機動戦士ガンダムSoul 最終話「かけがえの無い日常」
どのくらい眠っていたのだろう。
目が覚めた僕はソウルエッジの病室にいた。
―――どうして、僕は生きて...
ベッドの上で寝ていた僕は、少しずつ身体を起き上がらせた。まだ少し頭が痛い。僕が病室で呆然としているとメグミとユイちゃんが病室に入ってきた。
「マサキ!意識が戻ったのね。」
「おにいちゃん...良かった。」
そう言いながら、ユイちゃんが涙ぐむ。二人は顔を見合わせると、僕の方へゆっくり歩いてきた。
「なんで...僕は、ここに?」
「忘れたの?私のソウル属性は水だから、水月は、水中での機動性が一番良いのよ。海中に沈んだ烈火を引き上げるなんて、訳ないわ。」
そう言いながら、メグミは僕に微笑みかける。彼女の笑顔を久しぶりに見た気がした。
少しだけ冷たい風が吹き、窓際のカーテンを揺らす。僕は、窓から見える風景を見ながらメグミに訊いてみた。
「なんで紅蓮は燃え尽きたのかな?」
そう言うと、彼女は少し考えた後
「片桐が死んでしまったから、推測でしかないけど、多分...コアメタルの破損によるソウルの暴走。」
とゆっくりした口調で答え、続けて
「ただ、貴方の時と違ったのは、コアメタルが完全に砕けてしまった事ね。」と言った。
「それに、紅蓮は圧倒的な力を持っていたため、暴走した時の反動も大きかったのよ。結局の所...力を持ちすぎたせいで、自滅したんだわ。」
メグミは冷たく言い放った。
「・・・・・」
僕は何も言わず、ただ黙って彼女の顔を見つめていた。しばらく静寂の時間が流れたが、やがてメグミが口を開いた。
「途切れ途切れだけど、片桐との会話は聞こえてきた...ねぇ、マサキ。これからどうするの?貴方がその気なら、私も...」
「おにいちゃん...」
ユイちゃんが瞳を潤ませながら、心配そうに僕を見つめる。
―――これから、か...
様々な想いが、頭の中を巡り、胸を締め付ける。
「かあさん...」
頬を流れ落ちた涙が、強く掴んだベッドのシーツに染み込こんでいった。
僕が守りたいと思っていた
『かけがえの無いもの』
それは消えてなくなった。
―――だから、僕は...
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子供の頃からアニメが好きで、そのまま大きくなった40代です。(*´∀`)♪懐かしいアニメから最新のアニメまで、何でも見てます。