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漁師とコンサルタント

2023年10月1日


今日は、アメリカのビジネス小話を紹介します。

『漁師とコンサルタント』

”メキシコの海岸沿いの小さな村に、アメリカのコンサルタントが訪れました。
漁師の船を見ると、活きのいい魚が獲れていました。

コ「いい魚ですね。漁にはどのくらいの時間かかるのですか?」

漁「そうだな、数時間ってとこだな。」
コ「まだ日は高いのに、こんなに早く帰ってどうするのですか?」

漁「のんびりするよ。
午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、
夕暮れにはワインを傾けながら友人と会話を楽しみ、
それで寝ちまうよ。」

コ「なぜもう少し頑張って漁をしないのですか?」

漁「どうして?」
コ「もっと漁をすれば、もっと魚が釣れる。
それを売ればもっと多くの金が手に入り、大きな船が買える。
そしたら人を雇って、もっと大きな利益がでる。」

漁「それで?」

コ「次は都市のレストランに直接納入しよう。
さらに大きな利益がうまれる。
そうしたらこの小さな村から出て、メキシコシティに行く。
その後はニューヨークに行って、企業組織を運営すればいいんだよ。」
漁「そのあとはどうするんだ?」

コ「そこからが最高だ。
企業を上場させて巨万の富を手に入れるんだ。」
漁「巨万の富か。それで、そのあとはどうするんだい?」
コ「そしたら悠々とリタイヤさ。
小さな海辺の町に引っ越し、
家族とのんびり過ごし、
午後にはギターを弾きながら子供と戯れ、
夕暮れにはワインを傾けながら友人と会話を楽しむ。
のんびりした生活を送れるのさ。」

漁師はため息をつき、やれやれ、という顔で一言を付け加えた。

「そんな生活なら、もう手に入れているじゃないか。」”

これはジョークですが、
「幸せとはなにか?」
の本質を捉えています。

・自然の中でスローライフ
・家族や仲間と大切な時間を過ごす

原始から続く人間本来の自然な生き方の中にこそ、
根源的な幸せがあるのです。

しかし一方で、この話はもう一つ重要なことを教えているような気がします。
「漁師が死ぬまで、魚が捕り続けられるとは限らない」
ということです。

温暖化や乱獲によって、魚が採れなくなる日が来るかもしれません。
そうしたら、この漁師は生活のために都市部に出稼ぎに行くことになるかもしれません。
結果、家族や仲間とののんびりした生活を過ごすことができなくなります。

スモールビジネスには、常にリスクが付きものです。
我々飲食業でも同じで、
オーナー夫婦経営のお店は、家族が生活する分のお金を稼げれば成り立ちます。
しかし、
・体調不良や怪我によって働けなくなる
・近所に競合店ができて売上が半減する
といったリスクは常に付きまといます。

これらのリスクを回避できるのは、
「お金」です。
蓄えがあれば、不測の事態が起きても同じ生活レベルを保つことができます。

私の考えでは、
「漁師」
・大漁の日は多めに魚を捕り、街で売って蓄えを増やしておく
「お店」
・移転できるだけの資金は貯めておき、任せられる人材を育成しておく

というリスクマネジメントはしておく必要があると思います。
その上で、日々の喜びを感じられる余裕のある生活を送れば良いのです。

「お金と幸せな時間」
そのバランスが大事ですね。

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