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まあお訳古今集 恋はいちごを添えて拾四

お久しぶりです、自称作家の あまおう まあお です☆
四なあ……おかしいよね。うん、わかる。でも肆ってどう考えても読めないんですよ。

私はこれ、そこらへんで見たことないです。

ご祝儀にしてもお香典にしても四万っておかしいですからね。というわけで四にしましたorz まあ、いいから恋歌行こうか!

今回もいい歌いっぱい入ってますぜ~、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! ついでに良かったらこれフォローしてね。たいていフォロバしていますよ^ -☆

恋歌三 在原業平
起きもせずねもせで夜をあかしては 春の物とてながめくらしつ

ぼんやりと夜を明かしてしまいました。春は長雨がつきもの。そんな春の雨を眺めておる次第です……
#いちご訳

サードシーズンは我らが業平様からスタート! これは伊勢の二段に詳細があります。
新しい女の子に出会ったんだけど、また出かけたいのに春だから雨が降ってんだよなあ。といったところかと、思います。
何が言いたいかよく分からなくても、とりあえず送っとけ精神でしょうか。#でもやっぱ歌うまお

恋歌三 藤原敏行
つれづれのながめにまさる涙川 袖のみぬれてあふよしもなし

この頃は雨続きで川の面が上がっております。私の袖もほら。あなたに逢う手立ても見つからずに涙の川でこんなに濡れてしまったんですよ。 #いちご訳

これ伊勢物語で一番笑える段(一〇七)のやつですね! 歌ナンパで有名な敏行さんから、業平様んとこの女子(お手伝い係)に送ってきたお歌です。
伊勢物語では袖のみ「ひぢて」になっているんですが、まあ意味は変わらないので気にしないことにしましょう。
明日は業平様の代読、お楽しみに!

恋歌三 在原業平
浅みこそ袖はひつらめ 涙河 身さへながると聞かばたのまん

袖のみ濡れるですって? あなたのその涙河、そうとうに浅いのですね。いっそからだごと流れるというのならば、そのお言葉信じましたのに。 #いちご訳

はい一本取られたりー!
それにしても見事な切り返しですね。素敵です。
伊勢の中では業平様の作だと気づかれずに、若い女性がここまで詠めるのかと感動した敏行さんが「文箱に入れてあり」ということになっています。
伊勢の中で最も笑える段。一〇七段です。難しくないので読んでみてくださいね!


恋歌三 詠み人しらず
よるべなみ身をこそ遠くへだてつれ 心は君が影となりにき

近づくことさえできなくて、身体は遠く離れているけれど。この心はいまもあなたの影となって寄り添っているのよ。 #いちご訳

有無を言わせぬ「影となりにき」が効いていますね!
これは完了の助動詞「ぬ」の連用に過去助動詞「き」を重ねて使うことで「もう影になってしもうたからな」という意味でしょうね。
ことの次第によっては脅迫にも見えるんですが、力強くていいと思います! 歌もらった人、逃げてー!! #きちゃった

恋歌三 詠み人しらず
いたづらに行きてはきぬるものゆゑに 見まくほしさにいざなはれつゝ

逢えもせず、あなたのところへ行っては帰るだけなのに。一目逢いたい気持ちに負けてついまた出かけてしまう私です……。 #いちご訳

これも伊勢に収録されています。六十五段。
こっそり逢っていたのが帝にバレてしまって引き裂かれてしまう話ですね。
とても素敵な歌ですが、反省しているのかちょっとよく分からないですね。
まあ、この程度で反省するような業平様ではないということでしょうか。#見習いたいこの根性

恋歌三 詠み人しらず
あはぬ夜のふる白雪とつもりなば 我さへともにけぬべきものを

逢えない夜が真っ白な雪のように積もり積もるなら、ねえいっそ私も朝に溶けて消えてしまいそうだわ……
#いちご訳

「ある人のいはく柿本人麿が歌なり」と書いてありますが、女歌として訳しました!
たぶんですが柿本人麻呂さんではないような気がします。専門でないのでただのカンですが。
佐伯先生の校注も女性っぽく訳してましたよ。皆主人公は女性にみえるようですね。かといって作者が女性とは限りませんが!

恋歌三 在原業平
秋の野に笹わけし朝の袖よりも あはでこし夜ぞひちまさりける

早朝、秋の笹原を歩いて帰るときよりも、あなたに逢えずに帰る夜の方が袖がしっとりと濡れているんです。
#いちご訳

朝露に、まさるはおのが涙なりけりToT
これも伊勢に収録されています。二十五段ですね。面白いのはこの歌の返しの方なんですが、それは明日のお楽しみ!
なお伊勢の方は「逢はでぬる夜ぞ」になっています。逢えずに一人寝る夜の、ということですね。「あはでこし」の方が上品な気はします。#大差なし

恋歌三 小野小町
みるめなきわが身をうらと知らねばや かれなであまの足たゆくくる

この浦に食べられるものはございませんのに、知らずに通ってくるあなた様におかれましては、お疲れ様でございますこと! #いちご訳

最高に大好きですこの歌!
言い寄る男を、足がたゆく(だるく)なるほど通ってくるあま(漁夫)に喩えるばかりか、第一句を御覧ください!
みるめなき。見る目はない。要するに、お断りしまぁす! という意味です。
返歌いただいたと思って喜んだらこの内容とか、普通に泣きます。#しかもうまい

恋歌三 源宗于
あはずしてこよひあけなば 春の日の長くや人をつらしと思はん

この夜があなたに逢えずに明けてしまったら、春の日のように長く、あなたの薄情をお恨み申しますから。
#いちご訳

春の日の長く、と言われると恨み節もなんだかのどかに聞こえますね。
このお育ちのよさは、お父上が皇族(光孝天皇第一皇子)というあたりから来ているのかもしれません。「むねゆき」さんと読むそうです。
古今集に収録された歌からすると、素直でおおらかな作風のようです。#金持ち喧嘩せず

今回はキリがいいのでここまでにしますか。特に待っている方もいないんですが、近いうちに続きもアップします^ ^ノ
今回は小町様の歌が入っていたり、伊勢物語に使われた歌が多かったですね。あなたのお気に入りの歌も入っていましたか?

次回も素敵な歌やら楽しい歌満載でお送りしますよ。それなりにお楽しみに! それでは、また近いうちに。あまおう まあおでした☆

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