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風の音を聴け

ものを作る、形に残すと言い続けているけど、作りたいを理由にものを作るのは少し違う。内側から湧き出るものを形にする。生活の延長にあるいいものを保存する。それだけで良いのだ。歪んだものはいらない。嘘をつくなら騙し通して。

静かな準備期間に、色々なことを考える。今欲しているもの、これからやりたいこと、現時点で手元にあるもの。一人の時間と誰かといる時間。家で過ごす時間と外にいる時間。個人の生活のバランスは以前と変わって、面白いと感じることにも変化が表れる。

写真を撮る意味も変わってくる。撮った写真を人に見てもらうという行為に、新しい意味が加わるかもしれない。変化を付けないと残っていけないし、変化があった方が面白い。

これまで最新の面白いものは東京大阪等の大都市圏にあった。面白いものを作るための技術や知識、娯楽の文化も大都市圏に残っている。でもこれからはそれらが当たり前では無くなる。人の多く集まる都市でも、人の少ない地方の街でも、時間と場所を選ばずに同等のものを作る。そのタイミングが回ってきている。

朝起きて歯を磨いて、顔を洗ってパンを食べる。ブログを書いて写真を編集する。映画を観たり本を読む。そうして午前中は過ぎて、お昼を簡単に作って食べて、さあ今日はどこへ行こう。人に会おう。写真を撮ろう。理想の一日は過ぎていく。

静かな街。公園では子供の声がする。商店の通りはそれぞれの店の工夫が見える。車で向かった森の中では時折風が横切って、それを待ってシャッターの音が響く。ほんの一瞬、空気を収める音。風に葉が擦れる音。地面の土がなびく音。水面が微かに揺れる音。全てに融ける写真の音。

今までの社会の共通の時間は消えて、新しい日常の中に創作の種を見つける。これまで当たり前に僕たちの傍にあって、目を向けなかった場所に答えはある。落ちている美しさやいいものに気づいて、じっと見つめることが出来るかどうか。耳を澄ませて聴き取ろうとする。今後の鍵はそこにある。

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