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【シン・エヴァ感想】大人になっていく喜びと寂しさ

みなさんこんにちは。
いきなりですが
エヴァ新劇場版見ましたか?
昔からエヴァのファンの私は
長年続いたエヴァの終末が
気になって気になって
映画公開初日に観に行きました。

これが当日朝のツイートで↓

これが映画を見た直後のツイートです↓

Twitterでは
上手くまとめられなかった
シン・エヴァの感想。
少し時間をおいて
冷静になった今、
改めてシン・エヴァの感想を
書きつづりたいと思います。

戦闘シーンのカッコよさ、
エヴァや使徒の独特な造形、
難解な設定を考察する楽しさ、
近未来的な世界観などなど
エヴァの魅力は
多方面にわたりますが、
様々な魅力の中でも
私が特に惹かれた、
登場人物の成長という点に
注目してnoteを書きます。

よろしければお付き合いください。

ストーリー説明は簡単に流しているため、エヴァ未視聴の方にとってはわかりづらい内容になっているかと思います。その点ご了承ください。
この記事はあくまで私一個人がシン・エヴァを見て思ったことや考えたものを書き綴った感想noteです。深いところまで分析して考察するような記事ではありませんのでその点もご了承ください。

エヴァンゲリオンって何

説明不要かと思いますが
念のため。

GAINAX原作によるSFアニメ作品。大災害「セカンドインパクト」が起きた世界(2015年)を舞台に、巨大な汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の少年少女たちと、第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」との戦いを描く。(Wikipediaより)

すごくざっくり説明すると
シンジくんが
エヴァに乗ったり乗らなかったり、
他の人間と交流したりしなかったり、
色々葛藤しながら戦う様子を通して
様々な人間模様を描くアニメです。

おまけ・ざっくりしたエヴァ4コマ↓

画像1

公式サイトはこちら↓

旧作エヴァのドロドロはまるで思春期

シン・エヴァンゲリオンの前身となった
テレビアニメ版・旧劇場版のエヴァは
とにかくみんな悩みを抱えていて
(特に後半)雰囲気が重かったです。

友人を自らの手で殺してしまい
生きる気力を失ったシンジくんをはじめ、
トラウマを思い出し廃人化したアスカ、
思い出も何もかもない状態の3人目のレイ、
自分の立場と感情で揺れるミサトさん、
司令に複雑な愛憎を抱くリツコさん、
己のエゴのために全てを利用するゲンドウ。

14歳のシンジやアスカだけじゃなくて
ミサトさんもリツコさんもゲンドウも
みんなが大人になりきれない。
みんな余裕がなくて
心の中にドロドロしたものがあって、
それがぶつかりあって
どうしようもないギスギスした
重苦しい雰囲気になっているような。
ラストまでその雰囲気を引きずっており
なんともすっきりしない、
すごくもやもやした雰囲気で終わったのが
テレビアニメ版・旧劇場版のエヴァです。
(漫画版はこの限りではありません)

そう、
旧作のあの救いのない雰囲気と
出口が見えない閉塞的な感じは
思春期の頃感じた不安感。
子どもみたいに純粋じゃない、
でも大人みたいに割り切れない。
中途半端な思春期だからこそ感じる
迷いや不安、絶望感。
それに近いものを旧作エヴァから
感じたのでした。

おまけ・旧劇場版のエヴァ量産機と弐号機↓

エヴァ量産機

かなりおおまかなシン・エヴァの展開

「序」「破」「Q」「:II」の
4作からなる新劇場版エヴァは、
旧作エヴァをベースにしながらも
途中からの展開が大きく変わっており
ラストも旧作とはちがいます。

序、破までは
旧作と同様の展開をなぞりながら
要所要所で登場人物がちがう動きを見せ
「あの頃とちがう!」
「旧作よりも成長している!」と
ファンに期待感を抱かせる作りに。

ところが、
Qになるといきなり
14年の年月が経過した世界に
とんでしまいます。
序、破と続き、いきなり14年後。

シンジくんの行動が原因で
世界が崩壊してしまい、
周囲の人の態度も
冷たくなっています。
世界も、人も、状況も、
それまでと何もかもが
ちがう世界。
(この変化が衝撃的で、
Qを見た当初は私自身も
混乱して拒絶反応を
おこしたりしていました)

14年間意識を失っていた
シンジくんは
周囲の変化についていけず
混乱するのですが、
戦ったり、病んだり、
そこから立ち直って
また戦ったり…
あがく中で成長していき
最終的には他の登場人物を救い
平和な世界を取り戻し、
心身ともに大人になって
ハッピーエンドを迎えます。

大人になる過程がシン・エヴァ

登場人物それぞれに悩みや
抱えているものがある、
という点では旧作と同じですが
最終的には
それぞれの迷いが晴れ、
希望を感じるラストを迎えます。

そんなシン・エヴァの
メッセージは何だったのか。
私は「大人になる」、
それがシン・エヴァに
込められた
大きなテーマの一つだと
思っています。

「大人になれ」。
そんな言葉が節々で
登場したシン・エヴァ。

シンジくんより先に大人になった
同級生のトウジやケンスケ、
ヒカリの存在も
「大人になれ」という
メッセージを象徴するようで
大変印象的でした。

また、
シン・エヴァは
旧作エヴァから
ループした世界である…
エヴァがループものであることを
示唆するセリフが
劇中でも登場しました。
ループものという設定も
「大人になる」というテーマに
関係していると思います。

ループものとは
作中で何らかの原因により、『時間の巻き戻り』または『以前体験したのと似た世界へのワープ』が発生し、同じ出来事が繰り返されてしまう、または特定のキャラクターが自らそれを繰り返す(ループする)さまを描いた作品のこと。(ピクシブ百科事典より)

自分の殻にこもっていたシンジくんは
他人の気持ちを受け止められるほど
強い心を持つようになり、
アスカは自分の心の弱さを認め
支えあえるパートナーを見つけ、
レイもまた自分の居場所を見つける。
職務を全うしたミサトさんは
自分の感情に嘘をつくこともせず
シンジくんや自分の子の未来を守り、
リツコさんは司令への想いも断ち切り、
ゲンドウもシンジくんと和解した上で
ユイとの再会を果たす。
みんなが旧作から抱えていた
迷いを克服し、
ハッピーエンドを迎えるシン・エヴァ。

つまり、
シン・エヴァの世界は
旧作エヴァの世界の続きであり、
旧作ではバッドエンドを迎えた
(少なくとも私はそう感じました)
登場人物たちが
精神的な成長をとげることで
救われていく物語なのです。

これは成長と希望の物語。

旧作エヴァが
思春期の子どもであるなら、
シン・エヴァは
思春期から大人への成長、
その過程を描いたもの…
それによって迷いを抜け出し
希望をもって生きていく
様子を描いた作品だとも
言えるでしょう。

大人になっていく喜びと寂しさ

ラストでは
エヴァに乗らなくてもいい世界で、
登場人物が自分が決めた道を
生きていく様子が描かれています。

それはハッピーエンドであり、
喜ばしいことなのですが、
昔からエヴァを追っていた私としては
変わっていく登場人物たちに
寂しさを感じたりもしました。

アスカはケンスケと、
レイはカヲルくんといい仲になり、
シンジくんは
アスカでもレイでもなく
新劇場版の新キャラ・マリと
カップルになってしまった。
(ケンスケもカヲルくんもマリも
みんな好きではあるんだけど)

シンジくんも
レイもアスカも、
今までの自分の想いと決別し
新しい道を選んだわけです。
みんな幸せそうで嬉しいんですが
その変化が、少し寂しい。

喜びと寂しさが入り混じった
複雑な感情もまた
自分が大人になった時に感じた
感情と似ているなと、
そんなことを考えたりもしました。

子どもの頃の自分と決別し、
大人として生きていく。

子どもの頃の
価値観、環境、人間関係、
それらはすべて過去のもので
あの頃にはもう戻れない。
変わっていかなければ
生きてはいけないし、
意識せずとも生きていく中で
自然と変わってしまうもの
なのだろうと思う。

良くも悪くも
人は変わるし、
時代も変わる。

大人になるということは
変化をも受け入れること
なのかもしれない。

そう思わせてくれた
作品でした。

さようなら、あの頃の自分。
さらば、全てのエヴァンゲリオン。

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