見出し画像

二次創作やってるやつらは全員○んじまえとは思わないけれどアニソン系DJイベントのリアニメーションがVJに気を遣う理由。

コミケ2日目お疲れ様でした。明日も頑張ろう!

先に断っておきますけれど、私は大学の時に悪友に誘われて以来、ほぼ毎回コミケに足を運んでいて、サークル参加こそないものの、気まぐれに企業ブースの混対を手伝ってみたり(超大変なので怒らないであげてほしい…)、こりゃ儂には無理じゃと思って買い専に戻ったりしているうちに十数年経っていたりするので、コミケや二次創作文化について、多少なりとも知っているつもりです。なので「無理解で厨二がほざいてる」とか「そんなの無理無理、夢は寝てから見ろ」とかは言われたくはないです。同人誌もお金払って買っているし、今後もお金を払って買い続けるでしょうし、二次創作は全部タダにしろ!とか思いません。以上、ご清聴ありがとうございました。

---

さて…そんな冬コミのタイミングを狙ったとしか思えない増田が公開されてました。

二次創作やってるやつらは全員死んじまえhttp://anond.hatelabo.jp/20161229172137

「保育園落ちた」もそうですけれど、あんまりこういう言葉選びが好きじゃないので、この増田自身はあんまり好きじゃないです。感情的なポエムだとか未然打てば何書いても良いわけじゃないですよね。クリエイターなら。

まあ、クリエイターだから、感情逆なでするように書いたのかもしれませんし、TwやFbではほとんど無風ですが、はてブはそこそこついてました。

書いた人のことは好きになれそうにないけれど、書いてあることには共感するところや、最近考えてることとも通じるところががあったので、今年最後のnoteを書くことにしました。(実は今年最後のエントリーは、アクセスの多かった記事とかまとめようと思ったんですが、身近な人がみんなやってたのでやめました。)

ちなみに、長くなりますから、明日のコミケの待機中にでもお読み下さい。

---

そんな訳で、2016年もこのnoteをたくさん読んでいただいてありがとうござます。これが最後のエントリーとなります、アニメ×ダンスミュージックの超都市型野外DJフェス「リアニメーション」オーガナイザーのちへでございます。

昨日、こんなイベントの告知を公開いたしました。

アニソンに合うVJ素材創作講座&交流会】Re:animation Presents アニメVJ作戦会議-Re:venge- 1月14日@中野ICTCO
http://vjstrategy01.peatix.com/

こちらはVJ講座というよりは「アニソンに合う独自のVJ素材をみんなで作ってアニクラのVJに革命起こそうぜ!」という試みを過程から公開しつつ、味方を増やしつつ、それなりに楽しくやりましょう!という会になります。

このエントリーでは「リアニメーション」がこれを開催するに至った経緯を振り返りつつ、先ほどの増田も踏まえて、自分の考えを述べたいと思います。

アニクラでは「当たり前」なスタイル

さて、このnoteをいつも読んでくださっている方はよくご存じだと思いますが、私がオーガナイザーをやらせてもらっているアニソン系DJイベント(通称アニクラ)である「リアニメーション」では演出としてのVJがアニメの映像を勝手に使うことを許していません

とっても変な日本語なのですが、反対に言うとアニクラと呼ばれるジャンルのDJイベントではVJがアニメの映像を勝手に使うことが「当たり前」です

この辺で、そこそこ同人にお詳しい方は「おいこらそれは二次創作じゃないからアウトじゃねーか!」とブラウザ閉じたくなると思いますが、アニクラは来場者も含めたイベントそのものがクリエイティヴとなる二次創作物と捉えられるから云々…と始まる面倒くさい説明が長くなるので、ちょっと我慢してそのままお付き合いください。

良いか悪いかはさて置いて、今は、それが「当たり前」なんです

鍵括弧を付けてることに免じて、その怒りの矛先をお納めください。あと、「リアニメーション」はそれをしていないので私に怒らないでください。

だもんで「アニメの映像が流れないアニクラなんてつまらん!行く価値なし!」なんて言い出すお客さんもいるくらいです。というか、きっと少なくないはずです。ただ、権利厨や通報厨の皆様、すみませんが発狂するにはまだ早いです。

アニクラという言葉が比較的使われだしてから5年くらいになりますが、その歴史の中で、アニクラとはそういうものになっています。

もう少し詳しく説明すると、アニクラでは、DJがプレイするアニソン(その多くは89秒のTVサイズに近い1コーラスだけ流して次の曲に繋ぎます)に対して、VJがそのアニソンに対応したOPムービーやEDムービー、または予め本編や予告編の動画を編集しておいた素材を使ってプレイするスタイルが一般的です。

その技術たるや凄まじく、上手なVJになると、DJが前後の曲を綺麗に繋ぐために楽曲の途中から再生したり、曲の速度を変えていても、ぴったりとタイミングまで合わせて映像を流せる人もいるくらいです。また、膨大なアニメ知識を頭とHDDにインプットして、モニタリングしたアニソンに対して即座に対応するアニメの映像を探し出す知識量は真のアニヲタでなければ実現できません。ぶっちゃけ、アニクラのVJ技術はマジスゲーって尊敬してます

もちろん、アニソンをクラブ用にRemixを使用したり、他ジャンルとのハイブリッドで選曲することもあるので、全てそうではないですから、最もスタンダードなスタイルとしてご理解下さい。

SNS時代のファン活動は見られている話

では、なぜ私がオーガナイズする「リアニメーション」では超スタンダードなスタイルを踏襲しないのかというと、その理由はアニクラの黎明以前に遡ります。mixi(やそれ以前は2ちゃんねる)のオフ会が盛り上がっていた時代のことです。

私はいくつかのアニメファンのオフ会に参加したり、自分でも”幹事”として特定のアニメタイトルファンのオフ会を開催したりしていました。当時、大きなオフ会は100人を超え、数百人規模のも珍しくありませんでした。今のアニクラよりたくさんの人が集まっていたかもしれません。

そんなある時、自分が開催していたオフ会のテーマになっているアニメを作っている会社のスタッフさんからmixiメッセージが来ました。曰く「遊びに行ってもいいですか?」と。ぶっとびましたが、そんな嬉しいことはないので、二つ返事でOKして以来、しばらくの間、交流が続きました。

また、別のアニメのオフ会では、たまたま使っていたお店の常連さんだったという理由で、会の噂を聞きつけて、制作プロデューサーさんが飛び込みで遊びに来られたことがありました。さらに、彼の紹介で出演声優さんがお忍びで遊びに来られたり…。

しかも、これは単に私が超幸運だったわけではなく、当時の主だったアニメのオフ会では似たようなことが度々あったことのようです。

インターネットはオープンな場所ですから、公開した情報は(告知なんかなおさら)作っている人たちにも見られて当たり前なんだということをこの時に知りました。最近はクリエイターさんもエゴサーチしていますから、当時より見られてると思います。

もちろん、彼らも悪意や警戒でもって監視に来ていた訳ではなくお忍びでの交流を楽しまれていました。フロントマンでもない限り、クリエイターさんがファンと直接対面する機会は少ないですから「刺激になる」そうです。まあ、ちょっとは変なことしてないか見ておこうというのもあったかもしれないですし、オフ会の告知サイトへのリファラに某広告代理店のIPがあった時は肝が冷えましたが…(結局何もなかったですが…)。

で、話を戻すと「リアニメーション」でアニメの映像を勝手に使わない理由は、そういった機会に幸運にも(不幸にも?!)クリエイターさんと直接に交流を持ってしまったせいです。

だって、友だちや知人の努力を掠め取るのは流石に憚られませんか?

だから、既に90年代から続くコスプレダンパと呼ばれるアニソンDJイベントや、2000年前後に盛り上がっていたナード系クラブイベントでは、アニソンに対応したアニメの映像を流すというスタイルは珍しくない状態でることは知っていましたが、あるアニメのオフ会から発展してクラブイベントを開催した時に「うちはそれをしないことにしよう」と決めたのでした。

そして、そのイベントが発展継続した「リアニメーション」もそのスタイルを継承しています。

クリエイターである前にファンである人の責任の取り方

さっきの話を補足すると、単に友人・知人のモノを盗らないみたいというのはあくまできっかけです。

オフ会はファンが集まったコミュニティであるのだから、ファンが自分が好きなクリエイターや作品に迷惑かけるようなことはしないようにしておこうというのが、考え方を表すより正確な表現です(その結果、「こういうことをしたいんですが大丈夫でしょうか?!」と制作会社の広報に問い合わせるという初歩的なアレを犯してしまったことは秘密ですし、その時いただいたお答えの内容も秘密です)。

迷惑というのは、ちょっとフワッとしていますが、胸に手を当てた時にファンとしての仁義にもとるとことと捉えていて、もっと俗な言い方をすると、怒られた時に言い訳できないことはしないということに、自分の中ではしています。

何かをやるということは、そこに責任が発生する訳ですが、二次創作に関していえば、大前提にとなる「原作者がダメって言ったらスパッと止める」という腹決めもそこに含まれるんじゃないかと思います。変なプライドとか未練でそこでgdgd言うもんではないなあと。そうした時に、それで後悔するくらいなら、最初からやらない方が良いと思っているので、そういうことだとご理解いただければ…この辺は、自分でも抽象的に理解してるので、ニュアンスを言葉にするのがすごく難しいです。

こういうのは良くないかもしれないですが、世の中、人と人で成り立っているものなので、だいたいの場合は「お手付き」も1回までなら許してもらえたりします(もちろん無条件でという訳にはいかんでしょうけど)。その1回で責任取り切れる範囲というのを覆さない初期設定として自分に課して、クリエイティブを発揮するのはその制限の中で十分…というのが、二次創作だと思います。それが嫌なんだったら、自分が原作者になるしかない。

ここまで読んでエントロピーが溜まってるアニクラ関係の方に言い訳しておくと、初期設定は任意で設定されるものなので、絶対の基準はないし、どれが正しいということはなく、自分が自分に対してどう思うかだけ。結局、いざって時に自分に課したルールを守れるかだけの話です。

なので、私も同人誌は買います。

ただ、アニクラのVJの「当たり前」はどういう初期設定に基づいて形作られてるのか?は意識しておいた方がよいのではないかとは思います。

"できる範囲"でクリエイティヴしたい

そういう訳で、アニソン系DJイベントなのにアニメの映像がVJで出てこない、タイトルに「animation」って入ってるのにアニメが流れないって何なの?アニメに対するリスペクトが薄いの?って言われる特異体質のイベントであるところの「リアニメーション」です。

アニメ以外のことに触れておくと、DJがプレイする楽曲も"一応"は著作権の処理をするようにしています。屋外だとクラブやライブハウスみたいなJASRAC空間ではないので、自分たちでJASRACに申告しています。

これも、だから万事OKではなくて、JASRACに信託してない楽曲は?とか、同一性保持は?とか、隣接権とは?とか、突っ込まれると、いろいろ穴があります。特に、ダンスミュージックとのハイブリッドである「リアニメーション」にとって欠かせないRemixは難しいです(とりあえず、原曲の権利者にいくらかは戻したいということでJASRACには原曲として申請してます)。

では、実際に原作者さんから突っ込まれたらどうするの?というと、そういう風に一応筋を通そうとしてるんですがダメでしょうか?!と自分が信じる言い訳を盛大にかまし、許してもらえる条件がないかと話し合い、それでもうまくいかなかったらスパッと諦めるつもりでいます。

幸い、今のところは続けられてますが、実際のところ、面白くないと思ってるクリエイターさんもいるだろうことは折に触れて思い出すようにしてます。

そういう腹決めでもって、どこまで楽しいイベントが作れるか?が私たちのクリエイティヴです。アプローチは大きく2つあって…

①それをやると自分で自分が許せなくなるからやらないけれど、やれるんだったらやりたいことを、大手を振ってやれるように変えていく。

②自分たちが決めた範囲でとにかくやれることは全部やる。

①の方が、増田のいうところのコレ↓になるのかなと?

画像1

そりゃね。使えるもんなら使いたいですよ。ただ、ほんと許諾なんて出さない。めっちゃ難しい。めっちゃ難しい上に、万が一にもそういう仕組みが実現したら、今あるシーンがどうなるか、正直わからないんですよね~これ。うっかり仕組みが出来上がったら、それを作った張本人は悪者になりかねません。

だけど、これは対話を続けるしかない。

この手の話は、アニクラ界隈のなかで1番…と言える自信はないけれど、5番目か6番目くらいには然るべき人たちとお話させて貰ってる方じゃないかと思います。とはいえ、難しい。ほんとーに!こういったシーンに理解のある人たちと話しているにも関わらず、難しい。ただ、これまでもゼロ回答ではないので、諦めるにはまだ早い、かなと。

で、②の方が、さっきリンクを張ったイベントにパターンに至る途です。

そもそも野外イベントで、しかも個人主催のイベントとしてスタートした「リアニメーション」は主にお金の問題で当初はスクリーンの準備すら出来なかったのですが、何度かのアプローチによって最初は屋内会場で、そして最近は野外でもVJが入れられるようになってきました。

そこで改めて、この課題に直面した時に取った選択は、アニソンDJも音楽として解釈して演出できるVJということで「アニメVJ作戦会議」のプレゼンターでもあるSpike-Bloomさんを筆頭に、アニクラ以外のクラブやレイヴで活動しているオタクなVJさんと組むことでした。

ちなみに、Spike-Bloomさんも『Panty and Stocking with Gurterbelt』というアニメの公式DJイベントをオーガナイズした経験があって、同じ問題に苦闘した一人です。

幸い、それまでにDJ側も”アニメの映像が出ない”環境下でのDJプレイにアジャスト出来ていたし、会場選びや、タイムテーブルの作り方や、音楽イベントとしての立て付けもして、アニメ映像に頼らないでいい状況はできていたので、映像もアニメファンが集まるけれど、音楽イベントとして扱おうと。

アニソンもダンスミュージックもアニソンのRemixもかかる「リアニメーション」とも相性がよく一定の成果があり、やはりこの路線は突き詰めたら面白い!…と感じるに至りました。

少なくとも、アニソンに対応してアニメの映像を当てるのとは、まったく意味が違うので、別な表現として成立するなと。

ありものを使わないということは作れるということだし、借り物を使わないということは作った人が原作者になれるということです。そして、日本のアニメが培ってきた「記号」というのは、1つの89秒の映像の中に全ては詰め込まれておらず、またパッケージされていなければいけないものでもない。パッケージされたものは違う何かと混ぜるのが難しいですが要素のままなら混ぜ放題です。

その上、その日本のアニメの「記号」表現を読み解ける感性も今や世界中のアニメファンの頭の中にバラまかれている状態なので、いざとなったらそっくりそのまま海外に持ち出せるし、何だったら、インターネットで今すぐに海外の人に作った素材を送ったり、反対に海外から集められるかもしれない。

アニメのオフ会からイベントを始めた私ですから、いつでも真っ先に考えるのは、同じものが好きな人がたくさん集まったら絶対に楽しいに決まってるし、参集の障害になるハードルは低い方が良いに決まってる!と私は思ってます。「リアニメーション」は日本中のアニメも音楽も好きな人をみんな探し出して、集まって貰おう!と思ってやっている訳ですが、それが日本中じゃなくて世界中からになってもいっそ構わないのです。…と、思うと、参加のハードルが(実は)低くなる、アニメの映像を使わないスタイルも捨てたもんじゃないなと。

これは良い悪いの話をしているのではないので、自分がVJでもないのにもう眉間に皺が寄ってる方も、まあまあちょっと揉み解して経過を見守っていただけたら嬉しいなって思います。もし大失敗に終わったなら、その時には盛大に笑ってやってください。

このエントリーで言いたいのは、制限があるから面白くないのではなくて、制限があるからこそ生まれる面白みもあるということで、そこもクリエイティヴが活躍できる土俵だということ。そもそも、アニソンにアニメの映像を当てるというのも、VJ的にはかなり限られた制約の中磨かれていった技術があると思います。

だから、どうせ頑張るなら、私は、私自身が今言ったような未来が思い描ける道を選択したいし、選択した未来に対して腹を括りたいと思っています。くどいようですが、それは私が勝手に思っていることであって、また別の人はアニメの映像をそのまま使うアニクラでは当たり前のVJに未来を見ているかもしれませんし、その未来は意外にも近い形になるのかもしれません。誰かの腹決めを他の誰かが否定できるものではありません。私にはその道を想像したり、創造したりするスキルがないから、そうしないだけです。

同人や二次創作にはいろんなアプローチがあってもいいと思います。ただ、どういう方法を選んだとしても、やっぱり原作がないと始まらないということだけは確かなので、そういう人達にも喜ばれる(少なくとも迷惑がられはしない)形で活動したいものですね。あと、アプローチが違うことを否定したり、喧嘩するんじゃなく、どっちでもあり!で、どんどん新しい表現を作っていきたいです。

余談

そういえば、私も大好きなコミケの「企業ブース」について、あれはコミケ本来の理念に合っていないけれど「必要悪」だから仕方ない…という否定的な意見もあるのだとか。

実は、私も、コミケ本来の理念に合っているかというと、たぶん違うと思います。ただ、だとしても「必要悪」とか言っちゃうこともないんじゃないかな~と思うのですよね。

全ての表現を受け入れると腹を括っているコミケに集まる創作物の中で、より多くを占めるのはアニメ・ゲーム・漫画・小説の二次創作です。だから、あれだけたくさんの人が来るのです。それは原作のバリューの横取りだからではなく、単に二次創作の方が作る方も、受け取る方も取っつきやすくて、間口が広いからです。だから、二次創作は否定できないし、するものでもない。エロもグロもいいと思います。"原作レイプ"と言われるものからでさえ、何かが出てくるかもしれない。それが表現の自由だと思うし、それを守り続けるコミケを作ってきた先人は本当に凄いです。

そんなコミケだから持てる「リスペクト」が企業ブースだと思っていれば、良いのではないかなと、そういう議論を見かけるたびに思う私です。少なくとも、それで折り合いがついているうちは。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

3
アニソン系野外DJフェスティバル『Re:animation(リアニメーション)』オーガナイザーが主宰するオンライン会議室「アニソンDJ作戦会議」報告用のnoteです。オンライン会議室の受付窓口も兼ねています。アニソンDJがもっと楽しくなる、興味がある方の役に立つ情報を発信します。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。