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フロンターレ が渇望した勝者のメンタリティーと阿部浩之という男。

筆者:シュスター(analyze_foot)

*選手名は敬称略

先日、阿部浩之の名古屋グランパスへの移籍が決定しました。

阿部ちゃんのプレースタイルならどのチームにもフィット出来ると思うので頑張って!

さて、早速本題。この阿部浩之という男には川崎フロンターレはいくら感謝しても仕切れないくらいなのである。

シルバーコレクターが求めたもの

2017年の最終節に、劇的な逆転優勝を果たすまでの川崎フロンターレは準優勝を繰り返し
シルバーコレクター」と呼ばれてたのは有名な話。

初めての準優勝は、2000年のナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)での鹿島戦まで遡る。

そして、1度の降格を経ての再昇格後の2006年のリーグ準優勝からは成績が安定しシルバーコレクターの色合いが濃くなっていった中で、
大事な試合で勝ちきれない課題を解決しにかかる。

具体的には、選手の補強に解決を求めた。

個人的に印象深いのは、2013年にガンバで数々のタイトルを獲得した中澤聡太の補強である。

リーグ優勝はもちろんのことACL優勝も含めたタイトル獲得の経験を買われての加入となったが、正直期待に応えられたとは言えず。

彼の在籍期間に優勝まであと一歩まで行けなかったのでなんとも言えないところはあったが、勝者のメンタリティーを求めた補強の正解を探す旅を続けることとなる。

勝者のメンタリティーとは

勝者のメンタリティーとは、なんなのか。

勝ちたいけど、勝ったことがないチームにとってここの言語化は非常に難しい。

単に優勝経験があれば、勝者のメンタリティーがあるかと言われると決してそうではない。

正解が出てから言うのも、後出しジャンケン感はあるが勝者のメンタリティーとは、「流れを読み、必要なことを見つけ出し、それを遂行する力」と定義したい。

ようやく見つけた探し物

そして、その探していた勝者のメンタリティーを持つ男が阿部浩之である。

ゲームの流れを読み、試合終盤での時間稼ぎだけでなく、落ち着きのない行ったり来たりな展開をボールキープでスローダウンさせるなどあげたらキリがないほどの貢献度。

それだけではない、しっかりと記録にも残る形で貢献してくれていたのが川崎での3年間である。

移籍初年度の2017年は、優勝するならチーム内に二桁得点者が2人必要だ、と言ってシーズン最終戦に2桁ゴールに乗せて小林悠と共に2桁スコアラーに。

「来年もなんか1つ取りましょう!」

優勝後のインタビューでのこの一言は、今振り返るとかなり意味深い一言である。

そして、翌シーズンの終盤でのアウェイ鹿島戦。優勝の可能性を僅かながら勢いのあった鹿島相手のアディショナルタイム直前のカウンターを1枚カードを貰ってる状態でファウルを犯し退場。

審判に2枚目を自己申告し、プレイを切ったことでカウンターを止めた阿部のプレイには今までのフロンターレでは有り得ないプロフェッショナルファウルであった。

結果として、鹿島の優勝の可能性を絶ったあのファウルが優勝を決定づけたと言っても過言ではなかった。

そして、今シーズンはルヴァンカップ決勝でのフロンターレ史上初得点となるゴールをマーク。大きな重圧を取り払った。

あとがき

正直放出は、大反対ではあるが移籍にはチーム事情だけではなく本人の意向も含まれる。

一年間レギュラーで出続けられるチームにいるべき選手であるのに、今年のような使われ方は少しもったいないところではあるので移籍は少し致し方ないと言うのが素直なところです。

来シーズン対戦する時はお手柔らかにお願いしますね!


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