君を通して見る“世界”はきっと輝いているのだろう

King & Prince2枚目となるオリジナルアルバム、『L&』が昨日発売になった。

L&は初回盤A/Bと通常盤の3形態で発売されており、当然の如く手元には3種類のアルバムがあるわけだがとにかくB盤が良すぎて他に手をつけられていない。今回は初回B盤の目玉であるThe Documentary – King & Prince in America-の話。

事あるごとに「海外に」って言う紫耀くんのことは、よくわからなかった。日本でもっとやって欲しいこともあるし、見たい仕事もあるし、日本でたくさんコンサートに行きたいし。そもそも海外ってなんなんだろうな。ジャニーさんの生前のあれこれを思えばショーが盛んなラスベガスとかそっち系?でも具体的に「世界に出て行く」の定義もわからなかった。これだけ配信が盛んな世界でCD売り込むつもりなのかなとか、YouTubeも公開してないのに世界世界、ジャニーさんと約束した世界へ、そればっかり…日本のオタクは…?って思ってた自分は確かにいた。いや正確には今もいないわけではない。ただ、武者修行映像を見て少し心境の変化もあった。

私は主に日本国内でジャニーズのオタクをしている。所謂掛け持ちオタクなのだがアイドルを追って海外へ行ったことはまだない。だけど自分自身がアイドルを追いかけて海を渡る事が世界に直結するわけではないし、紫耀くんが海外でパフォーマンスするだけが世界進出という話ではないと言う事、ようやっと理解した。

自分が育ち、彼の基礎を育てたのであろうアメリカに少年達を連れて行き“本場のショー”に触れさせるジャニーさんの話はあまりにも有名だと思う。これは行った子もいれば行かなかった子もいるらしいが、どちらにせよジャニーズの真髄である「本場のエンターテイメントに惹かれ、目指す心」はどの子にも脈々と受け継がれているので鑑賞経験自体はさほど問題ではない。行かなかった側の子がラスベガスのショーに魅せられた話を最近していたし、エンターテイメントにかける想いが本物なのを私は知っている。ジャニーさんが亡くなった時の山Pのインスタを私はよく覚えている。少年時代ジャニーさんに連れて行ってもらったアメリカで「ポケットに手を突っ込んでただ歌ってるだけでお客さんを喜ばせられるようなスターになりなさい」とジャニーさんに言われたエピソードが記されている。「世界に出ていく」ということはつまり「世界レベルのエンターテイナーになれ」ということ。

紫耀くんのオタクになるまでジャニーさんと向き合うことの少ないジャニオタ人生だったなと思う。紫耀くんは自担たちの中でも群を抜いてジャニーさんのイズムを引き継いでいる。事あるごとに紫耀くんの口から出る「世界、海外」に対し、完全にやきもちを焼いている私は「世界も海外も知らねー!」モードに入っており、武者修行…また海外…と盛大に拗ねていたのだが、現物を見て考えを改める。だってそこに映る紫耀くんは、コンサート会場でも帝劇でもテレビでも無いのに、ライトなんてただの室内照明なのにとてもとても輝きを放っていた。

最初のダンスレッスンの時から、紫耀くんはもう楽しそうだった。挫けるのはわかってていくと言っていたのに、新しいダンスに触れる彼はあまりにもカッコよくて眩しかった。映画や舞台の座長でも、天然炸裂の平野でもない、平野紫耀がそこにはいた。ダンスを愛し、踊る喜びを知る1人の男の子だった。あぁ!そうだった!踊る君を見て恋が始まったんだった!大変なことを思い出した瞬間だった。元々人見知り克服のためにダンスを始めたとは言っていたけどダンスが好きなのも知ってたし、ダンスを頑張ろうとしてたのも知ってる。そしてそのダンスは人の心を奪っていくとても魅力のあるものだということも、私は身をもって知っている。海外ってこーゆーことか。紫耀くんがまだ知らないような、心躍るようなダンスが海の向こうにはあるのか。そして私は海外で楽しく踊る紫耀くんの姿も、茶の間に向けられたテレビ番組で武者修行中に作り上げた楽曲のパフォーマンスも見ることができている。今のところ。なぁんだ、悲観することなんか無いのか。こんなに楽しそうな紫耀くんが見られるなら海の向こうも憎くはない。むしろ私の代わりにその広大な大地で紫耀くんを優しく包み込んであげて欲しい。そう思った、心から。

どこまでが素でどこまでが仕事なのかを本人は線引きしていないつもりらしいが、対第三者と対自分自身ではぜんぜん話が違う。私は完成されたステージに立つ紫耀くんと同じくらい対自分自身の紫耀くんが好き。だって第三者には優しすぎるもん。接し方にサービス精神を感じるし。自分自身と向き合った時、紫耀くん自身が何を感じていてどんな気持ちなのか知りたくてたまらない。いつも。この旅は彼の感情の連続だったと思う。楽しい。疲れた。難しい。鼻へし折られた。海外住みたいなあ。とか。いっぱい。ずっとそんなところ見たかったよ。気も使わない、サービス精神をフル回転にしない、“その時”を“自分のため”に楽しむ君に会いたかった。何も背負わずに豊かな表情を見せてくれる君はいつも以上にとても輝いていた。

このドキュメンタリーが撮影されたのは昨年秋頃の事と推測されている。ツアーとジャニアイの間くらいだろう。疫病禍真っ只中の今の自分の目に、過去の紫耀くんは希望のように映る。こんな世界線もあったんだろうな。だけどまた国内でコンサートが出来て、シングルもガンガン出せる日が来たら彼が世界で見てきたものを、彼自身を通して私にも見せてくれるんだろうなって確信してる。遊びに行ったわけでも見学しに行ったわけでもなく、挫けに行ったのだから。彼が挫けた後に素晴らしい世界が待ってる事を私は知ってる。『歌もダンスもお芝居もジャニーさんに褒めてもらいたくてムキになって頑張った』らKing & Princeのセンターになっていた人なのだから。

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