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合気道のススメ(観察力、対応力編)

noteでこれまで何度か合気道をやることの効能を書いているが、いろんな分野の専門家の話を聞くたびにその有効性を再確認する。

たとえば、”観察眼”。

そして、”対応力”。

合気道に型はない。相手の動きに応じて臨機応変に対応するのが武道の本来の姿という考えがもとになっているから。要は自分の身が守れれば良いのだ。

稽古では課題の技を習ったあとに道場生同士で反復練習をするのだが、型や流れを実践するためにではなく、動きを自分の体に染み込ませるために稽古をする。

なので、流れが狂ったら動きが止まってしまうなんてことはない。流れが変われば変わったように対応するだけ(ただ、初動は申し合わせ通りにやる。でないと本当に相手の出方がわからず、危なくて稽古ができないので)。

この時に相手をよく見る。表情と動きをよく見る。これが、”観察眼”を鍛えることになる。観察眼は先生の教えを学ぶときも発揮される。先生の一挙一動をよく見る。合気道は懇切丁寧には教えず”見て学べ”に近いから(一応、教えてくれるので、料理人みたいに”見て盗め”ほどではない)観察眼の優劣が技の習得度、実力差につながる。

この”観察眼”は、これからの時代に必要な能力である。

日本社会は、”安心社会”といわれ、勝手知ってる仲にいる限り身の安全が保証され、安心であるという社会。なので集団内のメンバーの顔色はしきりに伺うが、外の世界のことは心配することはしなくていい。職場内の関係性には敏感だが、社外であれば関係ないという感じ。

日本以外の国、特に欧米は、”信頼社会”といわれ、個人の信頼をベースに人間関係が成立しているので、常に相手が信頼できるかどうかを値踏みしないといけない。相手が信頼できるとなれば、集団の内外は関係ない。この値踏みには”観察眼”が必要となる。

これまでの日本社会であれば社内調整力があればよかっただろうが、これからはそうはいかない。となれば相手が信頼できるかどうかを見る力が必要になる。これこそ、相手を見る訓練をする合気道の稽古が生きるのだ。



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