ポメラという完成された日本語入力マシン

甘利実乃

メンタルに来ているのでしょうか。不眠症に相変わらず悩んでいる私です。書くと寝られるので、何か書いてみましょう。

私は昨年の12月からポメラという、最後の生き残りのワープロというかエディター専用の日本語入力マシンを姉に贈られて使っています。キングジムより販売されています。

すでに発売から4年を過ぎていて、特に何かびっくりするような機能はありません。

ただ単に、日本語の入力に特化したエディターで、値段は高機能なノートパソコンに比べれば実売価格は格段に安く、あくまでもパソコンのお供という存在です。

ジャストシステムのATOK Professionalがかな漢字変換として入っていて、とてもお利口です。フォントはモリサワという一流のメーカー製のものが使われています。それでいて、ネットには常時はつながっていないわ(ブラウザなどない)、ATOKの推測変換も気を紛らわすということであえて削っているわというミニマリズムを追求したマシンです。

横書きも縦書きも原稿用紙での入力も可能ですので、本当に文章を書くだけに特化したマシンです。パソコンに比べればとても小さくて軽く、バッグに入れておいても苦になりませんし、とにかくバッテリーが長持ちします。

新しいアップルシリコンのMacBook Airなども魅力的ですが、あえてシンプルさを追求してしまうところが日本的ですね。文章を書くという点ではアップルシリコンのパソコンよりも速いでしょう。ネットからのコピペ文章ばかり作る人には向きませんけどね。

ちなみにパソコンとはつないでファイル交換はできますし(SDメモリーカードも使えます)、実はネットに限定的につないでメールなどでパソコンやスマホに文書を送ることはできます。私は書いたらメール対応のプリンターでリモート印刷して校正して、最後にパソコンに送ってWordなどに流し込んでいます。

とにかく邪魔が入らない、起動も保存も楽ちんというのが、スマホ脳と真逆なスタイルで気に入っています。小さいので横や正面に置いたパソコンで調べながら書いていくこともできます。パソコンからのコピペは難しいですが、ポメラには4種類の実用的な辞書も搭載されているので、たいていのことはそれで済みます(辞書からのコピペは可能)。

私の場合は病床でレポートなどを書かねばならないので、寝たきりのまま書けるという点も大助かりです。秋学期のほとんどのレポートはポメラで書きました。

本職の作家に愛用されているのも以上のことよりなんとなく理解できるのではないでしょうか。現代の原稿用紙そのものですから。

他には、今となっては特殊な親指シフト入力もブラインドタッチでできる私のような者にとっては、ローマ字変換をしなくて良いので日本語を日本語のまま入力できる点が脳にやさしくて魅力的です。

この文章はスマホで書きましたが、隠れたベストセラーとしてのニッチなポメラをご紹介してみました。

https://www.kingjim.co.jp/pomera/

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