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日記、芍薬、鶏ガラスープ

友人が日記を書き始めたというので、私もにわかに日記を書いてみる。

わたしがネット上に日記を書き始めたのは今から17年くらい前のことで、それから10年間くらいはほとんど毎日なにかしらそこに書き付けていた。
内容はさもないことだ。
その日の稽古の覚書や帰りの夜道で考えたこと、ふと思い出した古い記憶、仕事の合間に見た印象的な景色、映画や本や見た舞台の感想。
今考えたらよくあんなに毎日書くことがあったなと我ながら驚く。
あることをきっかけに書きはじめて、あることをきっかけに書かなくなった。

昨日はつぼみを握りしめていた芍薬が、今朝には花弁をほどいていた。いま見るとさらに膨らんで、こんなに大きな花だったのかと驚く。他の花や葉っぱにうずもれて固くちぢこまっていたのに、いまや重みで首が折れるのではないかと思うほどみずみずしい。
やはり花が部屋にあるのはいい。
つい先週花束を買ったときのことを思い出す。
彼女は赤のイメージだったので、濃い赤の牡丹ややはり真紅の芍薬やばら、そこに白や華やかな細かな花と葉を入れてもらった。ばらは一番いい香りのするものを選んだ。
そこは良く行く花屋さんで(と言っても私はそんなにしょっちゅう花を買うわけでもない)店内には大きな犬がいる。ブーケを包んでもらうのを待つあいだ、老犬は横にぴったりと寄り添って一緒に待ってくれた。
あの花を友だちが持って帰ることができたらよかったのに。せめて花があったらしばらくは部屋がにぎわう。

昨日作った肉味噌を転用してうどんにして食べようと思っていたのに、忘れて改めてひき肉を解凍して炒めてしまった。
手抜きをしようとしたのにそのことすら忘れるなんて抜けている。
マルシェで買う肉は骨つきなのでスープの鶏ガラには事欠かない。いつも一羽分をひとまとめにして包み冷凍しておく。
生姜とネギの硬い部分(フランスのネギの緑の部分はほんとうに固い。ついでに言うならキャベツなんてプラスチックのお皿として利用できるくらい固い)、それから塩少々。日本酒を骨にかけて霜をとる。臭み消しだけれどなんだか儀式みたいなので、まんべんなく丁寧にかける。
ときどきアクを取ったり沸騰させないように脳みその片隅で覚えておいて、4時間くらい煮込んだら良しとする。

金曜からの新しいストレッチをまとめる日なので、この1週間なんとなくノートにばらばら書いていたものから筋道を立てる。
ただ新しいことや効果的なことをつなぎ合わせるのではなく、どのプロセスも次の動きのために必要な何か、道順があってやじるし通りに進んだらなんだか体が軽いじゃないか、ちょっと柔らかくなってきたんじゃないか、というようなものにしたい。
ああでもないこうでもない、としていたらいつのまにか日をまたいでしまった。
なので、今日はここまで。

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