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寝る前のメモ。


「いい問い」をいただくと、瞬時に納得できる答えは出ないけれど、その余韻のなかで再び咀嚼し、思考を巡らせていくなかで、解を見つけることができる。インタビューは、限られた時間で相手から魅力や言葉を引き出す作業かもしれないけれど、できることならわたしは、何か共通のテーマについてともに考えるような時間にしたい。

そういうやりとりを通して、話者の考えや人柄を知ったり、仕草を観察したりしながら、出てきた言葉以外のところからもその人らしさを読み取れたらいいなと思っている。

ある意味それは対等でないとできないと思うので(立場というよりは、思考量において)、やはりそのテーマについて調べ、考え、自分なりの解釈をもっておかないといけないのではないかと思う。そう思うと、インタビュースキルや文章スキルを磨きたいと思う一方で、自分自身が常にまわりに興味を持ちながら、地に足をつけて生き、「こういう人と出会ったら聞いてみたい」ことをたくさん用意しておかないといけない。

ただ、相手が必ずしもそのことについて話慣れているとは限らない、というのが現場での難しいところだったりする。話者にとってはじめて投げかけられる質問だったのかもしれないけれど(事前に編集部から取材の趣旨や質問内容は送られていたものの)、緊張をほぐすところまではケアできなかった・・・というなかなか渋い時間を過ごしたこともある。聞き方が悪かったのかもしれないし、相手の準備不足だったのかもしれない。

胸を張って言えることではないけれど、わたし自身、ライターと名乗れるほど記事を書いていない。先日、ひさしぶりにオフィシャルに出す記事を書いたら、客観性が見事に失われてボロボロだった。企画をしながら当日進行をしながらそのレポートを書いた、ということだけが原因ではないと思う。最近の興味関心とコミュニケーションがスペシフィックになりすぎて、もう戻れないんじゃないかと若干の恐怖心すら覚える。

苦い思いをしながらだけど、今月〜来月にかけてあと4、5本記事を書くことになっている。いい意味でチューニングできればと思いつつ、これが苦痛だと感じてしまったら、なんとなくもう元には戻れないんじゃないかと、言葉にしながら自身の不安を煽っている(笑)。

苦痛と言ってしまうと少し語弊があるかもしれないので、今は現場で手足を動かすことの方に集中したいという感じかな。

そんなことを思ったのは、朝から晩までひとつの大きなもの(地元)について、ツーリズム、ウェディング、流域治水、環境保護、生活、公園整備、ソーシャルビジネスなど、さまざまな角度から意見を交換した1日だったからかもしれない。

最後に、今後はどうしていきたいのか?と聞かれて、「いろいろ考えていることがあるんですけど、まずはエストニアに行こうと思っています」と答えておいた。e-governanceを30年近く進めきたことにより、政策や法律において市民の声を拾いやすくしていること、また、タルトゥ市においては政策決定に市民の声が反映されるだけでなく、予算のうちの1%をそれに使えることなど、行政と市民の距離感についてもう少し感覚的にも知りたいことがあって。

もともとは、ロシアという大国の横でいつ攻め入られるかわからない恐怖と戦いながら、たとえ領土を占拠されたとしても「国」という機能を守るために電子化を進めてきたという側面もあるそう。あとは、そういう状況下で発展した文化や文化への影響もあわせて知りたいと思っているので、ストップモーションアニメーションのスタジオにも行きたいのよね。技術を知りたいというよりも、スタジオの背景とアニメーションをつくる理由や目的を聴いてみたい。


こうやって繰り返し何度も言葉にしていきながら、徐々に自分自身も解像度を高めていこうと思う。

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