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そうだ、青春18きっぷ買おう【三陸旅行記#1】

就活終わったぁぁ!青春18きっぷ買おう!


2018年2月の、あましょくである。

晴れて第一志望から内定をもらい、同時に4月から内定者インターンとして働くことが決まったのが2月の末。
大学生らしい旅行に行くなら今しかない!と、気になっていた青春18きっぷを購入。同時に、一泊二日旅行に行こうと決めた。

行先は東北、三陸。理由は2つ。

理由1:BRTなるものに乗ってみたかったから

青春18きっぷの案内に、「BRTにも乗車可能」と書いてあったので、じゃあ乗ってみようじゃん、と思い立ったのが1つ。

※BRTとはBus Rapid Transitの略、日本語で言うと「バス高速輸送システム」。ここでは東日本大震災で被害を受けた鉄路の代わりに、JR東日本がバスで輸送を行っている「気仙沼線・大船渡線BRT」のことを指して使います。

理由2:「ニュースでやっていたから」

とても安直である。
だがその弾丸旅行の行先に悩んでいたころは、東日本大震災からまもなく7年が経つ時期だった。
テレビや新聞では連日、東北の復興について報道されていた。

「復興が進んでいます」「爪痕が残ります」

各メディアで反復横跳びのように、この相反するメッセージが流される。
本当は、どっちなのだろうか?
モヤモヤするくらいなら、行って、今の東北をこの目で見てこよう。

というわけで、
2018年の3月13日・14日に東北行きを決めた。

無題


青春18きっぷの旅なので、新幹線や特急は使えない。普通列車にことこと揺られるだけである。
何時に出たい、何時に目的地に着きたいなどのわがままは通らない。
必死に乗換案内を駆使して、旅程を決めて、分刻みでの旅行である。それがまた醍醐味の旅。

下り列車、東北本線、自販機のたこ焼き

家の最寄り駅から、朝一で電車に乗って、ひたすら下り列車で東北本線を北上。通勤・通学ラッシュの上り電車とすれ違いながら、非日常感をひしひし感じる。

と思えば、7時54分。
黒磯駅発の列車は、すれ違ったはずの通勤・通学ラッシュそのもの。
通学の高校生や通勤のサラリーマンで結構混みあっていた。
そうかそういう時間か。ずっと列車に揺られていてマヒした時間感覚を、とそのときに少し取り戻す。同時に、普段の生活圏から遠い場所でも通勤通学をする人はいるんだ~、と不思議な気持ちになった。

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日が昇っていくとともに、呼ばれる駅名が「よく使う駅」から「行ったことある駅」、「行先表示で見たことがある駅」になり、やがて「全然知らない駅」になっていく。

「全然知らない駅名」「聞いたことならある駅名」ばかりの車内放送には、旅情をくすぐられる。それまで特に鉄道旅が好きだったわけではないが、鉄道旅、かなり楽しいかもしれない。

黒磯から新白河で乗り継ぎ、郡山駅に着いたのは9時3分。ここで乗り継ぎ待ちが20分発生する。
そろそろお腹が空いたな、と思うと、自販機を発見。

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なにこれすごい。見たことない。ごはんっぽいものが売っている。

東京で、お菓子やロングライフのパンが売っている自販機なら見たことがあったが、こんながっつりした、しかも温かいものが食べられる自販機は見たことがなかった。

少しテンションを上げて、たこやきを購入。普通に美味しいたこ焼き(冷凍食品)。香りが迷惑にならないよう、ホームのベンチに腰かけて、いただきました。青のりが風で多少飛んでいった以外は問題なかった、はず。

そんな郡山からさらに福島へ。「東北本線」を3本乗り、そろそろ(東北本線、いつまで続くんだ…!?)と落ち着かなくなってきたところで、「仙台シティラビット」に乗り換える。「シティラビット」も不思議な名前…ウサギ?

仙台到着、牛タン食べたら即出発

そんなこんなで列車に揺られること5時間30分、11時56分に仙台駅に到着。
都合よく乗り換え待ちが50分ある。

仙台駅の駅ナカでは牛タンが食べられる!との情報を仕入れ、早足で仙台駅の改札を一度出て、駅構内の「牛タン通り」へ。ちなみに仙台駅には、「すし通り」「ずんだ小径」もある。駅でさくっと名物を頂きたい、という利用者のニーズと胃袋をがっちり掴んでいる。

牛タン通りには、昼時ということもあり行列ができている店舗もあった。そしてもちろん、高級そうな店構え(と価格)の店舗も軒を連ねていた。こちらは次の列車があるので、さくっと食べ終えたい。2・3人並んでいるだけの店に入った。

店内はカウンター席で、1人でも入りやすかった。事実、左隣の席の女性も1人だった。ちなみに右隣は2人連れのサラリーマン。
ランチを注文すると、10分ほどで出てきた。流石本場の牛タン。肉厚で美味しい。

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そして無事に乗り継ぎにも間に合った。本日4本目の東北本線。ほんの数駅停車駅が違うだけの列車を「湘南新宿ライン」「上野東京ライン」と呼び分け、明確に区別している普段の自分からは、信じられないくらい長い路線だ…

そしてこのあたりから、「ニュースで聞いたことがある地名」がちらほら聞こえてくる。

小牛田で乗り換え。ここから乗った石巻線が、私にとって人生ではじめての気動車だった(多分)。力強く車体を震わせ、自力で走る気動車は、電線を伝って走る電車よりも自立しているイメージ。列車が何物にも頼らず、レールの上を自力で駆け抜けていくという構図がとても気に入った。

石巻線を前谷地で下車。鉄路の旅はこれでひと段落。
ここから、ついにBRTでの道のりが始まる。

~続く~

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