中学受験で使われた、使われそうな本1

いつの間にか自分の身近なものになってきている中学受験。ちょっと興味があって出題された作品、今後使われるかもと思った本を読んでみた。

羊と鋼の森

最近知ったのですが、2018年の筑駒で出題されたそうです。文章全体を流れる控えめなトーン、筆致が作品の内容とすごいマッチしてます。主人公の調律に対するひたむきさが、痛いくらいに伝わってきます。

リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ

2019年度の中学入試で多数出題。物語としても当然面白いのですが、これだけ出題されたのは「短歌」×「異文化」×「青春」の掛け算が他とは違う個性を出してます。今後、異文化や多様性、ジェンダー、SDGsとか、そのあたりが題材の要素にある作品は出題されやすくなって来るのかもしれないなと。

ぼくのとなりにきみ

真面目な主人公(男子)とやんちゃな男子+純朴な女子の三人の中学生の青春物語。登場人物の設定や話の内容は、小説の面白さの真ん中を行っていて、もしかしたらそれが逆に新鮮なのかもしれない。

駒音高く

佐川光晴さんの作品では『大きくなる日』が出題されることが多いそう。『駒音高く』はタイトル通り将棋に関わる人たちを描いた短編集。狭き門の中で努力と才能、勝者と敗者という現実に向き合う子供達の話は、胸が痛くなる。『聖の青春』を読み返したくなった。

君たちはどう生きるか

コペル君と叔父さんの話が交互に出てくる構成上、どうやって問題として出題するか悩ましいけど、貧しさや格差、いじめなど、普遍的かつ特にここ数年のテーマなので。勉強や進路に迷ったりした時に読むと元気が出そうな気がする。

ノンフィクションや新書系はまた別にします。



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