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【書評】withコロナの学級経営と授業づくり

世界が変わった2020年

2020年は世界の大きな転換点となりました。
今までの当たり前が一瞬でなくなってしまいました。
それは学校も例外ではありません。
学校生活にも新たな当たり前ができつつあります。
ニュース等では、beforeコロナ・withコロナ・afterコロナの世界なんて言葉も耳にするようになりました。
今回は、その中の1つ、withコロナの教育を考えたいと思います。

今回の本

今回紹介する本は、「withコロナの学級経営と授業づくり」です。
本書では、主にwithコロナ時代の学級経営・授業・仕事術・感染対策の4観点で全国の教員の実践例が載せられています。
その中から、withコロナの授業についてキーワードとともに取り上げます。

①対話

本書で多くの先生が述べていたのが、対話の重要性です。
感染を防ぐために、学校で対話する機会を躊躇することがあるかもしれません。
しかし、対話のあり方は多種多様です。
口頭のコミュニケーション以外にも方法はあります。
例えば、お互いの作品を見せ合い、短冊でコメントしあう機会があれば、書かれた文章を通じて対話をすることができます。
本校でも、先生方がそれぞれに対話の機会をつくっています。
ふれあいの機会が制限される今だからこそ、もう一度対話の大切さを再確認する必要があるのでしょう。

②オンライン

これは言わずもがなです。
コロナは、オンラインツールの導入を強制的に促進させました。
最近では、教員研修もオンラインで行うことも増えてきました。
昨年度、私がオンラインの授業を行っていた時、オンラインツールはほんの一部の先生の教具という認識でした。
しかしwithコロナの時代、オンライン授業を誰もがやらざるを得ない状況になったのです。
本書では、オンライン授業がチョークアンドトーク(先生が板書し説明すること中心の一方向)授業の改善を促すと述べられています。
withコロナ時代のオンライン授業では、教える情報を濃縮する必要があります。
無駄な教師の説明を減らし、児童生徒が活動できる機会を増やす。
授業内で使ったスライド資料を児童生徒と共有することにより、自分のペースで復習する機会を提供する。
オンラインとオフラインのバランスの良い授業実践が求められます。

③頑張りすぎない

本書では、教師の多忙感についても述べられています。
前述したオンライン授業だけでなく、給食指導や校内の消毒作業など、beforeコロナ時代にはなかった業務が増えています。
「非常時だから仕方ない」確かにそうかもしれません。
しかし、それらの業務は感染予防・健康維持の手段であって、それ自体が目的ではありません。
児童生徒・教職員が健康に毎日生活できることが何より大切です。
何より先生が元気な状態で知的に面白く授業しなければ、児童生徒の学力向上にはつながらないと思います。
だからこそ「できることをできるかぎりでやる」という姿勢が必要だと書かれています。

最後に

本書では、学級担任や教科担任の立場以外にも、校長先生や養護教諭の立場からもwithコロナの学校での実践が挙げられています。
今回ご紹介した内容以外にも、学校内での様々な変化に対応するアイデアをたくさんもらえる一冊です。
興味がある方は、読んでみてはいかがでしょうか。

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