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「僕のヒーローアカデミア」で学ぶ、男の真の強さとは

「ヒーローがマントを羽織るのは!痛くて辛くて苦しんでいる女の子を包んであげるためだ!」

✔オールマイトの後継者と目されるヒーローらしいヒーロ、ルミリオン

 ルミリオンというのはヒーロー名で、本名は通形ミリオ(CV:新垣樽助)です。彼の個性は「透過」で、物体を通り抜けるというもの。その「個性」は、決して強いものでも、うらやましがられるものでもなく、ましてや一歩間違うと真っ二つになってしまう危険な個性でした。凄まじい努力の積み重ねによって、まだ学生でありながら、プロヒーローを含めた中でも最もNo.1に近い存在と言われている人物です。

 さらに、ヒーロー名の「ルミリオン」は「全ての人(オール)は助けられなくても、百万(ミリオン)の人を助けられるヒーローになれるように」という意思を込めて、自分でつけた名です。

 とても明るく優しく、リーダーシップもあり、自分の闇を見せられても動じず、心を揺らさず、肉体的にも精神的にもその強靭さは心を打たれます。このルミリオンの優しさと強さこそ、真の男らしさを感じさせました。この「男らしい」というワードに関しては賛否あるかと思いますので、これについては後述します。

✔ヒーロー像の変化 

 時代の変化なのか、ジャンプ主人公の特徴も昔と変わりました。昔は、主人公はただひたすら強かったり、ひたすら強さを追い求めるタイプかメインの女性キャラを守るために戦うというタイプだったと思います。

 正義感が強いとか、仲間想いではありますが、共に戦うというよりは、敵とそれぞれが戦っていく中で仲間が散っていき、最後に残った主人公とボスキャラ同士が戦うという、主人公=最強という設定でした。

 ところが最近のジャンプの主人公は、このヒロアカの出久や鬼滅の炭治郎、呪術の虎杖、ワートリの修のように、主人公よりも周りの人間の方が強い場合が多く、かつその中には女性キャラも多いです。さらには、優しさとコミュ力と礼儀正しさと知性とマジメさを持った主人公が増えました。(礼儀正しさと知性は、昔の主人公には一番欠けていた部分かなと思います)

 さらに言えば、主人公以外の男性キャラでも、分かりやすく優しいキャラが増えたように感じます。特に女の子に対して、優しいジェントルなキャラが増えていて、この「優しさ」こそ、真の男らしさではないかと、みみのすけは考えます。

✔多くの男は女を守りたいと考えている

 ジャンプ作品だけでなく、男性が原作の作品に共通している事があります。それはごく一般的な概念として「男は女を守るものだ」と思っていることです。それは、さまざまな作品に出てくる男性キャラの言葉の端々で聞かれたり、行動に出たりしています。

ルミリオンの「ヒーローがマントを羽織るのは!痛くて辛くて苦しんでいる女の子を包んであげるためだ!」というセリフにもあるように、どれだけ能力が高かろうが、強かろうが、女の子は助けてあげたい、守ってあげたい!存在だと思っていることがよく分かります。

 また、轟&八百万百が、相澤先生(イレイサーヘッド)と試験で戦う時に、轟が自分が囮になって八百万を逃がすという作戦を「勝手に決めて」実行しようとするシーンがあります。

 それに対して、相澤先生が「女の子を慮るのは立派だが、もう少し話し合ってもよかったんじゃないか?」と轟に言うので、男が女の子を守ろうとすることは男としては立派だと、その点は肯定していることからも分かります。

✔「男らしさ」について、あえて語る

 「男が女を守る」などと言うと、時代錯誤だと騒ぐ人たちがいます。男女ともに、それに異論を唱える人がいる事は、重々分かっています。ですが、様々な作品を見ていても、現実的に色んな男性をみていても、間違いなくそう思っている男性がほとんどなのです。 

 今の時代、とかく「男らしい」とか「女らしい」というと忌避される傾向にありますが、性差を持って生まれてくる以上、それをなくすことは無理ではないと思っています。

 ジェンダーマイノリティの方々の権利は守られてしかるべきですが、だからと言って、ジェンダーマジョリティのあり方まで否定するのはいささか極端であり、マジョリティの権利も守ることも許されてこそ互いの正しく認め合えるのではないでしょうか。

 前時代的な価値観では、男らしいと言うと「強さ」を勘違いした「強引」「暴力的」という要素が感じられましたが、それは男らしさではないと断言します。男の真の強さとは優しさであり、今のジャンプ作品に多く見られるようなキャラクター像がまさにそれだと考えます。

 人に優しくあろうとするには、強さが必要です。逆に、人に意地悪しかできない人間はつまるところ、自分にだけ優しく(甘く)する弱い人間です。自分よりも弱いと分かっている対象にのみ暴力をふるうことでしか、己の強さを認識できない種類の非常に弱い人間なのです。

 こういうが、どこで女の子を物のように扱うようになったのか知りませんが、1つは、家庭環境や女の子との接し方を学ぶ機会がなかったことも一因かと推測します。

 そう考えると、人気の少年漫画で、男の子が女の子を大切に扱う言動が増えるのは、この上ない情操教育ではないでしょうか。もちろん、アニメ漫画が全てを解決してくれる、などとは言いませんが、いくばくか役に立つと思いますし、そうなることを願っています。

※女性についても書きたいことは色々ありますので、それは後日書きます。

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