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刑事訴訟法判例百選から重要判例を65に絞りました

 会社法、民事訴訟法に続いて、最後に刑事訴訟法判例百選を紹介します。百選には100+Appendix56=156個の判例が掲載されていますが、その中から特に重要な65個をピックアップしました。

 数を見ていただくと分かるのですが、強制処分/任意処分の分野だけで32個と半数を占め、大きなヤマである伝聞法則の判例は少ししか取り上げていません。「写真撮影は適法か」「逮捕に伴う無令状捜索・差押えは適法か」といった問題は判例をよく分析して当てはめの相場観を養っておく必要がある一方で、伝聞法則は判例そのものはさほど重要ではなく、演習問題を繰り返して慣れていくしかありません。

関連記事


任意捜査
1 強制処分の定義と任意処分の限界
2 職務質問のための停止・留置き
A1 自動車検問
4 所持品検査(米子銀行強盗事件)
5 任意同行と実質逮捕
6 宿泊を伴う取調べ(高輪グリーンマンション事件)
7 長時間の取調べの限界
8 写真撮影・ビデオ撮影
9 秘密録音
10 おとり捜査

強制捜査
11 現行犯逮捕の明白性
A2 現行犯逮捕の必要性
12 準現行犯逮捕(和光大学内ゲバ事件)
14 実質的逮捕と勾留
15 再逮捕・再勾留
16 別件逮捕・勾留と余罪取調べ
17 一罪一逮捕一勾留の原則
19 令状による捜索の範囲(携帯物)
20 令状による捜索の範囲(捜索途中で搬入された宅配便)
A6 令状呈示前の立入り
21 令状による差押え(被疑事実との関連性)
22 令状による差押え(フロッピーの包括的差押え)
23 逮捕に伴う捜索・差押え(「逮捕の現場」の意義)
24 逮捕に伴う捜索・差押え(第三者方の捜索)
25 逮捕に伴う捜索・差押え(最寄りの場所まで連行)
26 別件捜索・差押え
27 強制採尿
A8 血液採取
28 採尿令状による連行
29 エックス線検査
30 GPS捜査
32 捜索・差押え時の写真撮影と準抗告

接見指定
33 接見指定の要件
34 接見指定の内容
35 起訴後の余罪捜査と接見指定

訴因
43 訴因の特定の程度(覚醒剤)
45 訴因変更の要否(共同正犯の実行行為者)
46 訴因変更の可否
47 訴因変更命令と変更義務
A16 被告人の取調べ
A23 訴因変更命令の形成力

証拠総論
62 同種前科による事実認定
63 DNA型鑑定
65 警察犬による臭気選別

自白法則
70 約束による自白
71 偽計による自白
72 黙秘権不告知と自白
73 取調べ手続の違法と自白
74 接見制限と自白
75 不任意自白から発見された証拠物
77 補強証拠の範囲
A35 補強証拠の適格性

伝聞証拠
79 犯行計画メモの伝聞性
80 証言拒絶と供述不能
81 退去強制と供述不能
83 実況見分調書と321条3項
84 私人作成の燃焼実験報告書と321条4項
87 弾劾証拠の範囲
89 撮影者の署名押印のない現場写真
A38 特信情況の判断に供述の内容を考慮できるか
A42 ビデオテープの写しの証拠能力

違法収集証拠排除法則
90 違法収集証拠排除法則の要件
91 違法性の承継
92 違法な先行手続と密接に関連する証拠

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