呪いを綴る話③

さて、僕は一昨年から実家を離れて東京に来たわけですが、僕はあることをきっかけに少しずつ家族と縁を切ろうと思っていました。
移転にまつわる僕の書類を作るにあたり、母の戸籍謄本が必要な時がありました。その時の彼女の戸籍は旧姓でした。そして、住所が自宅ではなく、彼女が働いている美容院でした。彼女は僕に柏木家の家族であることを口すっぱく行ったにも関わらず自分はその中に入っていなかったのです。理由はわかりませんが、少なくとも当時の僕はそれをみて失望し、縁を切ろうと思いました。
とはいえ、幸福に慣れてしまった人間は突然不幸には慣れないものです。自分からは言わないとはいえ、半定期的に米を送ってもらいっていましたし、保険証もまだ扶養下にあったようです。そのくせ自分からは決して、行動を起こさず、よっぽどの理由がない限り実家には戻らぬと決めたり、親の方々が読んだらなかなか生意気です。ですが、みっともないかもしれませんが言い訳をさせてください。僕はそもそも家庭が中途半端のまま育てるんだったらいっそ殺してくれれば良かったと思うのです。そもそも、再婚などしなければ良かったと、思うのです。親の勝手で別れた時と同じように、親の勝手で殺せば良かったと。
そんなこんなで僕は最低限の母との関わりを保っていました。
そして、もう一つの転機が訪れてしまったのは最近も最近、2月18日です。その日も最低限の返答を返していました。敬語で。
運が悪かったのでしょう。母が、敬語で返してくることにつっかかってきました。「なんで敬語で話すのか。距離を感じる」と。今までも敬語で返してきたのに今更その問答をしてきたことによる不満、そして、距離を取ろうとしていることに気づいてくれなかった悲しみに(滑稽ですよね。人間は超能力者じゃない。言いたいことは言わなければ伝わらないのに。それを怠った僕への罰でしょう)僕はついに言ってしまいました。今までなあなあになっていた均衡を崩してしまいました。「実際あるんだよ、距離が。」と「俺は、お前が嫌いだ。昔から、ずっと。」と。その後に送った文章がこれです。(名前だけ伏せてます)

俺にとっては昔から✖️✖️✖️も家族の1人だった。それを貴様の大人の都合とか言ったくだらん理由であっちが会わない?って言ってるけど会う?でも会うなら✖️✖️✖️には言わないで、いうなら自分で言ってとこりゃあどういう了見だ?不快で不快で不快でしかたなかったよ。それだけじゃない。お前は部屋をやるが鍵をかけるな、鍵をかけたら部屋は没収だと言ったな。俺だって一人きりでこもって考えたい時もある。お前らのせいで籠ってるのに当の加害者たる奴らが鍵をかけるな掛けたら没収だとは。なんの冗談かと思ったよ本当に。それだけじゃない、ずっと少しずつ少しずつ積もっていったさ。お前は俺の当時の自己肯定感をゴミに捨てすぎた。俺が心を折るには十分すぎた。覚えておくと良い。言葉は呪いだ

返答は返ってきました。謝罪と、そして母親失格だという言葉が。ですが僕にはもう、その言葉は届きませんでした。とてもスッキリしました。これまでのしがらみから解放されたような心地でした。その、はずでした。
二、三日すると、それが悲しみに変わり始めました。僕はおそらく「母親失格だ」この言葉にひどく傷ついたのだろうとそのとき気づきました。「あなたが否定するなら、じゃあ僕の母親は誰なのか」、と。

僕は、どうすれば良かったんでしょう。僕は、どうして欲しかったんでしょう。 

何はともあれ、これをきっかけにこうやって文章として、第三者に向けて書き記せるようになったことはプラスでした。僕はこうやって打ち明けたことに後悔はしていません。しかし、この結末はどこに向かうのでしょうね

さて、これで僕のお噺は終わりです。ここまで読んでくださった方拙い文章にも関わらず、最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました。また、気が向いたらいずれ。

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