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安藤の食べ歩き まとめ

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酒屋として日々仕事をする上で、料理というのは切っても切り離せないもの。 食べた料理に対してどのようなお酒でアプローチするのか。 趣味の食べ歩きから、自炊料理の事を書いていきます。… もっと読む
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料理の制約と誓約・浜松 勢麟

料理の制約と誓約・浜松 勢麟

2018年10月に静岡県浜松市にオープンした「勢麟」

大将の「旨いものを食べて欲しい」という精神をはっきりと感じる、まさに店名通り「勢」を感じる料理。すでに予約困難店となっている。

料理屋ではなく食べ物屋と言い切るお店の営業スタイルはユニークで、1~3月 河豚屋・ジビエ、4~5月天ぷら屋、6~7月鱧屋、8~10月天然鰻屋、11~12月河豚屋、と各季節の食べさせたい食材が明確で一通り体験したくな

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お金では買えないものが大切な時代

お金では買えないものが大切な時代

戦後から同じ場所で72年営業を続けた大衆寿司、次郎長寿し。JRの高架耐震工事の為2019年に閉店。その後どうなったかと調べてみたら近くに移転していることが判明したので、長く付き合いのある三ッ星料理屋のマネージャーと先輩と共に潜入。

店の雰囲気が以前は魔窟のような何とも独特の雰囲気から(当時のドリンクは後ろのスナックるりから運ばれていた笑)一気に明るくなった。

でも雰囲気も店の味の一つだな。

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たん熊出身の丸鍋・麻布十番ランチ事情

たん熊出身の丸鍋・麻布十番ランチ事情

麻布十番で最高に美味しいランチを食べさせてくれるお店がある。

なんだかんだで麻布十番では8年ほど仕事をしているので、ランチは結構制覇した(つもり)

ハマってしまうとずっとそこばかりに行く性格なので、集中的に食べてはふぅと放熱し、時間が経つとまた食べに行くということを繰り返している。

麻布十番だと、一番館のカルビうどん、三幸園の焼肉丼、永坂更科布屋太兵衛の生粉打ち蕎麦、永新のレバニラ定食orワ

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酒屋が酒だけ知っていれば良い時代は終わった。

酒屋が酒だけ知っていれば良い時代は終わった。

思い返してみれば愛知県から上京し就職して早13年の歳月が過ぎた。

最初がグランスタ東京からスタートし、麻布十番店マネージャー、そして売上目標をクリアして麻布十番店の建て替え、芝配送センターの立ち上げから本社営業に配属、飛び込み営業を経験し、日本酒テイスター、ワイン、ウイスキーバイヤーへ。

この13年間の要所要所で人生を変えるような出会いがあったのだが、これはその初期の頃の話し。

麻布十番店の

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京味のDNA

京味のDNA

西新橋にあった伝説の京料理店「京味」
当主・西健一郎氏が亡くなった後2019年の年末を最後に閉店

数多くの弟子を輩出しているのも京味の凄さで、そのDNAは東京中に散らばり、と村、笹田、くろぎ、星野、味ひろ、味享、など、全て名だたる名店として君臨している

そしてその京味系譜、最新の独立者が味幸(あじゆき)
京味が閉店した後プロボクサーの夢を諦めきれずバンコクへ渡りプロボクサーとなった後帰国、独立

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熟練の料理人が生みだす魂の皿

熟練の料理人が生みだす魂の皿

1986年に誕生して37年
数多くのグルマンから支持され、ド直球、シンプルなフランス料理を世に問い続ける斉須シェフ率いるコートドール

実は斉須シェフの著書である「調理場という戦場」を新入社員の頃から読んでおり、昔の時代の凄まじい経験を乗り越えたシェフの底力と言葉の力強さに影響を受けていた

しかし取引もないお店にふらっと食事に行くのは20代の時はまだハードルが高く、30代を超えてからようやく様々

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日本料理と日本酒の可能性

日本料理と日本酒の可能性

研ぎ澄まされた料理と厳選した日本酒、どちらかを揃えるお店は数あれど、どちらも揃った店は中々見つからない。

広尾天現寺橋近くに在る青草窠はそのどちらも備えるお店

以下ミシュラン二ツ星、青草窠の料理と日本酒の相性の良さを共有したい

●森嶋 純米大吟醸 雄町 生酒 茨城県スタートはキャビアのフィンガーフードと半生唐墨餅。海の幸を受け止めるのは森嶋。蔵の庭からは波の音が聞こえるほど海が近く、蔵元は日

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東京で一番好きなうどん

東京で一番好きなうどん

子供の頃から大好きなUDON
東京で一番好きなお店が神保町にある

麺もコシがあって旨いし、汁もいりこ出汁が効いた最高の風味
サイドメニューの天ぷらも素晴らしい
ここでは日替わりのちくわ天が絶対にオススメ

魚の存在感が凝縮したちくわが揚げられることでさらにパワーアップ
これとうどんが最強の組み合わせ

獅子に牡丹
牡蠣にレモン
ナポリタンに粉チーズ
磯自慢と鮎
ギベルトーとアスパラ
ぐりとぐら

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蘭奢待 ~古めきしずか~

蘭奢待 ~古めきしずか~

一時期、酒屋の友人(以後チーム酒屋)と焼鳥修行と言って、都内の焼鳥屋を色々巡った時期があった

「焼鳥」と一言で言っても、鳥が違えば、串打ちの仕方、炭の好み、距離、サイズ、などそのスタイルは店によって本当に様々

最終的に食事は「個人の好み」としか言いようがないのだが、二人に共通していたのは

「生は苦手」

これはビールも(サーバーから注がれるビールは洗浄不足で臭い時があるから飲むなら瓶ビール)

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熱々のスープパスタが食べたい

熱々のスープパスタが食べたい

パスタとしては王道ではないのかもしれないが

熱々で冷めることのないスープパスタが

好きだ

特にIVOホームズパスタはやばい

最初知ったのはダンチューのライターさんがFacebookにアップしていたのを見てだったかな

シンプルにトマトとニンニクがたっぷりと入った今にも溢れそうなスープパスタに魅入ってしまった

翌日すぐ店に行った

テトリスの最後の1本棒みたいにカチッとはまって以来、通い続

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とんかつ御三家を知っているか

とんかつ御三家を知っているか

私の住んでいる目黒には¨とんかつ御三家¨と呼ばれるとんかつ屋達がある

引っ越してすぐ、
この御三家を制覇する所からスタートした

その御三家はこちら

いつも混んでいて並ばないと中々食べられない

この中でも好みは分かれるが、
個人的に味なら、¨かつ壱¨、総合力は¨とんき¨

大宝が一番行列しているが、日によって中心がレアだったり、店内が狭い為(カウンターだと隣とくっつくレベル)あまり行かない

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日本一の焼鳥

日本一の焼鳥

目黒に引っ越してから

密かに狙っていたことがあった

それは

焼き鳥を食べる事日本一予約が取れない

鳥しきさん

幾度と予約にチャレンジしてきたが、
ことごとく電話が繋がらない

しかし友人は結構頻繁に行っている…
(呼ばれてないですよ?)

聞くと鳥しきは
二回転目の予約は取っていない為
実は毎日チャンスがあるそうだ

しかし電話がまったく繋がらない。

マジで繋がらないエレベーターの中で

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緑に囲まれた安らげる場所

緑に囲まれた安らげる場所

広尾にある研ぎ澄まされた日本料理を出す

ミシュラン二つ星 青草窠 (せいそうか)

青草窠の意味は今回の題名である

六本木の有名な日本料理 松川の大将がオープン時は料理長を務めていた

青草窠の現料理長はナンバー2として煮方を務めていた山井氏

もともと二人は滋賀の料亭招福樓(しょうふくろう)からこちらに

その後松川氏は独立、今や日本一予約の取れない料理屋に

山井氏は寡黙に店の看板を守り続

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松の司と日本料理との考察

松の司と日本料理との考察

この何ヶ月間ずーっと悩んでいたことがあった。

弊社とも長年取引のある
滋賀県 松の司 松瀬酒造

松瀬社長、石田杜氏から料理と日本酒のペアリングの勉強会を組んで欲しい、と大変光栄なご依頼を頂いた。

テーマは料理に合う酒、合わない酒。

しかし、相手は全員日本酒のプロフェッショナル、あきらかに濁ったもの、酸味が強いもの、甘いものを選んでも意味がない

そうだ

松の司 VS 日本酒のトップ

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