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「知識創造ベース」の地域活性のカタチ

僕の考える新しい地域活性のカタチ。

「シンガポール的地域活性」とでも言いましょうかね。

かつて、シンガポールはアジア諸国へのアクセスの優位性などを武器に、ハブ空港を整備し、法人税制優遇などを仕掛けながら世界各国の金融機関や大企業の拠点やバックオフィスを誘致しました。

同様に、日本の地方都市において、東京・大阪など大都市の企業やビジネスパーソンが、活動のハブとしてそこに集まるスタイルの地域活性が出来ないかなって僕は思っています。

✕ 飲み食いお祭り騒ぎや、地域の同調圧力に迎合する地域活性ではなく
〇 他都市のイノベーティブな人たちが集まり、知識創造や課題解決を行う地域活性

『僕の考える地域活性のカタチ』by 沢渡あまね

その地方都市の役割は、あくまで企業と企業、人と人が出会いディスカッションをするためのハブ

東京と東京の企業、東京と大阪の企業、愛知と静岡と滋賀の企業が、浜松でディスカッションします。みたいなイメージ。

極端なハナシ、その地域の課題解決を無理やり盛り込まなくてもOK(そもそも大都市の企業、他地域の企業はその地域の課題解決に興味・関心なかったりしますし)。

無理にその地域の企業や人たちを絡めなくてもOK

(なんていうか、無理に地域色出そうとしたり、その地域の課題解決をセットにしたり、押し付けがましい地域活性も散見されており、あれって無駄に重たいよなぁと思うことしばし。なんていうかプロダクトアウトかつ顧客目線でない

あくまで、地域を他地域の企業や人たちに開放し、コラボレーションとディスカッション場を提供するのみ。

でもって、その地域を訪問する他地域の企業の人たちには、ついでにその地域の自然、文化、食などを楽しんでもらう
(それだけでも経済効果はありますから、十分地域にとってのメリットはあるでしょう)

もちろん、そのコラボレーションの輪に加わりたい地域の意欲ある企業や行政の責任者や担当者がいれば、加わって新規事業の創出や人材育成などの知的活動を行うことができるメリットもあるでしょう。

そのためには、

「地域を開放する」
「地域のインフラ(IT、食事、移動など)を改善する」

そのオープンネスが要だと思います。

私の新刊『新時代を生き抜く越境思考』(地域活性、産業創成、関係人口増に取り組む行政や地域の責任者・担当者の皆さんに是非ともお読みいただきたい)でも、地域(行政ほか)の役割は「地域(の施設など)を開放することである」と具体例を添えて主張しました。
こういうディスカッションを全国の地方都市で仕掛けていきたいですね。

関係人口増。地域活性。
その取り組みに全国の地方都市が苦心していますが、アウトドアブームやキャンプブームなどに乗じた観光・レジャー客誘致に走りがちです。

その一方、他都市から来た観光客やレジャー客が騒ぐのを良く思わない地域住民も間違いなく存在します。そういえば、このGWにこんなニュース記事を見つけました(↓)。

飲み食いお祭りやバーベキューで下品にわちゃわちゃバカ騒ぎする人たち(いわゆるDQNと呼ばれる人たち)ではなく、事業活動をしている経営者や管理職、研究者など上品かつ知的に熱くディスカッションする人たちに来てもらう。
(ビジネスで来る人たちは、会社の顔とお金で来ていますから、観光・レジャー客に較べて羽目を外した行動もしにくいかと)

ビジネス客に場を開放する。ビジネス客に特化する。そういう差別化した、なおかつ健全な地域活性モデルもありではないでしょうか。

僕も浜松(をはじめとする、僕が関わる地方都市)で、知識創造や企業組織課題の解決を指向した地域活性の場やカタチを創っていきたいと思います。

4月に僕が浜松・三ヶ日に立ち上げた、三ヶ日ワーケーションオフィスも、僕が力を入れている #ダム際ワーキング も、その活動の一環です。
(皆さんも是非、 #ダム際ワーキング 一緒に盛り上げてください。組織開発、人材開発の専門家のカルチャーとして全国で広めていきたいのです!ダムは全国各地にありますから)

僕の尊敬する人物は兼好法師です。そう、徒然草の作者と言われているあの歴史上の人物です。

兼好さんは官職を若くして退き、その後は地方の庵で暮らしつつ、マネジメントや課題解決の指南をして晩年を過ごしたと言います。

僕はなんとなく、現代の兼好法師を目指したいな、地方都市をハブに知的交流や課題解決が生まれていったら嬉しいな。そんな思いで、今日も地方の静かな部屋でウグイスの声を聞きながら筆を走らせています。徒然なるままに。

▼書籍『新時代を生き抜く越境思考』
~地方創生、ワーケーションなどについてもじっくり解説&提言しています

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