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必要な機材:写真の部屋

いつもは機材の話をしないんだけど、それは「写真よりカメラのスペック話が好きな人が苦手だから」で、カメラやレンズはもちろん仕事だから気を遣っている。

今日はこれから写真を始めて、仕事とは言わないまでも、それなりの撮影をしていこうと思っている人がどんな機材を揃えればいいかというリストをまとめてみる。

まず一番に考えるのがカメラだと思うんだけど、その前に決めておかなくちゃいけないことがある。何を撮るか、だ。ここが決まっていないとカメラの選択が漠然としてしまう。カメラには大きく分けてフィルムとデジタルがある。今からやる人はほぼデジタルだろう。どうしてもフィルムがいいのだ、という人は最初に言った「写真の中身よりもフォーマットにこだわる人」の場合があるのでここでは除外する。趣味ならいいけど、仕事にノスタルジーは求められていない。

どうしてもフィルムのトーンを出さなければいけない仕事もあるのはわかっている。しかしそこに根拠があるのなら今でもあらゆる種類のフィルムは生産され続けているはずだ。でも現実には業務用のインスタントフィルムすらもう存在しない。フィルム業界が「撮るな」と言っているようなものだ。

で、入手するのは「デジタルカメラ」に絞る。

カメラメーカーは何度も合併を繰り返し、オリンパスのように撤退するところも出てきた。誰でも使える万能ミラーレスカメラを作ったSONYは、コニカミノルタの「α」を引き継いでいるが、使っていると、「これはプロが使うカメラなのだろうか」と首をかしげたくなる場面も多い。

世界的な二大メーカーであったNikon、Canonも盤石とは言えない。しかし長年の経験の蓄積があるからこのふたつには仕事で使うならまだまだ安心感のアドバンテージがある。

結論から言えば、Nikon、Canon、Sonyのどれを選んでもいい。PENTAX、FUJI、LEICA、何でもいい。デジタルになってからはモデルチェンジが早く、高価なカメラもすぐに時代遅れになる。一生使うモノではなくなったカメラボディは「消耗品である」と思っていた方がいい。

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今売っているカメラならどれを選んでも間違いなく写る。よく「あのメーカーの色が好きだ」とか言う人がいるが、それは無視していい。昔のポジフィルムのように絶対に動かせない固有の色があるわけではないので、JPGのプリセットスタイルの特徴などを言っても無意味だ。RAWで撮るのが当然なんだから、色を決めるファクターはむしろ現像ソフトの性能と、自分の現像技術にかかっている。

フルサイズが手軽な値段になってきたので、APS-Cやマイクロフォーサーズを選んでもあまり大きくは変わらない。

高速で動くスポーツなどの撮影をしたいなら、Canonの1DX3や、NikonのD6あたりを選ぶのがいいだろう。今は本当にギリギリの過渡期だけど、まだこの分野では従来型一眼レフの性能の方が上。この特殊な用途以外ならどんなミラーレスでも構わない。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。