RSGT2025同時視聴会にきた!同時視聴聴講記

こんにちは!株式会社Relic所属のエイミ/amixedcolorです。

今日はenPiT同期のあざみさん主催の同時視聴会にきました!各々が見たいセッションを挙げて、みんなでみていきます。

このnoteではそこでみたセッションをゆるゆると備忘録兼ねて書いていきます!大雑把に内容を把握したいときはちょうどいいかもしれません。


保育士チームが実践している連続的・多面的な観察を共有するためのふりかえり

なぜ保育?なぜ観察?

守破離の離の話をする

保育士はチームで観察スキルを駆使している!
→私たちの仕事でも役に立ちそう

保育士は観察のプロ

スクラムガイドでも、下記のように観察について言及があるが、単語が出てくるのはここだけで、そのやり方については書かれていない。
→自分たちで考えないといけない。

経験主義では、知識は経験から生まれ、意思決定は観察に基づく。

スクラムガイド2020

仏教の観察(かんざつ)を参考にすると、「物事をありのままに把握し真理を見極めること」が観察。

保育士が現場で実践している観察から学ぼう

靴を自分で履かずに「ママがいい」という子ども。周りの子は自分で履き出した中でも履かないので、1日手伝いをせずに観察することにした。

外で遊んでいる子たちを見ているだけで履こうとしない中、別の園児が外で一緒に遊ぼうと言うと嬉しそうに答えたが、靴は「履けない」と言ったまま。

結局1日その子は靴を履かなかったが、他の子同士の関わりで他の子の成長が見えた。

観察している上では、子どもとの物理的距離を大切にしている。

  1. 子どもの心理的テリトリー

  2. いざとなったら飛び付ける距離

  3. 失敗すると心配!が感じられる距離

  4. 傍観・応援してくれていると感じられる距離

常に1, 2番だと依存を招くため良くない。

改めて靴を履かない子の話に戻ると、片付けの時間になって「遊びたかった」と言う。遊びたい意欲はあるが、靴を履こうとしないのは、「履けない」ということがわかった。

実際、足首は少し硬そうだし、靴は少し履きにくいものだった。「靴を履く」をいくつかのステップに分解してやっていくことで、数ヶ月後、時々靴を履こうとするようになった。

保育士は「連続的な観察」と「多面的な観察」を行なっている。
連続的な観察では、これまでの経緯を踏まえて仮説を立てて観察する。
多面的な観察では、ひとりの視点に偏らないように複数の視点(複数の保育者)で観察する。

基準はというと、今回の場合は自分でできるようになってもらって自己肯定感を育んでもらうことをゴールに置いていた。
子どもひとりひとりの発達にあった成長ができるようにしている。

観察を共有するための振り返り

みんなの保育観を集めて共通のゴールを決め、それに向けて観察を行い、瞬間(雑談)・1日・1週間・1ヶ月の単位で振り返りを行なって、ゴールに向けて調整をし続ける。

振り返りでは、保育士が エピソードを楽しく語り合う
子供っておもしろいなあと思ったこと、子供から教えられたことを中心に語り合う

私たちもやってみよう!

  • 連続的な観察と多面的な観察

  • 観察の物理的距離

  • チームで共通のゴールを持つ

  • チームで観察と振り返りを行い、ゴールに向けて調整し続ける

  • エピソードを楽しく語り合う

  • 「おもしろいなあ、教えられたなあ」

観察はおもしろい!!

Maximizing Value Using a Digital Product Mindset

プロダクト思考と価値について

大きく売り上げを伸ばした企業は、「プロダクト思考」が成功の大きな要因だったと言う。プロダクト思考とは、全員が価値に集中するよう仕向ける思考法のこと。

Amazon初のスマホは失敗したが、本当の悲劇は作った人たちがダメだと思いながら作っていたことだ。ジェフベゾスがやりたいからやっていただけだった。

SpotifyのDescover weeklyという機能はダニエル自身懐疑的だったが、それはプロダクトのベスト機能になった。それができたのは、リーダー層が自分の好みではなくユーザーにとっての価値を生み出すことを理解しているから。

私たちはCDS(Cost, Delivery, Scope)に振り回されるが、それは価値のことではない。価値はユーザーが判断するもので、プロダクトや機能を見て使ってみよう、使い続けよう、これはいいと言うかどうか。そうでないなら失敗で、期限通りに予算内であっても失敗である。

気をつけたほうがいいのは、ユーザーにとっての価値と企業にとっての価値は全く異なることがあるということ。ユーザーは、会社がいくら儲かるかを気にしない。

多くの企業は会社にとっての問題や利益ばかり気にして、ユーザー側を理解することが少ない。

図1

図1の青色は企業が気にしていることで、緑色はユーザーが気にしていること。projectで行ったoutputがユーザーの価値になることでoutcomeになり、売上など企業の価値になることでimpactになる。

projectでももちろんimpactまで見ていく必要があるが、前段の企画がうまくいっていないと、projectのoutputもいいものにならない。

価値に焦点を当てる

ウェイターは顧客の指示通りに素早く商品を提供することが大事だが、医者は顧客の問題を理解し、計測し、成果が出ているかを確認する必要がある。

医者はその義務があるしそうしないときの罰則もあるが、ソフトウェア開発ではそれがないため、意識しなければoutcomeを出せない。価値に焦点を当てる必要がある。

あらゆるものはプロダクト思考で見ればプロダクトになる。
社内人事も、どれだけoutputをだしたのかではなく、それがどれだけ活用されて役に立ったのかとoutcomeを見ることが大事と言える。

1つ気をつけるのは、顧客とユーザーは異なることがあること。顧客はそのプロダクトを使うか、購入するかを「選ぶ人」であり、実際にそれを使う「ユーザー」とは異なることがある。

銀行の口座・カード・融資などを提供するのに使われるアプリもプロダクトだし、社内の社員が用いるアプリもプロダクトである。
前者はエンドカスタマーイネーブリングアプリだし、後者は従業員イネーブリングアプリである。
パートナーイネーブリングアプリと呼べるものもあり、外部のパートナーや他者が活用して彼らのアプリに銀行の機能を組み込むようなものである。

ジェフが最初にアドバイスするのは、まず自分たちのプロダクトをリストアップして分類すること。そしてチームをそのプロダクトを中心に編成するということ。
そうすることで、プロダクトの成功に責任を持ってもらい、機能リリースの数や速さではなく、価値をちゃんと提供しているかにフォーカスしやすくなる。

また、成熟したプロダクト企業はプロジェクトではなくプロダクトに予算をつけるようになる。

成果(outcome)の計測方法

企業に聞くと、impactを計測する方法を解答するが、それは遅行指標であってoutcomeの計測方法ではない。

機能ごとにどれだけ使われているのか、どのくらいの頻度で使われているのか、捜査にどれだけ時間がかかっているのかなどを、ログをとって可視化する。

次に、どういった流れでユーザーが使うようになっていくかを見ていく。見つける→試す→初めて使う→継続して使う→友達に使うというユーザージャーニー。

ジェフは山登りに例えることが多い。プロダクトや新機能を山として、それを遠くから見て登る価値があるのかと考えるか、それとも面倒そうかと考えるか。そもそも山に近づいてくれるか。
これがアクイジション(獲得)である。
続いて実際に頂上を目指す(=初回使用)に進むかどうかをアクティベーション(初期導入)と呼ぶ。

ユーザーは途中で挫折してローリングバック(撤退)してしまうこともある。なので新機能を出すなら、「その機能にどれくらいアクセスしてくれるのか」「初回使用までスムーズか」「使ってみた結果継続利用するのか」を段階的に検証する必要がある。

検証するときは段階ごとに本当に計測すべき指標を絞る必要がある。
例えば、新機能を出したら「とりあえずどのくらいの人が試したか」が大事であって、DAUは二の次になるかもしれない。

プロダクトに新機能を追加するときは、最低限、ユーザーが実際にどう使っているかを観察してほしい。

ただし、これらはROI(投資対効果)を計測するのには使えない。誰も使わない機能が貢献していないことはわかるが、使っているからといって貢献しているとは言えない。

おわりに

ここに書いた以外にも参加者でたくさんプロダクトだとかビジネスだとかについて話した。楽しかった!持って帰るものもできた。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

それでは、またこんど!

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