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黎明期から学ぶ、アニメクリエイター生存戦略

おはようございます。

ごっついタイトルをつけてしまって、若干の後悔をしている
アニメ演出家 おうしと申します。

#軽い気持ちでよんでいただけるとありがたいです

このnoteでは、
アニメの未来についての僕の考え』とそれに対する『僕のアクション
アニメクリエイターに役立つ情報・思考法』などを書いています。


本日の記事のカテゴリは『#アニメクリエイターの生存戦略』です。


個人的には、未来や戦略を考えるときは、過去を知ることがとても重要だと思っています。

なので、今日のテーマは『アニメの歴史背景から学ぶ』です

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▼ オタク経済圏創世記を読み進めています
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先日の記事で報告させていただいたように、現在「オタク経済圏創世記」を
読み進めています。

その中で、マンガ・アニメ・ゲームのコンソーシアム的な関係性、各メディアの時代ごとの変化がよく話題に上げられています。

アニメでいうと、有名な「手塚治虫さんの功罪」(今も続くTVアニメの安い単価の基準がここで決まってしまった)なども語られています( #諸説あり )

詳しくは↓

正直、僕も昔は「なんてことしてくれたんだ!手塚治虫!」なんて、生意気にも思ってましたが、最近は「あの時代ではそれも仕方なかったんじゃないか」と考えを改め直したりしていました。

アニメという文化が人気を得た大きな要因の一つに、手塚治虫さんたち先人が、目先の利益よりも「とにかく認知度を上げること」を優先してくれたから。と思うからです。
その認知度のおかげで今のアニメの地位が確立されたことは、間違いないと思います。

アニメの認知度が全くない状態から、手塚さんがおこなった打ち手。

それは「めちゃくちゃ安い製作費で、週1ペースで放送し、作品とお菓子などのコラボ商品を産んだ」ですね。


ちょっと抽象化すると、、

①:圧倒的に原価を下げる

②:圧倒的なスピードで顧客にサービスを提供する

③:①や②によってシェアを獲得する

④:①や②で生まれた赤字を、別軸のサービスを広げることで回収する



、、、これ、何かに似てませんか?


そうです。
今の僕らの生活に最も結びついている、世界最大企業「Amazon」のビジネスモデルですよね。

競合より圧倒的に価格を下げて(配送料無料)、圧倒的なスピード感(翌日配達)によってシェアを獲得。そして、「アマゾン・エフェクト」で表現されるように、同じことを他業種でも展開してシェアを独占していっています。

「オタク経済圏創世記」では、マンガやアニメの黎明期について「実は50年前から展開されていたAmazon型戦略」として論じられています。僕はAmazonのところまで言語化できていなかったので、読んでいてすごく腹落ちしました。

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▼ では、日本アニメとAmazon の違いって?
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シンプルですが、“コンソーシアム型“と”単体企業“の差ですね。

Amazonはシェアを独占した後に、価格を上げることはやりやすいですが、
 (※個人的にはAmazonが掲げる「カスタマーオブセッション」(顧客至上主義)を信じてprimeの値段が据え置きされることを祈っています)
日本アニメは業界全体として高いシェアを誇っていても、たくさんの企業の利害関係があるので一気にどーーんっと価格を上げる事は難しいんだと思います。

つまり、やっぱり「“製作予算≒報酬”は、なかなか上がらない」と、僕たちクリエイターは考えた方がいいのではないでしょうか。


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▼ じゃあどうするの?
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だいぶ前フリが長くなりましたが、「製作費が上がらない」ということ踏まえたうえでのアニメクリエイターの生存戦略としては

①Amazonのように圧倒的なシェアをとる

②いかに他の収入手段を増やすか


②については、競合がいない(少ない)ジャンルを見つけて、専売特許にしてしまうことですね。
例に出すと恐縮ですが、、、アニメ業界の具体例で申し上げます。

例えば、作画では「エフェクト作画」≒橋本敬史さん、
役者さんでは「めちゃめちゃ強そうなおじさまキャラ」≒大塚明夫さん、、

みたいな感じで、代名詞になれるものを見つける。ということですね。

②は以前の記事で書いた、「ポートフォリオ思考」を読んでいただければと思います。

もちろん、①と②の両輪がベストだと思いますが、どちらかを先に進めるとしたら、その判断基準はそれぞれの立ち位置しだいだと思います。

すでに代名詞になり得そうなものがあるのであれば、まずはそのシェアを確実なものにして、「アマゾン・エフェクト」のように、あとから横展開していくのがよいでしょうし、まだ、先立つものがないとしたら、まずはリスクマネジメントの観点から②を探ってみるとよいのではないでしょうか。


今日はこんなところで。


この記事が皆さんにとって少しでもアニメについて考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。

今後もアニメの未来についての考えとアクション、アニメクリエイターのための情報などを書いていきたいと思います。


現場からは以上ですー!

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