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棘をぜんぶ抜くまで

睡眠薬を服用し眠れそうになったタイミングで、あれをやったほうがいい気がするという考えから抜け出せなくなる事がある。

例えば、noteを有料にしたほうがいいような気になる。それで地道に過去の記事を有料設定しているうちに目が冴えて眠れなくなる。そして今度は売れるなんて思ってなかったが、当然のように売れないことが虚しくなった。売れやしないのに。なんだか馬鹿みたいと思ってしまった。だから逐一確認して全ての記事を無料にしました。やってしまわないとどうにも気が済まないのだ。

振り回されているというか、空回りしているというか、自分でもよくわからない。
カバンの持ち手にスカーフを巻いた事がある。それも朝の四時から八時まで。その日はどうにも眠れないので諦めて前からやろうと思っていたカバンの持ち手にスカーフを巻くという作業をしようと思ったのだ。簡単に終わるはずだったのだけれど、どうにも結び目が気に入らない。どうにも巻き方が気に入らない。どうにも気に入らない。と、何度も何度も解いては巻いて、結んでは解いて、解いては結んで、を繰り返していたら朝の八時になっていた。

気になってしまうとそこから抜け出せなくなってしまう。ずっと気になって気になって気になって変にこだわってしまって自分でもどうにもならない。
そういえば、不眠対策に買ったアイマスクは紐と金具の具合が気になって眠れないという理由で使わなくなった。本末転倒も良いところだ。

鬱病と診断されるまではこんなことはなかった。病によってこれまで抑えてきていた元来の気質が剥き出しになってしまったのだろうか。本当はずっと気がすむまで紐を結びなおしたりしたかったのだろうか。我慢していただけで?

鬱との共存を目指しながら詠んだり書いたりしています。