子どもの頃に夢中になったような、ワクワクするゲームを作る会社に【アングー代表取締役 中川裕史】(前編)
アングーは、強いこだわりを持ってゲーム作りをしている会社です。
ところが、「こだわりがある」「高いクオリティを目指す」と掲げている会社は他にもたくさんあるでしょう。耳障りのいい言葉を並べるだけなら、誰でもできます。
アングーの本気度を証明するには、本当に面白いゲームを世に送り出すことが一番です。ただし、本当に面白いゲームを作るには、仲間が必要。しかも、作りたいゲームがあり、それに対して本気で取り組んでくれる仲間です。そのために、アングーではnoteを使って自分たちのことを発信していくことにしました。
今回は、代表取締役 中川裕史の想いをお伝えしていきます。
(インタビュー・構成・執筆:栃尾江美、見出し画像デザイン:金子アユミ)
日本のパワーが落ちているのは歯がゆい
アングーを4年前に立ち上げた僕(中川裕史)は、1993年から株式会社カプコンに勤めながら、多くのゲーム制作に携わってきました。カプコンといえば、モンスターハンターやストリートファイター、バイオハザードなどの人気ゲームを世に送り出した、国内屈指のゲームメーカーです。
僕の入社当時は、まさに「ストリートファイターII」が大ヒットしていました。世界中を見渡しても、日本が生み出すゲームが圧倒的にクオリティも人気も高く、まさに最高峰といえるものでした。世界中のユーザーが日本から生まれる新作を心待ちにしていたのです。
ところが今はどうでしょう。とても残念なことに、日本のパワーはかなり落ちていると言えます。もちろん、グローバルで支持されるゲームを生み出しているスタジオは、国内にもあります。ただし、世界中の人を魅了するゲームの数や力は、全盛期と比較するととても小さくなっていると言わざるを得ません。
ゲームと共に成長してきた
僕はいわゆるファミコン(ファミリーコンピュータ)世代です。小3の時に母に買ってもらい、スーパーマリオブラザーズなどのゲームに夢中になったのです。土日や夏休みなどは、午前中に野球ゲーム「ファミリースタジアム(ファミスタ)」を友達とプレイして、お昼ご飯を食べたあと、こんどは外に出て野原でリアルな野球をするような日々。
喜んだり悲しんだりといった青春を、リアルだけでなくゲームの中でも体験してきたため、成長と共にゲームはいつもそばにあったのです。キャラクターが死ぬときに、ゲーム内の主人公と一緒に悲しむ経験は、人格形成にもつながっているはず。今の子どもたちに、同じような体験をしてほしいという思いもあります。
世界中のユーザーをエキサイトさせた経験
カプコンに入社して「世界」を実感したのは、開発に携わった「ストリートファイターIII」を使ったプロゲームトーナメントが、アメリカで開催された様子を見た時です。様々な国から集まったプレイヤーたちが、まるでこの一戦に人生が掛かっているかのように戦っていました。会場中が物凄い熱気を帯びていて、まるでサッカーのワールドカップのような盛り上がり。自分がその一端を担ったこと、こんなにも人が夢中になれるものを自分が作りだしたことの喜びを感じ、とても誇りに思いました。
かたや、田舎のゲームセンターに自分が関わったゲームが置いてあり、こんなに離れた場所に住んでいて、生活する環境も違う人たちの楽しみを作っているなんて、自分の想定をはるかに超えたできごとでした。
カプコンの新作が発売されると、世界中のユーザーが狂喜乱舞する。そういった姿を目にするたびに、長い時間をかけ、大変な思いをしてゲーム作りをしてきてよかった、と思ったものです。
ユーザーと自分たちが共にワクワクするものを作る
そんな経験をしてきたため、僕はアングーでも世界中で人気になるゲームを作ろうと考えています。そのためのミッションは3つあります。
ひとつめは「遊び手の心と、作り手である自分たちの心がワクワクするものを作る」ということ。まず、いいものを作ることが最優先です。
ふたつめは「より多くの人に届ける」ということ。いいものを作ればそれでいいと考えるクリエイターは少なくありませんが、それでは事業を続けていくことはできません。僕たちは、事業として成功させ、継続していいものを作っていくために、収益を生み出す必要があります。
3つ目は「最高のチームを目指し続ける」ということ。よいチームこそが、よい作品を生み出します。僕が目指しているのはピクサーのような会社です。
自分たちが面白がれるものしか作れない
エンタメを作るうえで僕が大切にしているのは「自分たちが面白がれるものを作る」ということです。短期間で開発できるものなら、自分が好きではなくても知的好奇心から興味を持てるかもしれません。ところが、ゲームは作るために膨大な時間がかかります。人生のうちの長い時間をかけるため、自分が本当に面白いと思うもの、良いと思うものしか、本気で取り組み続けることができません。結果として、本当の意味で高いクオリティのものを作り上げることができない。自分たちが本気で面白がれないものに、人の心を動かすことなど決してできないのです。
ゲームをはじめとするエンタメは、人を楽しませたりワクワクさせるもの。作る上で何が正解かはどこにも書かれていないし、プロでもベテランでもわからないことばかりです。結局、自分たちが興奮するものを作るしかないのです。
自分たちが面白いと思うものは、ニッチかもしれません。「日本人の8割が興味を持つ」といった、最大公約数を求めるたぐいのものではないでしょう。もしかしたら、日本人のうち5%しか興味がないかもしれない。だからこそ、グローバルに展開して母数を増やす必要があると思っています。
(後編に続く)
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