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夢の扉をひらく 当日小話【袖】

当日の主役、新郎新婦。
ドレスを着る時には、専用のキツキツインナー(愛称)
そしてメンズは白地のインナーを着ることになっている。
その他にも、ふたり分の白地ハンカチ、メンズには黒靴下を持参して下さいと言われていた。

私のキツキツインナーはFMH後に洗濯を済ませて早い段階でパッキング。
ハンカチは2人分をセットにして、黒靴下はバッグに詰めた。
そして白のインナーは普段着ている事が多いので、ノータッチだった。


挙式当日朝
「半袖のヒートテックない?」

「(半袖?)」

白のヒートテックは持ってきていたそうだが、長袖。
思ったよりも暑くなりそうだから、半袖を。と言う事らしい。
任せていたので私が持ってきているはずもなく。
無いと伝えると、
「どうしようかな、絶対汗だくになるよなー」
と暑がりの主人が大きな独り言。

続けて「袖切れば半袖になるよなー。ハサミない?」

まさか!?切るの!?ここで!?と思わず笑いながら返す。
小さいハサミならある…。
見えるとちょっと恥ずかしい毛を切る用のハサミだった。
調べるとこれはセーフティーハサミと呼ぶらしい。隠語か?(違う)

いや、切るの?いや、切るしかないもん。うそやろ?いや、いけるかもしれん。でもほつれるやん?
そんなやり取りをしていたが、私も美容院の入りが迫っており、時間がない。

遂にセーフティーハサミでセルフカットをすることに。
手紙をやっとこさ書き終え、ひと息つく間も無く、小さいハサミで生地を断つ状況がおかしくておかしくて
爆笑しながら切る私。
笑い事じゃないでしょ〜。と袖切りアシスタントをする主人。

あんなに本番キメキメだった主人も、脱ぐとジョキジョキに袖を切られたインナーを着ていたのだった。

(2021年11月挙式)

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