音

人は、音に対して敏感だ。

先日、近所のビル工事に対して、向かいのビルオーナーがエライ剣幕で怒りの張り紙をされていた。

◯◯建設は、騒音に対してもっと対策をせよ。歩行者の安全にもっと配慮せよ、と怒っておられるご様子。

しかし、ご本人のビルも、ほぼ同じ大きさで、少し古い。そのビル工事の音は、どうだったのだろうか。

まさか、手作りビルって訳でもあるまいに。

かく言う私も、音に対しては少々意見を持ち合わせている。

特に日常的な生活音に対してである。

まずは、基本的なところから行ってみようか。

蕎麦（そば）

私は、以外と丁寧に食べる。

ズーッ、チュパ、ズーッ、って食べる人を100ホーンとするならば、私は、50ホーン位の音しか出さない。

スパゲッティー

こちらは、必要以上にぐるぐるとフォークに巻き付け口へ運ぶので、10ホーン程度しか音を出さない。

しかし、中には登ってこないナポリタンを、最大級の吸引力と首のシャクリを使いながら吸い喰いさる御仁もまた見かける事がある。

見事な技であるが効率は悪そうだ。

クシャミ

50ホーン程は出すだろうか。

基本、ハンカチで口を塞ぐし、たまに、間に合わず粘っこいのが手に着くが、音は控え目だ。

ただ、他人のクシャミ音に対しては、腹立たしい気持ちになることがある。

気持ちの良いのも分かるが、周りを良く見なさい。他の人もいるじゃないか。それなのに、、

ひぁッ、ひゃッ、、、、

ひゃぁッック、ショーン！ 

って、そんな気持ち良さそうに。

今の、150ホーンは出てたやろう。

ほんとうに、勘弁してほしいッ。

ラーメン

この音に対しては、流石の私も寛容的だ。

自身は90ホーン程度と少しの遠慮はするが、ラーメンの音は味の内とも理解している。

しかし、忘れもしない思い出がある。

その日は、昨日の様に暑い日で、店内はガンガンにクーラーが利かせてあった。

カウンターのみの店で、空いているのは中央の一席のみ。

着座と同時に、大盛りッ、と頼んだ。

割と有名な店で、心が逸（はや）る。

割り箸セット完了。コショウも手前へ引き寄せ済みとした。

ヘイッ、お待ち、大盛りねぇ。

タンッ！

到着だ。

いただきますと、両手を合わせて精神統一。

いざッ。

ッグ、ゲホッ、グッ。

いかん、噎（む）せてしまった。

いつもの事であるが、私は熱いものを食べる一口目、必ずむせる。

そして、焦って咥えたチャーシューを池の中にブォホッとリバースしてしまった。

ピチャッ。💦

ちょっと飛んだな、右へ。

隣の池に、飛び汁が入ったのを私の右目が確認したようだった。

いかーんッ、喰い続けろ。

顔も上げるな、音も気にするな、150ホーンまでなら許容範囲だ。

一気に麺を持ち上げ箸がしなる。

次は、玉子だ、シナチクだ。箸を休めるんじゃない。

どうやら、隣の御仁は新聞に夢中のようだ。

クー、今日に限って大盛りか、麺がなかなか減らないが一呼吸している暇は無い。

ここは一気喰いだー、ウオーッ！

右の御仁は、未だ道半ば。こちらは、そろそろ終盤戦。

あー、暑ッ。

お勘定！