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読書メモ「インターフェイスデザインの心理学」

とても面白く読みやすい本だなぁ。とお気に入りです。デザインや物作りしてなくても日々の生活の中で「なんで?」と疑問に感じていたことを「そうなんだ!」と理解できる。全然気にもしていなかった事柄に対して「知らなかった!」という発見もできたり。

世の中には、ものすごく頭のいい人達が沢山いて、その人達は、わたしでは理屈に落とし込むのは難しく「それってさぁ、なんか、雰囲気??」位にしかぼんやりと語れなそうな物事に対して、疑問を持って研究してくれていて、「これは、こうでこうだから、こうなんですよ!」と、ものすごくしっくり落ちる理屈と言葉で沢山落とし込んでくれていて、とても楽しいし面白い。という気持ちになれる本でした。


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面白かったページを1つ抽出します。

#059 「人の行動は「性格」だと判断されがちである」

人は他人の行動は「性格」のせいにして、自分の性格は「状況」のせいにしがち。らしい。しかもそれを分かっていても止められない。らしい。

「根本的な帰属の誤り」に関する研究によって
・個人主義的行動を重視する文化では、他人がとった行動の原因をその人の性格に求める傾向あり
・その一方で、自分の行動については、性格より状況に原因を求める傾向あり
・個人より集団に価値を置く事の多い、集団主義的行動を重視する文化でも「根本的な帰属の誤り」を犯す人はいるが、個人主義文化ほど多くない。

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個人主義的文化の人、すごいなぁ。あの「太っているのは自己の管理能力が低いからです」という事を言えるのはこの辺から起因するのかなぁ。としみじみ考えてしまいました。

自己中心的な男性が道を歩いていた時に、道に物を沢山落として困っている人に出会った。その男性はその様子をちらりと横目で見てそのまま行ってしまった。この男性がとった行動の理由を「男性は自己中だから、人を助ける事なんてそもそもしない人なんだ」と考えるのが「根本的な帰属の誤り」や「行動バイアス」。もう少し想像力を膨らませて男性の置かれていた状況をイメージしてみる「もしかしたら、この男性はその時、大事なお客様との打ち合わせに遅れそうで急いでいて、助ける余裕がなかったのかも。状況が違えばどうなんだろう?」という所まで視点を広げて考えること。大切。

これは、私の日々のお仕事に落とし込んでいくと、お客さんや、デザイナーさん、色々なスタッフの方々のお話を聞く時に、言われた事をそのまま鵜呑みにして持ち帰るのではなくて、もう少ししっかり自身で吟味して物を作っていく事が大切なのかなぁ。と感じたのと、あと単純に「このデザイン嫌い」と言われた時とかに「なんで嫌いなんだ?」と根掘り葉掘り聞いたり考えたりするのさらに面白くなりそう。

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