開業ノウハウ|看板:読める文字と読めない文字
看板は情報を知らせる重要な役目をします。
効果的な看板は集客力を高めることができます。
しかし、文字数やフォントサイズなどの要素を踏まえずに、デザインすると視認性に大きな影響を与えます。
看板の文字数と視認性の関連性に焦点を当て、落とし穴と成功のバランスを探ります。
|優れたデザイン以前に、人間のスペックを無視してはいけない
どんなにデザイナーが優れていて、芸術性が高かったり、学歴や受賞歴があっても、それを見て評価をするのは人間です。
人間が反応できないデザインをしても意味はありません。
|文字数と視認距離
文字数は、視認距離に直結します。
大きな文字で短い文言を表示すれば、遠くからでも読み取りやすくなります。
一般的に、視認距離と文字サイズの関係は次のようになります。
10メートル離れた場所から読む場合:2.5センチ(1インチ)の文字
30メートル離れた場所から読む場合:7.6センチ(3インチ)の文字
60メートル離れた場所から読む場合:15.2センチ(6インチ)の文字
これが視認できる一般的な人間のスペックです。
これを無視するということは、超人的な視力を持つ方だけが対象になります。
|文字数の過多と視認性の低下
文字数が多すぎると、文字が小さくなり視認性は低下します。
また、文字が密集していると読みにくくなります。
例えば、遠くからの視認性を考慮せずにメニューやキャッチフレーズを詰め込みすぎると効果が低下します。
コンビニのポール看板に具体的な情報や価格ではなく、ロゴマークのみとなっているのは、遠くからでも発見し、理解しやすいようにするためです。
情報を最小限に、存在をいかに早く伝えるには文字そのものが邪魔になるということです。
|動体視力と看板の設置場所
看板の設置場所も重要です。
歩行者が通行する歩道や道路沿いに設置する場合、動体視力が重要となります。
動体視力とは、移動中の物体や文字を追跡する能力のことであり、歩行者が通り過ぎる間に看板を認識する時間が限られています。
人間が身に降りかかるリスクに対応できる最高速度は4kmという方もいます。
つまり歩くスピードをこえると、様々な危険を察知するのが遅れる。
これは看板情報を見逃す置き換えれます。
一般的に歩行者の視野角度は120~200度程度といわれますが、車で移動する速度を40kmとした場合には40~60度になといわれます。
それだけ、移動速度が遅いと景色を面としてとらえ、速度が上がるにつれ点となります。
点の視野に、様々な情報を盛り込んでも模様や柄として認識するでしょう。
|具体的な数字を考える
周囲の環境や設置場所、目標とする視認距離などを考慮して、具体的に定めることが重要です。
視認距離や設置場所に応じて、文字の大きさや行数を調整しましょう。
加えて移動する方の状況、通勤・通学、生活圏、観光スポットなど、どういう理由で移動しているかをイメージするのもいいです。
|バランスの取れたデザインと成功への道
看板のデザインは、文字数やフォントサイズだけでなく、配色やレイアウトも重要です。
視認性を損なわずに必要な情報を効果的に伝えるデザインを目指しましょう。
バランスの取れたデザインは、看板の効果を最大限に引き出します。
看板は24時間 365日休まずアピールしてくれる営業マンと考えると、なにを伝えるかを整理しやすいと思います。
ポール看板、パラペット、壁面看板、A看板など、それぞれの営業マンにアピールする仕事を分業させて、必要なことをアピールさせて、過剰に盛り込まない。
このバランスが大切です。
文字数や視認性は、看板の効果に直結する重要な要素です。
デザイン段階からこれらを考慮し、適切なバランスを取ることで効果的な広告となり、集客力を高めることができます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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