沢渡あまねが今の活動をはじめたきっかけ
「当社はこれ以上価格を下げることはできません。人件費削減のためのオフショア移管をやるつもりもありません。エンジニアの未来を守りたいからです。夢を持って、専門学校や情報学科で目を輝かせながら一生懸命ITを勉強している若者たち。彼らの将来は、日本のITエンジニアの未来はどうなってしまうのか……」
いまから15年前(2004年)。あるIT企業の社長がまだ20代の私に向かってこう言った。
この一言が、いまでも私の頭から離れない。
当時、私は自動車会社の購買部門でIT(業務委託系)のバイヤー(調達担当)をしていた。
社長のこの言葉を前に、私は何も返すことができなかった。
まるで頭を鈍器でズシンと殴られたような衝撃を受けた。
自分自身、ITに関心と敬意を持ってこの職に就いたのに。いったい自分は何をしてきたのだろうか?
「競合環境創出によるコスト削減」
「運用コストの段階的低減」
「オフショアリソース活用による原価低減」
会社が言う、これらのフレーズすべてがもはや私にとって空虚でしかなくなった。
自社だけに都合のいい、聞こえのいい正義だけを振りかざして、IT業界を滅茶苦茶にしてきたのではないか。
1ヵ月後、私はそっと異動願いを提出した。
この社長の一言が、私の人生に大きな影響を与えることになる。
2014年9月。私はサラリーマンの道を捨て、フリーランスになった。
そして、ワークスタイルや組織変革、マネジメント改革の発信や執筆、アドバイザーなど各種活動をしている。
➤IT業界のフレームワークやITエンジニアのカルチャーを活用して、組織の課題を解決をしたい!
➤ITエンジニアが正しく活躍できる社会を創りたい!
こんなビジョンを掲げて。
一生かけてやりきります。
共感してくれる仲間を見つけながら。
絶対守りたいものがあるから。目指したい世界があるから。