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建築家の時代は終わった。

建築家という仕事は3・11で大きく変わったと感じる。あの日、黒い大津波がいとも簡単に建築をおし流す様子を見て「建築家の時代は終わったな」と感じた。

そして「これから需要があるのはハウスメーカーで、社会は強い建築を求める」と見た。

しかし建築家の時代は終わったと思っても建築家が完全に消えるわけではない。
3・11以降世間が求めたのは「強い住宅」と福島原発をキッカケに「エコ」を強く意識した。

一方で建築家は「繋がり」というテーマでコミュニティデザインをするようになり地方に目を向けた。

3・11で建築家が地方に目を向け、ひっきりなしに「地方、地方」と言い始めたが、当時僕は新潟の大学にいたので「今さら『都市だ、都市』言ってた奴らがイキナリ地方とはミーハーにもほどがある」と思っていた。

話を戻そう。

「建築家の時代は終わった」という話だが、実際に震災によって終わったと思える。
何が終わったかと言うと設計一本というそれまで「建てて終わり」ということだ。建築家は従来、その土地やテーマを読み取り設計を行い建築をつくる。しかし震災によってここに大きな変化が生まれた。

「繋がる」という事を考えながら、建築を作った先を考えたコミュニティデザインをするようになった。今ではリノベした建物を中心に地域と繋がるデザインを手がける建築家が増えた。

これによって実際に建築を作らずにコミュニティデザインに特化した建築を作らない建築家も登場した。

「建築家の時代は終わった」というのは確かに「終わった」のだ。
これまでただ建築を作って終わるだけの建築家の時代が幕を閉じ今は「マルチ建築家」の時代が始まった。コミュニティデザインや僕のように建築でアート系で建築をやる人やパフォーマンスで建築を表現する人が増えた。

今後もマルチ建築家も増えるだろう。そして建築も時代によって変化する「普遍」なもの。

今後はVR内で建築を手がけるデジタル建築家も登場するだろう。1番わかりやすいのはゲームデザインだ。建築を勉強してなくても仮想空間に現実では作れない建築を作る。

建築の需要は現実以外でもバーチャルでも需要がある時代が到来する。それが「デジタル建築家」の時代であり、建築は今後20年以内で大きな変化を遂げる。

建築は多様化しつつあり、いつまでも既存の考え方では生きていけない。身につけるべきは多様性を受けいれる心だ。

#建築家 #建築 #アート #芸術

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