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Ep19.大雪で演奏断念〜FM出演依頼 郡山編

2001.3.29

 仕事に行くハタさんと一緒に出て最寄りの小針駅まで送ってもらった。奥様が寒さを気遣って使ってない手袋やマフラー、ビタミン剤などを手渡してくれる。優しいな〜。指先だけ空いている黄色い手袋はこのあと実に重宝した。手の甲だけ防寒しつつギターは弾けるという優れ物だ。実にありがたい。

 新潟に出て会津若松行きの列車に乗る。車内で向かいの席に座ったおばさんに「学生さん?」と声をかけられる(笑)5浪8留くらいしてないと学生ではいられない。33ですと明かすと驚いていた。彼女から「私はいくつに見える?」と聞かれ正直に40代中頃と言うべきかお世辞を言うべきか悩み「分からない」と答えたが45との事だった。 

 彼女の名前はコダイラさん。仕事でどこかの社長宅の掃除に向かう途中らしい。歌いながら旅してることを話すと「是非聞きたい」と言われたがCDプレーヤーは持ってないと言う。前妻に電話してカセットに録音して送ることにした。 

 コダイラさんが降りてから車内で爆睡。会津若松を経て郡山に向かう。途中で窓の外が雨から雪に変わった。この旅で初めて雪が降るのを見た(積雪は見たが)。関東では見た事がない大粒のあられの様な雪が舞い散り辺り一面が白い世界に包まれていた。

 郡山着13時47分。かなり雪が激しく見る見るうちに積もって行く。演奏場所を探して街を探索していたら歩くのが困難なくらい積もってきた。これは野宿したらヤバイかも。この旅で初めてホテルに泊まることを決意した。

 駅前の看板を見ながらいくつかのホテルに電話してみるがどこも満室で途方に暮れる。が、元ホテルマン(20代の頃働いてました)の知識を生かそうと思った。通常ホテルの予約は万が一の時(予約ミスや突然の得意客からの予約等)に備えて当日の空室をいくらかキープしておく。逆に当日キャンセルや来ない客もいるので、バランスを見ながら夕方くらいからキープ部屋を捌いて満室にしていく。試しに夕方6時に電話してみたら狙い通り予約が取れた。

 東横インでツインのシングルユースなら空いているとの事で一泊8000円。まぁしょうがない。チェックイン前に一応商店街の様子を見てみると、ほとんど歩いている人はおらず居るのは風俗の客引きばかり。しかもかなり冷たい風が吹き込んできて演奏するには辛い物がある。取り敢えずチェックインに向かおう。

 チェックイン時フロントの女の子に「この辺で路上演奏してる場所とか知ってる?」と聞くと「福島駅だったら見たことあるけどこの辺はちょっと。。。駅を立て替える前は結構いたんですけど、立て替え後はいなくなっちゃいました」との事だった。うん、今日はホテルで大人しく過ごそう。

 夜はとんねるずの番組を見ながらコンビニのパスタを食べて、熱い風呂に入ってくつろいでいたら函館のFM局のディレクターを名乗る方から電話がかかってきた。なんと広島編で書いたMIYUさんが「路上ライブをしながら函館に向かって旅しているシンガーがいる」とFM局にメールをしてくれて更にCDまで送ってくれていたのだ。

 「CD聞きましたよ。4/1に生放送の情報番組に出演しませんか?その番組内で1曲生演奏もお願いします」という話だった。生放送、生演奏ってのは緊張するなーと思ったが俄然やる気が湧いてきた。 

 この日はかなり早い時間に暖かいベッドに入りぐっすり休んだ。あれ?ここ最近「ぐっすり休んで」ばかりだな(笑)

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