雑記。個人的な感想。【消滅都市】

アプリゲーム消滅都市、メインストーリー最終話に関する雑記。ネタバレ注意。



終わってしまう事と忘れてしまう事に対する申し訳なさを感じるユーザーへの配慮。


・最終話の演出のはなし。
bgmとしてユキの台詞を加える事で、アクションRPGとストーリーが一体化する、「ドラマアクションRPG消滅都市の極み」みたいな完成度。
久しぶりにギークの通信システムも活躍していた。やはりあのシステムは捨てるに惜しい。

・バグったステージも楽しめた。床が見えない不具合をシステムとして組み込んで来たときに、偶にバグで見た目がめちゃくちゃになるようなのもシステムにしそうだなとか思っていたら本当に来たので笑ってしまった。

一度目の消滅でホーム画面がバグっていく時の演出もそうだけど、見慣れた物が崩れていくというのはやっぱり怖い。
あとこのクエストのバッドエンドが怖すぎた。「無」の恐怖は想像しにくいけれど、創作の中で垣間見るだけでも寒気がする。


・ストーリーの話。
連絡船に乗って改変された失われし世界を脱出して、2度目世界線のワールドBに戻ったって事なんだろうか。

最終話でワールドBが元通りっぽい感じだったけど、世界の消滅の影響はどうなっているのだろう。
タマシイは戻っていないし、多分ロストもそのままだし、氷柱に可能性を吸われていたワールドAなんかはどうなる?ポラリス達は?

・タマシイは残ってるみたいだけど、タクヤとユキはもうタマシイ関連の事件に関わってないっぽかったね。そうなるとソウマが働いてるのかな。タマシイ研究所にはホシもいたし、彼がやっているのかもしれない。

・タマシイになった人達が救われてない感じはなんとも。
メインストーリーではタマシイ問題を取り扱うことはあんまり無かったからメインストーリーで回収しなかったのかもだけど、天上で本体いるやん!なんとかなるかも!って言ってただけになんとかして欲しいが……。

2度目世界ならタマシイはタマシイで自由があるし、みんな満足ならいいよねじゃなくて、元に戻りたい人だっているはずな訳で。
サイバーアーティストとかマミなんかはタマシイであることを活かしているけど、
大人になれなかった孤児院の子どもたちとか、夢を叶えられずに消滅した人達とか。救われるべきだと思っている。

タマシイになったら想いの力でやりたい事が出来るから、プロ野球選手の夢はまぁいいや。タマシイの見た目は自由自在だし、大人にはなれなかったけど結果としては良いか。なんてなる筈が無い、と、思うけれど…。

頼むぞセリオン達……なんとかもとに戻す手段を……なんとか……。(理想はメインストーリーでの解決だったけど)

・結局、なぜ急にユキはタマシイの声聞こえなくなったんだ。なぜエンディングでは聞こえるようになってるんだ。ソウマがユキのタマシイ使える理由もよく分からんし……。




・はなし。
消滅都市の事をメタ的に認知し、観測者の存在も把握する消滅都市においてかなり上位の存在であるはずのブリキ等の女神ですら、終末時計の管理人の事をお伽噺だと思ってたなんて言っいた。
女神が一番上位の存在では無いのかもしれない。


で、それが誰なんだっていうと観測者以上に物語への介入が可能な、いわゆる運営チームじゃないかなって。
エピロ1話でソラの心情がプロットに描かれているスチルがあったり、エピロ5話でタイトル画面が手書きだったりっていうのは、やっぱり消滅都市の世界は描かれた物語であると示唆しているのかなと。

ソラって一応設定では我々と同じ現実世界の住人なんだから、彼女の心情にプロットがあるわけ無いんですよ。彼女の言動は物語では無い筈なんですよ。
でもプロットがあるという仄めかしがあったって事は、ソラの住む現実世界を含めて「物語」とする、更なる上位存在がいるんじゃないかという空想。

まあ、好きに解釈すれば良いんですよね。エンディングの後は上位存在による観測も無くなるために描かれず、ユキ達は永久の無を彷徨い、やがて観測者の記憶からも薄れて消える、でも良いんだろうし。

或いは、ユキ達は観測者達と決別し掴み取った世界で、エンディング後の世界を生きている。観測者はいつか彼女を忘れるかもしれないが、それは別々の人生を歩み始めたということなんだ。でも良いんだろうし。


エピロ5話でソウマが自身を犠牲に誰かの記憶に残るより、自身の幸せを優先する、という展開は、観測者がいつか忘れてしまっても「ソウマが望んだこと」という免罪符になる効果があるんじゃないかなって。



・自分のはなし。
・エピロ1話を見た後に明確になり始めた終わりに対してどうしようもなくしんどくなってしまっていたんだけど、5話を読んで、なんとなく心が落ち着いた。

なんでしんどくなったかって言えば、自分が思った以上にソラと同じような考えだった事もありつつ、運営がこれからも続くよって言った上で、コストがどうだの言って「サービス終了」をちらつかせたからなんだけど。それはまぁ。

というかサービス終了が遠くない未来であることは分かっちゃいたけど、目をそらしたかったんすよね。こちとらグリーの株式情報まで確認するほどなんですよ。


1話を読んでから5話までの間に色んな事を考えたんだけど、この考える時間も良かったんだと思う。
提示された終わりの可能性に対して考えて飲み込もうとする、心のソフトランディングのための時間。

ソラと同じような考え方ではあったけど、ソラと違って1話だけでは直ぐに扉を開けなかったから、この時間がありがたかった。
まぁ結果としての話であって、消滅都市について考える時間はめちゃくちゃに辛かったけども。


・初期消滅都市を評価する時に「スマホゲームであることを活かした演出」だとかなんとかよく言われていた気がするけど、この最終回もまた「スマホゲームである事に向き合った結果」という感じがする。運営の事情の仄めかしとかは好き嫌いが別れる所ではあるだろうけど、スマホゲーム消滅都市としての終わり方としては割合自然なんじゃないかなと。



序盤のテーマとは大きく変化し、物語の為の物語となってしまった事には賛否両論あるだろうけど。
結果として物語としては粗も多いし、伏線回収もされていない所があるし。誰かに読まれる娯楽としての物語として見た時に、それはどうだろうとは思うけれど。

その過程で、やっぱり受け入れられなくて物語から離れてしまった人達も沢山いるだろうけど。

良く言えば、コンテンツを積み重ねて、ユーザーと共に少しずつ作っていくソーシャルゲームらしい変化じゃないかなと思います。


強大な存在により運命を曲げられながらも、一つの幸せを求めて前に進み続けた物語だなと。

ゲーマスさんもタイヨウさんも、強いやつが世界を作るんだって言ってたじゃないですか。

それは武力だったりもするだろうけど、この物語においては意思であったりもした、という、そんな感じの感想。

まとまんね〜。




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