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ドあつかましい。

ある20代の女性から、自分にはこういうアイデアがあり、こういうビジネスモデルを考えていると聞かされた。

唖然とした。唖然とする経験というのは普段なかなかない。

本人の名誉のために詳しくは書かないけど、簡単に言えば「無知で未熟」。自分が知らないから、何か新しいことを思いついたと考えている。あまりにも無謀なアイデアなら、まだ可能性はある。「そんな荒唐無稽なことは不可能だろう」という発想の方が、実現したときのインパクトは大きいんだから。

でも、それですらない凡庸さだった。

比喩だけど、「CDをみんな買いますよね。でもそれを買うんじゃなくて、借りる仕組みを作るんですよ」みたいなことを熱心に語っている。それを1980年に『黎紅堂』ができる前に考えたのなら偉いと思う。でも、もうすべてが終わっていることすら知らないのだ。

噛みつくと知らない子供が、蛇を手でつかもうとするようなもので、無知は危険を伴う。

毎日、満員電車に揺られ、上司からネチネチと嫌みを言われて、やりたくもない仕事をし、「月収50万円」という広告のコピーに苛立つ人々を見よ。それでも仕事をしなくてはいけない過酷な現実があるのに、「これができればスゴいビジネスモデルになると思いませんか」じゃないんだよ。

こういう人は、何か「抜け道」というか、満員電車や上司と関わらずに大儲けしたいという、ドあつかましさだけで出発しているように思えてならない。それがモチベーションになってもいいんだけど、だったら他人がしている我慢をしなくても済むだけの画期的なアイデアは必要だろう。

そのためには圧倒的な勉強と、圧倒的な訓練が必要。

確か、高橋源一郎さんが「学歴は重要だとは思わないが、難関大学に合格したという基本的なスキルは評価として使える」というようなことを書かれていた。

勉強が嫌いなら、いかに勉強しないで暮らせるかという、別の勉強法を編み出さなくてはいけない。どちらにしても、人は自分よりバカにはお金を払わないから、どんな分野であろうと「同じことをしている人の中から抜きんでた実績」だけは必要なんである。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。

俺も好きだよ!
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写真家・アートディレクター。着ぐるみの中は繊細です。1964年生まれ。「ロバート・ツルッパゲとの対話」 https://www.amazon.co.jp/dp/4908586071/
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