マガジンのカバー画像

Anizine

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。
¥500 / 月
運営しているクリエイター

#写真

ハリウッドでなくても:Anizine(無料記事)

平林監督のnoteを読んだところです。私は今まで何十年も平林監督と話してきましたから、会っていないときにも話しかけられたような気がして、つい反応してしまいます。 平林監督の話は私もいつも思っていることですが「誰でも自分のことを他人に読んでもらうために書けばいいのに」ということです。みんな誰かの投稿を読んでいるのですが、「あの人は芸能人だから読む価値があるので、自分には何もないっすから」と、自分では書かないのです。これはコンテンツ価値の自己判断と言えましょう。あなたのコンテン

定期購読メンバーの皆さんへ

「たとえば一週間どこかに遊びに行ったとして、どれくらいいい写真がセレクトできますか」と聞かれることがあります。私はスマホでほとんど写真を撮らないので、遊びに行くときでも普段仕事で使っているカメラで撮ることになります。これがプレッシャーなんですよね。ちゃんとした『作品』と呼べるようなものが撮れるのではないかと淡い期待も生まれます。では、どれくらいの枚数がセレクトできるのでしょう。その答えです。

ありがとうございます:すべてのマガジン

『カメラは、撮る人を写しているんだ。』 発売されて、Amazonのランキングが出ました。 このカテゴリはこちらで指定することができず、Amazonで振り分けられるようです。現在は「教育」などにもカテゴライズされている模様。 写真の教則本だと思って買った人から「まったく役に立たなかった」というレビューもありますが、「文学」なので仕方ないだろうと言い訳もできます。ネットでタイトルを見て勝ってくれた人が誤解するのももっともなのですが、この本はそういった「TIPS」を勉強して

銀のエンゼル:Anizine

才能がまったくない私のような人でも、できることがあります。それはサボらずに続けることです。天才的なマスターピースを生み出すことはできなくても、凡才的なモノなら毎日100個は作れます。私はこれを「銀のエンゼル」と呼んでいますが、数が集まれば何とかなると思ってやっています。 何かを作ることには共通点が多く、作曲する音楽家、新しいメニューを開発しているシェフ、だれもがコアの部分では同じ困難に立ち向かっています。だから違うジャンルの人とも話ができるのですが、同じ業界の人であっても自

この本ができるまで

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

オバマと写真家:写真の部屋・Anizine(無料記事)

U-NEXTで『大統領のカメラマン』という映画を観ました。「ホワイトハウスの大統領専属フォトグラファーか、参考として観ておくか」くらいの気持ちで観てみたところ、受ける印象はまったく違いました。写真に興味がない人も魂が揺さぶられると思いますし、カメラを手にしている人なら「写真を撮る意味」をもう一度考えるはずです。 メインになっているのは随行していたオバマ元大統領の姿ですが、それはアメリカの理想、人間の存在、政治の在り方のすべてにリンクしていきます。後半はわかりやすくもうひとり

『カメラは、撮る人を写しているんだ。』

1月30日刊行の『カメラは、撮る人を写しているんだ。』の予約が始まりました。写真について足りない頭で考えていることのすべてを、この一冊にまとめました。カバーの小橋めぐみさんを始め、参加してくれた皆さんありがとうございます。

必ず見つかるんだぜ:Anizine・写真の部屋

今日は金沢へ。ミーティングを終えて渋谷に戻り、近所のコンビニエンスストアで水を買おうとしていると道路に「あるもの」が落ちているのを見つけました。 ここから先は事態の受け取り方が人ぞれぞれだと思うので、定期購読メンバーにだけお伝えいたしますが、なぜ「Anizine」と「写真の部屋」の記事になっているのかはあとでわかると思います。

京都一泊:Anizine(無料記事)

昨日は京都で撮影をしたのですが、やるべき仕事が多くて外食にも行けず、部屋でお弁当を食べるという京都にはあるまじき失態を演じました。そして今日の朝に東京に戻ろうとして新幹線のチケットを買ってホームに出たところ、名古屋付近で火災があり全線動かないというアナウンスがありました。 仕方なく駅を出て、大きな撮影用のバッグをコインロッカーに預けて光明院に向かいました。お寺の中で寺田克也さんと朝倉世界一さんの展示をしているのを聞いていたからです。怪我の光明院と言いますか、ラッキーでした。

空を飛ぶ:Anizine

「なぜ、あんなに重たい鉄の塊が空を飛ぶんでしょうね」 と言う人を、2023年になってもまだ見かけますがいい加減にしましょう。あれは不思議でもなんでもなく、エンジンのチカラで空中を強引に押しているだけです。だからエンジンが止まれば落ちます。グライダーだっていつかは降りてきます。もしそう言いたいなら船のことを考えるべきです。あれはなぜ何気なく浮いているのか、そっちのほうがよほど不思議でしょう。 ボールは空中に投げると落ちてきます。それは重力があるからです。はわかりやすいのです

完パケる:Anizine / 写真の部屋

先日あるシーンが頭に浮かんだのでそれをメモしておいたのですが、次々に話が進んでいって、まあまあのプロットになりました。脚本にはほど遠いですが、物語の骨子は見えています。なぜそんなことをしたかと言えば、山形ビエンナーレで「架空の映画の脚本を写真にする」という展示をしたのを思い出したからです。それと近いことができそうだなと感じました。 ポスターやスチールはあるのに映画の本編だけがない、というおかしな展示でしたが、もしかすると、もしかするとですけれど、かなり保険をかけた発言をしま

待たせてごめん:写真の部屋・Anizine

昨日は音声メディアコンテンツの収録をしました。あるテーマの6回分を続けて話したのですが、箇条書きにしたものを即興で構築しつつ話すというのは、思ったよりも大変でした。いくつかのキーワードを元に話しながら文章にしているような作業であり、アーカイブ型なのでずっと残ってしまうというプレッシャーもありました。 まず、以前の打ち合わせで仮に決めていた「全体のテーマ」が、ちょっと普通すぎるかなという疑問が生まれ、収録の前に一時間以上悩んでみんなを待たせることになっていまいました。数日前に

一人旅:Anizine・写真の部屋(無料記事)

浅生鴨さんが一人旅の短編を、平林監督もたまたま一人旅について書いていた。俺も帰ってきたばかりなので書く。 国内もそうだけど、外国に遊びに行くときはできれば一人がいい。俺のスタイルはかなり衝動的なので自分の予定だけで決められた方がラクなのだ。二人のスケジュールを合わせるのも大変なのに4人とか5人ではほぼ無理だ。 行きたい場所も予定せずに行くから、誰かが「せっかく来たんだからあそこに行きたい。3時間で行けるから」などと言われると気絶しそうになる。せっかく、が厄介なのだ。とにか

Paris:写真の部屋+Anizine(無料記事)

6月に欧州ロケには行きましたが、遊びで来るのは2年半ぶり。20年の2月でした。まだ面倒なことはありつつも、ある程度は許容できる感じになってきたので来ることにしました。 久しぶりのラウンジはシステムが変わっていたり、空港内のほとんどの店が休業していたりと、まだまだ影響は大きく完全復活とは言えないようです。もちろんしばらく前から行ける国は増えてはいたんですが、ただの遊びで無謀なことをしても誰も褒めてくれませんし、現地の人に迷惑がかかります。 日程は適当に決めたのですが、PFW