temuとアリエクの利用
いい加減な情報で混乱させるのはヤメロって思う記事も多いので、自分の知る限りの知識で思うことを書いておく。
わたしはtemuもAlliexpressもよく使う。SHEINは使わないからよくわからないなー。というかカリンバの購入はアリエクが多いかな。
カリンバっていうのは外国製(主に中国製)がほとんどなので、Amazonで購入したり、ヤフオクやメルカリで手に入れることもあるけど、そっちで販売をしている人たちは仕入れ価格に送料と手数料に利益を乗せて売っているわけだから、当然に高い。
中にはtemuで使われている画像をそのまま使って出品しているひととか、Amazonの情報をそのまま使って出品しているひとも多いし、Amazonのマーケットプレイスで出ているもの自体が中国から発送なんてのも多い。
モノによってではあるけれど、まだ雑貨なんかは中国が工場なんだなーなんていうことを、個人輸入で感じる。
今年になって「temuやアリエクからの商品から発がん性物質が・・・」というニュースを何度か騒がれたけれど、多分、Amazonで中国発送になっている商品だって、そこは同じだろうなーと思う。
おもちゃとか衣類が問題になっているみたいだけど、基本、子どもに使うものについても、安全性についての認識が甘い国だし、商品を目でみてわかるわけじゃないから、食器・食品・肌着なんかは買わないほうが良いかも?というのがわたしの感想。
あ、わたしTシャツなんかは結構temuで買ってたw
Tシャツ以外は買わないな。だってサイズ表記が日本と違うし、JPサイズも書いてあるけど「どこがやねん!」って突っ込みたくなるくらいサイズがおかしい。そして、漏れなく生地が薄い。
購入したTシャツも、トコジラミとかが問題になってたから、受け取ったら即洗濯して、十分乾かしてから着用してた。
ところで、ニュースを見たらネイル製品への有害化学物質の含有がすごいね。まあ、あれって有機溶剤と顔料の塊みたいなものだから、さもありなんって感じはする。国産品でも健康にいいとは思えない (笑)
香粧品や医薬品、食品などの安全基準は日本の規格をクリアしたものでなかったらわたしは使いたくない。肌に長時間直接触れるものや、口から体に入るものについては、品質管理や基準の甘さを考えると使いたくないなとは思う。
ただ、中途半端に専門用語を混ぜて、素人を脅かすような記事が多いのはちょっと腹が立つ。
下着についての内容をみたら、「SHEINで販売される女性用パンツ1件から発ガがん物質である「アリールアミン」が韓国の基準値(30mg/kg)の2.9倍を超過した87.9mg/kgが検出された。」と書いてあった。
これ、1kgあたりの量なんで、実際には下着であるパンツそのものの重さなんて100gも無いだろうから、総量では桁ひとつ少ないだろう。
アリルアミンは工場に従事する人の軍手から吸収されて、代謝の過程で腎臓や膀胱を通るから膀胱がんの原因物質になっていたっていうのが、問題になっていた成分だ。いずれも濃度が高く、暴露期間が長くての発症の症例だから、早く気づいて健康被害も無くて良かったね。
まあ、同じパンツを10年も履き続けることはないだろうし・・・心配無いとは思うけれど、着ているものすべてが中国製品だったらコワイかも。
うん・・・それで、この記事にはまだよくわからないことがあるんだ
アリールアミンなんて、いかにも単独の成分みたいに書いているけれど、アリールアミンっていうことは「芳香族アミン」っていう意味なので、ベンゼン環にアミノ基がついているものの総称だ。単独成分の名称ではない。
高校時代に化学の授業でジアゾ染料(アニリンという代表的なアリルアミンから作るのよ)を作ったことがあるけど、それを染み込ませたガーゼを早く乾かそうとして教科書に挟んだら、表紙から裏表紙までオレンジ色がしみてひどいことになった経験がある。
ベンゼン環に何らかの官能基がついている物質は、体内での代謝でDNAを損傷する構造が出来てしまう。これは、構造から考えて当たり前のこと。
例えばカップ麺が発泡スチロール容器に入っていたとする。そこに熱湯を入れて3分おくと、微量に残っていた未重合のスチレンがスープに溶け出し、それが体内で入ってDNAを損傷してガンを発症する・・・なんてことは当たり前に起き得る可能性があるのだ。
まあでもね、体内でがん細胞は毎日作られていて、それを駆除しながら人間は生きているし、天然物の中にも発がん性を持つ物質は多数あるので、がんを発症するのは体内で日々発生するがんを免疫が駆逐していくというバランスが崩れたときの話。身近なものに発がん性があるものが含まれていたとしても、がんになるかどうかは完全に確率の問題ではあるのだ。
パンツにアリルアミンが含まれていたとして、パンツを食べるわけじゃないでしょ?洗濯もせずにずっとはきっぱなしでもないでしょ?
それに、記事では単に「アリールアミン」って書いてあるけど、アリールアミン全てが発がんリスクが高いというわけではないんだよね。芳香族アミンの中の約5%にあたる『特定芳香族アミン』っていうのが発がん性を疑われるものなのだ。
けれど、ニュースを見るとその内容がわからないので、果たしてどんなアリールアミンがどんな量で検出されたのかは、わからないんだよねー。
ニュースってこっちが素人だからってわからないと思ってすっごく適当な記事を書くよ。
いい加減にしろと言いたいわw
(多分だけど、記者もちゃんと理解していないんだろうな)
そして記事の中にフタル酸なんちゃらと書いてあるけど、フタル酸が怖けりゃプラスチックなんて一切触れないし、そこいらへんのペンキの中にもフタル酸なんて普通に入ってるよ。怖かったら公園や駅のベンチにも座れないね。
これも多分、接触移行性のある特定フタル酸エステルとかが問題なんでしょう?
どういう状態で含まれていて問題なのか、その複数のものを括った名称のうち、何がどのくらい入っていて、どんな使い方をしたらどういう問題があるのか、ちゃんと書いてほしいな。でないと、わたしもどのくらい危険なのか判断できない。
以前から思っていることだけれど、化学合成品は危険って思想が強いよね。
そりゃ合成すれば、もともと天然に無いような成分が出来てしまうこともある。けれど、この世界は人間のためにあるわけじゃない。天然物が安全なら、フグにあたって死んだり、間違って毒草や毒キノコを食べて死ぬ人間なんか居ないわww
それに化学合成でしか作れなかったものが、それを合成する微生物が発見されたり、逆に自然に分解されない成分を分解する生物が見つかったりなんてことがあるから、人間が合成することでしか作られないものなんて、実際あるんだか無いんだかって話だ。
例えばトランス脂肪酸が入っているからマーガリンは駄目っていう人たちがいるよね。なぜなら自然に作られない成分だから人間がそれを代謝出来ないとか言い出す。
んでも、反芻動物の肉や乳にはトランス脂肪酸が入っているんだよ。だから、バターにもトランス脂肪酸が入っている。
同僚の薬剤師でさえ、そんな馬鹿なことを信じていたんだ。どうしてそうなるのかがわからないんだけど、変な宗教みたいに信じ込んでしまって、何が正しいのかを自分で調べようとしないんだよねー。アンタ大学で何を学んで来たのよって言いたい。
自然は毒だらけで、それを中和したり加工したりして人間は生きてきた。
知識を得て、健康を維持する方法を模索しながら人間は長寿を得たわけだよね。それで100年前と比べて世界の平均寿命は倍以上に伸びている。
それでも、人間はその体の仕組みの中で、必ずいつかは死ぬんだ。
それを健康に恙無く生きていくために、正しい情報や知識の力を借りて生きていくんでしょう?
そして、消費者自身も情報を取捨選択して安全性の高いものを選んで、正しく安全に使う責任があると思う。だって、選ぶのは自分自身なのだから。
あーだから、正しい情報をクダサイな