【プレイ感想】Dragon Ruins
ダンジョンクロウル(クロール)というジャンルがある。正確な語源は知らないが、軽く調べてみたところだと、80年代初期に生まれた言葉らしい。さらにその語源は1800年代までさかのぼれる、とされているようだ。
「這って進む、腹ばいで進む」とかいう意味を持つ「crawl」を使った、「-crawl」という俗語的呼称が昔からあったようで(例: pub-crawlで「はしご酒」とか)。それが80年代に、RPGとかウォーゲームコミュニティ内で、「Dungeon」と合体して言葉になったらしい。
まあ要するにダンジョンをゆっくり歩いて回るということで、Dungeon-crawl。そしてこのゲームはミニマルDungeon-crawl。
とある街に古代遺跡が見つかった。古龍が居るので倒しに行く。それだけ。
「疲れた人用のダンジョンクロール」を標榜しているだけあり、かなりプレイ感は軽い。なんてったってオートバトル。
一応4人のパーティーを組むけど、左の2人が何となく殴られやすいというくらいの違いしかない。特に陣形とかもない。敵と遭遇して、オートバトルに任せて、経験値をお金を獲得して、いい感じのタイミングで町に戻る。町でNPCとのイベントがあるわけでもなく、レベルアップと装備レベルアップくらいしかやることがない。ある程度の広さがあるダンジョンを、「歩き回る」という点にゲームプレイを絞っている。
だからしっかりしたストーリーだとか、重厚な世界設定だとか、あるいはスキルや攻撃の戦術的要素なんかは期待してはいけない。「疲れた人向け」と概要にあるので、疲れた人か、時間の無い人か、ただダンジョンに潜ってマッピングしたいだけの人が買うといいんじゃないかと思う。周回要素もあってないようなもの(ボスのステータス強化くらい?細かくどこがどう上がってるのかは知らない)だし、よほど入れ込んだ人でなければ2周程度で満足しそう。
とまあ、かなりミニマルなダンジョンクロールではあるものの、キャラの立ち絵とか敵の立ち絵は一枚絵だけど個人的には相当好みだった(ゲーム中はあんまりドアップで映らないが)。
あとはなんか妙に日本語訳が凝っている……気がする。でもそんなにテキスト量は無いので、仮に英語で始めたところで困らないんじゃないでしょうか。
本作は本当に軽いプレイ感で、昼休みにちょっと起動して遊ぶくらいのペースでも、週明けから週末まで1周程度なら十分に終わる。値段は昼飯一食分だから月~金までやれば5倍のコストパフォーマンスを発揮する(?)。
深くまでどっぷりつかるようなスタイルではないものの、なんとなくダンジョン欲を満たしたいクローラーたちは、遺跡に潜って軽く泳いでみるのもいいんじゃないかとは思う。