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日本橋三越でおこなわれている、陽道さんの写真展にお邪魔してきた。 彼の写真は、写真の原点というか、本質を知りたい人にはぜひ見てほしいと思う。もちろん陽道さんは写真の技術も優れているんだけど、「写すべき人と会い、写すべきモノを見つけて」撮っている。写真とは極言してしまえば、ただそれだけのことなのだと思う。それ以外の部分は全部オマケ、自己顕示欲や自己満足なんじゃないかと、恥ずかしくて顔が赤くなる。 陽道さんのことを知らない人は、まず『うたのはじまり』という映画を観て欲しい。彼
2/3から一週間、パリに行ってきた。いつもと行動範囲がまったく変わりないカンジ。 今回はビジネスのチケットを取っていたんだけど、ファーストクラスに空きがあるというのでアップグレード。 機内食はSUGALABOの監修でした。 初日の夜は、友人がシェフをしている、SPOON Alain Ducasseで。
12mm 18mm 35mm 52.5mm 85mm 127mm。 明日からパリに行くので機材の準備をしている。撮影に持って行くレンズは12と35と85mmの3本。勘のいい人なら52.5mmの段階でわかったと思う。APS-Cにクロップして得られる焦点距離で、見かけ上、倍になっている。 SONYのα7R4だと1.5倍にクロップしても2400万画素程度あるので実用になるのだ。じゃあ最初からフルで撮っておいてあとからトリミングすればいいのでは、と思われるかもしれないけど、撮影時
コピーライターである仲畑貴志さんが書かれていた言葉は、数十年経ってもいくつも思い出せる。単にコピーライティングだけではなく、考え方や、もっと言えば「生き方」にも関係していたからだと思う。 俺はデザインをしていたけど、コピーライターから渡されるコピーがいつもすごく気になった。デザイナーの中には、「ここに入るテキスト」としか思っていなかった人もいたが、俺はなぜこのコピーになるのかが納得できるまで、しつこく口を出した。 先輩のコピーライターを質問攻めにしていたとき、手に持ってい
写真家・齋藤陽道さんの『声めぐり』を読んでいる。 以前から、いい写真を撮る人だなあと思っていた。確か、七尾旅人さんのツイートで知ったような気がする。それからTwitterでだけ会話をしていたんだけど、昨日初めて会うことができた。プロレスをやっていることもあって頑丈な体格をしていたし、握手した手もPENTAX67がフィットしそうだなと感じた。 『声めぐり』は、知人の編集者である大熊さんが書いていた聴覚障害について少しでも理解できればと思って読み始めたが、音と世界との関わり、
差別的なジェンダー論に踏み込むぞ。 自分が写真を撮っていて一番好きなのは中年以上の男女だ。古くからの読者は俺が若い女性にまったく興味がないという(どうでもいい)ことはご存じだと思うけど、それは俺が思っている「写真」の本質にも関係している。 写真は誰でも好きなように撮っていいし、それが仕事であろうがプライベートであろうが、撮る人と撮られる人の「個人的なモノ」だから、写真とはこういうのが正しいとか、これは写真の本質から外れているみたいに、うすらバカっぽい教条主義的なことを言う
俺は写真をほとんどストレートな色とコントラストに仕上げているんですが、理由は強い色味やコントラストはしばらくすると飽きてくるからです。 今まで好きな色調は徐々に変わってきましたけど、最近はほぼ同じです。さっき古いハードディスクの中から、当時テストしていた「濃い味」の写真が出てきました。かなり違うことに自分で驚いています。 俺はデザインをしていて、「正確に印刷できる色を出す」という写真を扱う上での基準点があるので、写真を始めたばかりの人のようにやみくもに彩度を上げすぎたり、
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この記事を読んで、ウンザリした。 https://news.livedoor.com/article/detail/17178431/?fbclid=IwAR3mnOAmEuKPPii9iX1kUuxbgqa2hIgAaKW5mD60JI5vfzh4bvaKjoaAJUE 誰もがスマホを持つようになり、そこで起きたことが善悪にかかわらず記録されていくんだけど、俺たちは写真が職業だから、「何を撮って、何を撮らないか」を決めている。 これを撮ったら、あれを撮ったことに整合性
何個買えばいいのだ、バッテリグリップ。 α7R2から3になったときに共用できないので買い換えた。7R3とα9とは共通だったので、それはまあよし。しかし7R4になってまたボディサイズが変わってしまった。7R3とα9はまだ使うので仕方がない。買い足す。 ややこしいことがいくつかある。CANON、NIKONのように長年プロが使って、「こういう風にはしてくれるな」という意見のストックがないから、SONYは毎回仕様を軽く変更する。これは使う側からするとかなりのストレスで、よくなかっ
10月中旬に、久しぶりに「ボンヤリする会」をやろうと思います。参加希望の方(Anizine、写真の部屋、博士の普通の愛情のメンバーならどなたでも)はコメントをしておいてください。
SNSができてから圧倒的に変わったのが「人に知られる経路」で、昨日の仕事もそうだったけど、ネットに載せている写真を見た知らない人から仕事を発注されることが多くなってきた。 今まではどうだったかというと、カメラマンの場合は写真展だったり、編集者やアートディレクターに直接資料を持って行ったり、知人からの紹介だったりした。雑誌のクレジットなども効果はあったが、そもそも雑誌を買って手に取らないといけないので、今ではそれほど多くの不特定多数に届いているとは言いにくい。 ネットでの写
写真の話をしていると、いつも「サトリ」が思い浮かぶ。 サトリは人の心を読む妖怪で、「今、こう思っただろう」と言い当てる。サトリに睨まれた人間は何を考えているか読まれないようにするのだが、何も考えないというのは難しい。 黙って薪を割っていると、偶然飛んでいった薪がサトリに当たり、退散するって話なんだけど、まさにこれは写真を撮るときの気持ちに似ている。 考え過ぎて、考えるのをやめて、でも次々に何かを考えてしまっていて、考えていないようにしているからそれも考えていて、八方ふさ
俺が毎日している仕事は、数種類ある。プロフィールには「写真家・アートディレクター」と書いているけど、これも最近順番を入れ替えた。写真の仕事の方が増えたからだ。 日本人のメンタリティとしては「創業元禄十年」とか「牛丼一筋80年」みたいに同じ一つのことだけを誠実に続けるスタイルが尊重されるから、仕事を変えたり手を広げ過ぎるのはダメってことになっている。牛丼のCMは80年の頃から印象がアップデートされていませんけど、今が何年かはどうでもいいです。 俺にとって今やっていることの全