、AのキャラでうまくいったことをBのキャラでもやっちゃうから、何をやっても同じ演技になっちゃうんです。

そして評価されない。

覚えておいてほしいのは、「キャラクターには、そのキャラクターに合った喋り方が絶対にある」ってことです!

これは、役作りのときに決めておかないといけません。

役作りの具体的なやりかたは、『実戦形式!声優の役作りの方法』というテーマの中で、以前解説しています。時間があるときにチェックしてみてくださいね。

今回のまとめ

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今回は『声優養成所で評価されない演技~初心者編・中級者編~』を解説しました!

解説してきた6つのポイントは、毎年クラスが変わっても生徒にダメ出ししているポイントです。。

僕だけじゃなくて、ほかの養成所の講師の方も絶対言ってます。いわば鉄板ダメ出しなんですよね。

なので、この6つの鉄板ダメ出しを回避すれば…おのずと評価される演技になると思います。

ぜひ、自分の演技の向上に役立ててくださいね。

演技の練習というのは、毎日の積み重ねが本当にものをいうので、ベタですが「継続は力なり」を肝に銘じてコツコツがんばってください!

それではまた。

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