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芸術と文化について思うこと

芸術・文化がなくなっても人は生きていけます。

でも、たぶんじわじわみんな死んでいきます。

それがすごく悔しいし、悲しいなと最近思っています。

私の演劇部の話

私は中高と演劇部にいました。女子校で万年男役でした。7歳の王子様、革命のために立ち上がる青年、人間ではない役、色々演じました。

年に2回の公演のために、時には仲間とぶつかり合い、顧問に叱られながらも、自分と役と向き合い、みんなで1つの舞台をつくりあげました。大学に入ってからは敢えて演劇には一切関わっていませんが、それは「中高の思い出」として心にとっておきたかったからです。

部活は、舞台は、そして裏方の仕事は、自分をつくってくれた大切な場所であり時間だったなと思っています。

今の話

先日、プロの方のブログが更新され、出演されるミュージカルの公演が中止になったと書いてありました。初日延期ではなく、全部。

私は自分の公演が中止になったことはないので気持ちが分かるなんてことは言えません。それに、普通の学生の演劇部とプロでは何もかもが違いますしおこがましいことこの上ないのは重々承知ですが、それでも心が締め付けられました。想像するだけで、ちょっと息ができなくなりました。

私は「この舞台絶対に観にいきたい!!」「あの人が出るミュージカルのために遠征!!」「推しのために毎日全力課金だ!!」みたいなタイプではありませんし、日頃から芸術や文化に触れているわけではありません。好きなものは好きだけど、それくらい。

でも、私の好きなものがどんどん消えていったら、薄れていったら、たぶん私はちょっと寂しくなる。演劇に限らず、歌や踊り、伝統芸能、博物館、本、絵画など、芸術や文化と呼ばれるものが少しずつ周りからなくなっていったら。「今すぐ生きるのに必要じゃないからねー」と他の誰かに言われて取り上げられてしまったら。

私は、「ここぞ!」という試験や面接の前はV6のROCK YOUR SOULを聞くし、夏になったら必ず妹と『時をかける少女』を見るし、ペンギンに会いたくなったらすぐすみだ水族館に行く。あの穴場の小さな博物館にはまだ行けていないけど臨時休館中だし、ちょっと興味があった舞台も気付いたら終わってた。私のことではないけれど、ダンスを本気で頑張っている友達も、歌舞伎を昔から愛してる友達もいる。

たぶん誰でも1つは「生きるのに必要じゃないけど、なくなったらちょっと悲しいもの」があると思います。大きいや小さい、お金がある、ない、有名か無名かは関係なく。

今、私の好きで、大切で、なくなったら困るものが少しずつ姿を消していったら、観に行かなかったことを後悔するし、ちゃんと応援できなかったことを引きずると思います。だから、私はちょっとでも何かがしたいです。

クラウドファンディングサイトで気になった美術館に寄付したし、署名したし、好きなグループには初めていわゆる課金をした。「応援します!」みたいなサイトもちょいちょい覗いています。

本当にこれでいいの?色々調子いいこと言っておいて学生だったらこんなもんだろって思ってんだろ自分とかゆうて独りよがりだったりしない?とか時々思います。

でも、ただの一大学生で、特別なスキルはないんだけど、好きなものがあります。なくなったら悲しいものがあります。だから、もっとずっと好きでいるために、これからたくさんの好きを増やしていくために、私にできることを探していきます。

少なくとも、文化や芸術、その他の「誰かの大切なもの」をつくっている人、その人たちを支えている人たちに私の気持ちが届きますように。そんなの甘えかもしれないけれど、強く、深く、願いを込めて。