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D2Cについて解説

D2Cとは

D2Cとは「Direct to Consumer」の略で製造者がダイレクトに消費者と取引をするという意味の言葉です。メーカーなどの製造者が自社ECサイトで商品を消費者に直接販売するため、販売業者を介しません。

D2Cが普及した背景

2000年代後半のアメリカにて、今の形のビジネスモデルとしてD2Cは登場しました。D2Cが世界的に広く普及した理由として以下が挙げられます。

1 消費の考え方のシフト

時代が進むにつれて消費者のニーズや消費そのものへの考え方が大きく変わってきました。所有することに価値を感じる「モノの消費」から購入した製品から得られる体験や使用価値に重きを置く「コトの消費」にシフトしています。D2Cブランドは製品を売ることだけではなく、サービスやブランドイメージなどの独自の世界観という付加価値を生みだしています。

2 デジタルネイティブ世代の増加

D2Cはミレニアル世代以降(1981年以降生まれ)がメインのターゲット層とされています。ミレニアル世代はITリテラシーが高く、情報収集が得意で「デジタルネイティブ」と呼ばれています。SNSやスマホの爆発的な普及で販売元となる企業も独自の販路や顧客を形成できるようになりました。それにより、企業の担当者と消費者がSNSを介して直接コミュニケーションを取れるようになりました。

D2Cのメリット

1 コスト削減

D2Cは仲介業者を挟まないので、手数料やマージンがほとんど発生しません。Amazonなどを利用すると月々の登録料や購入された代金の10%程度をマージンとして支払うことになります。D2Cこれらの手数料が削減できるのでコストを抑えることができます。

2 ブランディングの自由

消費者への届け方やイメージのつけ方など、自由にブランディングすることができます。販売のイメージや方向性が決まっている場合、自社内で1からブランディングして、商品を届けることができます。企画、生産、販売を自社で行うため、トレンドや顧客のニーズを反映した製品作りが可能になります。SNSなどで顧客とコミュニケーションをとり、細やかなカスタマーサポートをすることでブランドイメージを向上し、ファンを増やすことができます。

3 売り上げの傾向などのデータが直接得られる

販売までを自社で行うため、売上や顧客のニーズ、サイト上での顧客の動きなど細やかなデータを迅速に収集、蓄積することができます。

D2Cのデメリット

1 認知される難易度が高い

D2Cは認知されるための難易度が高いです。D2Cは商品力の向上からブランディング、集客まで全てを1から行うため、幅広く深いノウハウが必要です。通販プラットフォームを利用する場合は、通販プラットフォーム側で宣伝やマーケティングを行ってくれます。D2CではSNSの投稿や口コミ、広告などで認知してもらうしかありません。自社で一貫して行うため、集客に時間がかかります。

2 直接取引のリスク

ブランドの準備段階でも自社ECサイトを作るためのコストとリソースが必要です。無事に売り上げられるようになったとしても、小売や代理店が担当していた発送業務、顧客対応、アフターフォローも自社で行わなければなりません。

3 ブランディングが重要になる

D2Cブランドの多くは店舗を持たず、大手ECを利用しないため一般消費者よりもリピート率が高いブランドのファンをを増やさなければなりません。ブランドのファンを増やすために共感が必要であり、共感を得るためにはブランディング戦略をしっかり構築しなければなりません。

D2Cにおける訴求ポイント

D2Cにおいてどのようなポイントを押さえると消費者に刺さるのかをまとめました。

1 クオリティが高く満足感のある体験を提供している

クオリティの高い商品を提供し、一貫した満足感を消費者に体験してもらうことが重要です。消費者がサイトを閲覧し、商品を購入、配送、アフターサービスを丁寧にしてもらう。この一連の流れのすべてのクオリティを高め、消費者に満足してもらうことが重要です。

2 消費者の意見を反映させ、改善する

D2Cでは仲介業者がいないことから、消費者と直接繋がっているため、消費者の意見がダイレクトに届き、問題点を改善し再度リリースするのに時間がかからないのがメリットの一つです。

3 商品のクオリティを高くする

商品のクオリティが高くなければSNSで拡散されることはありません。「モノの消費」から「コトの消費」にシフトしている中で、消費者に「今までない経験や体験」を感じてもらう必要があります。

4 SNSや動画を積極的に活用している

D2Cで成功している企業の多くは、動画やSNSをうまく活用しています。これらを活用することで、ブランドや商品をまだ知らない人とも接点を持つことができます。

5 Amazonや楽天をうまく活用している

自社ECサイトを強化することは大切ですが、圧倒的な集客力を持つAmazonや楽天も利用しましょう。

まとめ

D2Cは仲介業者や代理店を介さずに製品の企画から販売まで一貫して自社で行うビジネスモデルです。SNSやスマホの普及により、「モノの消費」から「コトの消費」へとシフトしていく中で生まれたビジネスモデルです。

コストを削減し、詳細な顧客データを収集することができ、ニーズの変化にも柔軟に対応できるメリットがある一方で、すべてを自社で行うことによるリスクも生まれ、顧客を獲得するためのブランディングが必要になります。

消費者の満足度を高めるために商品から得られる経験や体験が重要になってきます。

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