本当にあった田辺な話
ネタ作りの為に四人で本社に集まった時の事です。
「ちょっと良いかしら?」
あんりちゃんと私でネタの話をしていると、田辺さんが突然話し始めました。
田辺さん「緑の部屋事件ってあったじゃない。」
あんりちゃん「勝手に田辺さんが事件にしてるだけですよ。」
緑の部屋事件とは、あんりちゃんに「田辺さんの部屋刑務所みたい」と言われ続けた田辺さんがついにインテリアを緑で統一すると決めて第一歩を踏み出そうとしたら、
田辺さん「緑の部屋で検索したらなんか怖いの沢山出てきたの!中止よ!中止!全部ふりだしに戻ったわ」
と、一歩も動かずにふりだしに戻った事件です。
あんりちゃん「どうかしたんですか?」
田辺さん「あれのせいで、また一からスタートしたの。でね、良いなーと思うものを買おうと思ったのよ。」
私「うんうん。」
田辺さん「そしたら欲しいクッションが緑で、ラグも緑で、
なんか緑の部屋が完成しつつあるの!!怖い!!」
そう言って田辺さんは「酒寄さん助けて!!」と私を見つめてきました。私は田辺さんを助けられない自分の無力さを嘆きました。
あんりちゃん「それより田辺さん棚買ったんですか?」
田辺さん「・・・まだよ。」
あんりちゃん「まだなんですか?酒寄さん!私もう30回くらい田辺さんから棚の相談されてるんですよ!」
田辺さん「はるちゃん今日買い物してから来たみたいね。何買ったの?」
田辺さんは自分に都合が悪くなりそうな空気を変えるのがとても上手です。
はるちゃん「ブックスタンド買いました!」
田辺さん「ブックスタンドって何?」
あんりちゃん「本を置いて、整理したりするのに使うものですよ。」
はるちゃん「雑誌を見せる収納しようと思って!」
田辺さん「ああ、それなら私には必要ないね。」
あんりちゃん「でも田辺さんも沢山雑誌持ってませんか?」
田辺さん「そうなの!だからどうして良いかわからなくてさ!押し入れの中にとりあえず積み上げてて、超取りづらいの!!」
あんりちゃん「それはブックスタンドが必要なのでは?」
田辺さんは「そう!それで昨日事件があったのよ!!」と、また勝手に事件を作ったようでした。
田辺さん「昨日その押し入れの中の雑誌を取ろうとしたのよ。」
私「うんうん。」
田辺さん「奥の方に雑誌置いてるから四つん這いで押し入れ入ってったら置いておいたネックレス踏んづけてすごく痛かったの!」
あんりちゃん「置いておいたネックレス?」
田辺さん「押し入れに置いておいたの!」
ネックレスを押し入れに置いておくなんて、田辺さんRPGのアイテムみたいな収納してるなって思いました。
田辺さん「多分、私今日も痛い思いするよ。」
あんりちゃん「え、何でですか?」
田辺さん「ネックレス、同じ場所に置いておいたからまた今日雑誌取る時多分踏んづけるね!嫌だわ!(?)」
横にいるあんりちゃんを見ると驚きのあまり声が出ないようでした。私も同じ気持ちでした。
はるちゃん「私ちょっとトイレ行ってきますー!」
携帯電話を見ていたはるちゃんが明るく立ち上がりました。
田辺さん「私も行く!本社のトイレって怖いのよね!」
はるちゃん「田辺さんの方が怖いですよ!」
田辺さん「あー!そうゆうこと言う人の方が怖いんですー!」
二人が部屋から出て行ったのを見送ると、あんりちゃんがやっと言葉を発しました。
あんりちゃん「あの、踏んづけたら普通ネックレスどけますよね。」
私「どけるね。「痛っ」ってなった時点で拾い上げてどけるね。」
あんりちゃん「良かった!どける私がおかしいのかと思っちゃいました。」
私「おかしくないよ。田辺さんが自信満々に言うから不安になるよね。」
あんりちゃん「置いておくってなんなんですかね!」
私「田辺さんに言おう!置いておくなって!」
二人で話し合っていると田辺さんが戻ってきました。
私「田辺さん、ペンダント踏んだ時点でどけなよ。」
田辺さん「やだ、酒寄さん!ペンダントじゃなくてネックレスよ!」
いや、そこ気にするんかいって思いました。
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