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アンケ4周年、品種個性、本剪定

東京では先週桜の開花宣言がありました。
真面目そうなメガネをかけた気象庁の人が標本木を見上げて、それを取り囲む記者達の中で、「はい、開花デス」と神妙に”宣言”する姿はなんとも違和感満載。
社会全体で小芝居を打っているかのようで、ニュースを見てゲラゲラ笑ってしまいました。(わたし、性格悪いのかなぁ〜…)

アンケヴィーノがある板橋区ときわ台の近くでは石神井川沿いに桜が植えられており、目黒川バリに綺麗!そのため、最寄りの中板橋商店街の桜にかける思いは熱く毎年「ガンバレ!中板橋!」と心の中で応援してます。
桜は激混みの中目より、中板橋ですよ!

アンケヴィーノは4周年

さて、アンケヴィーノは22年3月1日で丸4年!5年目突入です!
ここまで続けられたのも本当に皆さまのおかげです!本当にどうもありがとうございます!

設立からのブレない思いは【アンケヴィーノに来れば、絶対に美味しいもの、面白いものが手に入るお店にしたい!】ということ。

ワインって知ったかぶりされやすいプロダクトなので誤解が多いと思うんです。私もまだまだ勉強中ですが、その誤解を解いて、素直に楽しめるような選定や説明、布教活動を意識しています。そして、皆様の食卓がより一層楽しく、彩りに溢れるように!

楽しい時だけじゃなく、悲しい時や辛い時に、美味しさに癒されて、ちょっと酔っぱらって、その時は「あーもー、ばかー、ちくしょー」って言いながら飲んでも、次の日の朝は頭が痛くなったりだるくなったりしないで、また一から頑張れるような(頑張らなくてもいいんですが)ワインも選んでゆきます。
美味しいものは、元気が出ます。
だから、どんな食事とだけじゃなく、どんな気分かも教えてくださいね。

品種個性 -published in 22 Mar 2022-


ワイン選びの時に皆さんが目安にしているであろう大きな要素の一つ、ブドウ品種。

ご案内する立場から見ても重要な要素で、私もよく品種名を口にしてしまいます。ですが、個人的には品種なんてどうでもいいと思っているんです。なぜならば、私たちが習ったり、「この品種の特徴は〇〇だ」と言われてるものは、生産者の意図によって全く当てはまらない場合があるからです。特にアンケヴィーノで取り扱う表現したいことが明確な小規模生産者の場合は特にそうです。そして、その方が面白い!

よく知られている品種個性は培養酵母によって作り出されたものであることが多く、それは消費者が手に取った時に想像する味わいと共通する物であるべきだからで、とても重要な事です。例えば【ソーヴィニヨン・ブラン種】という白葡萄の典型的特徴は「麦わら色で刈りたての芝、シトラスの香り、酸味があり、すっきりしたワイン」ですが、畑や蔵付きの野生酵母で温度コントロールをせずに自然に醸造したワインとなると「やや濃いめの黄色、白桃の香り、厚みと酸味がある」という特徴が多く見受けられます。

ということで、アンケヴィーノでは品種で選ばず、逆に知らない品種も怖がらずにどんどん挑戦してみてください。意外にクセのあるものは少ないのですよ。

本選定@みその果樹園

3月上旬、いよいよ本剪定。
樹液が上がる前、一本の葡萄の樹から均等に実を得ることができるよう、且つ、作業がしやすいように樹を整えてゆく作業です。

樹はそれぞれ異なるので、その樹に合った剪定を行います。
両脇の樹やスペースの具合を見ながら、今年元気がない枝は来年強くすることを考えながら、どこを切ってゆくかを考えます。

『ボクは短梢剪定がいいと思うから、この畑は全部短梢にする!』といった感じかなと思ったら、違うんです…。
確かに、ヒトや動物と同じで植物も一つ一つの特性や小さいながらも周囲の環境が生育に関わります。ですから、ここの畑でもそれを丁寧に見て、その樹に合った剪定方法をとる、ということなのです。

『一度切り込みを入れたところには履歴が残る』
この言葉が重くのしかかり、なかなか最初のハサミが入れられません。
ドキドキしながら、「この樹は〇〇だから、ここを切ります!いいですか?いっちゃいますよ!」と確認をしながら、ジョキン!
一回やるとちょっと勢いがついてきました。

その都度、少し離れて樹全体を眺め、負け枝はどこに何本あるか、元気そうな芽はどのくらいあるか、母枝に適した枝はあるのか、両脇の樹との関係性を眺めること約1〜2分。メルローは8個芽を残すので、生かす箇所を数えます。こうしよう!と決断し、今年は残さない枝を切り、芽かきもしちゃいます。生かす箇所は2芽残して切ってゆきます。萌芽するかどうか怪しい芽はついでに欠いてゆきます。(多く芽を残すとそこに栄養が取られるので、ここはシビアに!)
ひとつの樹を剪定するのに最初のうちは5分くらいかかっていたのでしょうか。少しずつスピードは上がりますが、ここでしくじってはならぬとかなり慎重に進めます。
たまに、超難問!みたいな樹が登場するので、そんな時は近くにいる人を捕まえて一緒に考えます。
そんなこんなで、1日かかっても全部終わりきれず、タイムアップ!

いやー、めちゃめちゃ頭を使いましたが、いつもと違う脳みそを使ってる感が気持ち良く、1本1本が違うから飽きないですし、未来を想像しながら行うので、なんだか気持ちも前向きで、剪定って楽しい!

もう少し暖かくなり樹液が流れ出すと、固かった枝も曲げやすくなり、今年の母枝を曲げて固定する、という作業も行います。

最近は暖かくなって季節が進むと畑の様子が気になります。

どうか、順調に生育してゆきますように!

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