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【内向型無職の独り言#02】親になった同級生

安音*An-Ne*

昔の同級生がパパになったらしい、と母から聞いた。特別親しかったわけではないけれど、幼稚園の頃からの顔馴染みで、小中と同じ学校で過ごした男の子・・・いや、もう立派な男性か。
実家はかなり大きなお寺で、彼が後を継ぐことになっている。地元を離れて、ちゃんとお坊さんとしての修行もしてきたらしい。育ちがいいだけじゃなく、小柄でお喋りで、ムードメーカー的な男の子だった。そんな彼がパパになったとは。

連絡をとり続けている子供時代の友人は、今は一人もいない。ごくたまに同窓会の案内が届くことはあるものの、顔を出したことはなかった。会って話したいと思えるほど親しい人が、私にはいないのだ。
何もない田舎町だから、同級生は地元を離れている人のほうが圧倒的に多い。みんなどうしているのだろう。自分が目指したい仕事に就いたり、いつの間にか苗字が変わっていたり、親になっていたりするんだろうか。あるいはかつての私と同じように、知らない街のどこかで一人葛藤しているんだろうか。
ほとんどが母から聞く話だけれど、自分の家庭を築く同年代の知人も、歳を重ねるごとに増えてきた。私の2つ年上の従兄弟も、7年ほど前に結婚。奥さんは私と同い年で、今は幼い女の子2人を育てている。

「じゃあ、私は・・・?」

知人の話を聞くたび、よくそんなことを考えてしまう。大学を出ても就職が上手くいかず、ようやく就いた仕事も長続きしなかった。恋愛に興味がないせいもあるけれど、男性にもことごとく縁がなかった。周りが頑張っている中で、自分だけが何も変わっていないような感覚。一人置いてけぼりを食らっているように思うことが、時々ある。
結婚や子供に興味がないわけじゃない。私自身、今まで子供と関わる機会は多かった。以前働いていた福祉施設も、利用者の多くは発達障がいのある子供達。今もプライベートで人形劇の活動に参加しているけれど、公演に行く先々でたくさんの子供達に出会う。そして、彼らと一緒に観劇する親御さん達とも。
その時ふと、「自分がもしこんな家庭を築いていたら」と考えることがある。大事なパートナーがいて、自分の血を分けた子供がいて、一緒にいろんな経験を積みながら成長していく。私にもそんなことが出来るんだろうか?


でも、今の私にはどうしても「親になった自分」が想像出来ない。人を怖がりながら今まで生きてきたのだから、他人と生活を共にする自分を思い浮かべるだけで、なんだか違和感を覚えてしまうのだ。
もちろん、これからそんな誰かと巡り会う可能性もゼロじゃない。ただ、今は自分の時間が何より大切だと思う。誰かに自分の人生を捧げられる覚悟が、今の私にはない。子育てに奮闘する従兄弟夫婦を見たり、親になったという同級生の彼を思い浮かべて、そんなふうに感じた。自分にこんなすごいことは到底出来ないだろうな、とも。
だからその分、まずは自分の時間を愛おしく、大事に大事に過ごしていきたい。

結局のところ、「自分にとっての幸せ」を選んでいけばいいのだ。恋をしたいならすればいい。家庭を築きたいなら築けばいい。働くのが好きなら仕事を頑張っていい。私みたいに、社会全体の価値観は横目で見ながら、のんびり生きるのもいい。幸せの形はみんな違うのだから、他人と比べず、自分がなりたい人間になる。
周りが輝いているからといって、それに流されたり、彼らに続こうとする必要はない。同じところを目指しても、自分が心からそれを望んでいなければ、苦しくなるだけなのだから。


社会の底辺にいる人間だけど、好きな音楽と一緒に生きてるし。
出会いには恵まれないけど、自分を支えてくれる人はちゃんといるし。
だから今のままで、私は充分幸せなんだ。

そう自分に言い聞かせながら、今日もまったり引きこもってます。

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安音*An-Ne*

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