気持ちよい承認欲求の扱い方について

来週に個展が迫っており、めちゃ焦って作品を制作しています。
制作をしてると、手を動かしながらいろんなことを考えます。
作品が失敗したとしても何かしらの新しい思索や経験が持てることが手を動かしてものを作ることの意義だと思います。

今回も作りながら考えたことがいくつかあって、
ここに書き留めておこうと思います。

承認欲求って聞くと、正直どんな風に思いますか?
私は近年のSNSの影響もあって、おしゃれな私を見て、とか俺すげーだろ、のような虚栄心の強い人が持つような欲求っていう感じで、正直マイナスの印象しかなかったんですよね。
だからどこかで自分の中にそういったものの片鱗が見えると、無意識に
見ないようにしたり抑えていたのです。

でも作品を作っていると、なんで作っているの?なんで展示しているの?という疑問にいつもぶち当たります。
ガツガツ賞を取ったりすることにも無頓着で、私は自分のセンスと繋がる人と作品を通して繋がれたらそれでいいと思っていました。なのでいまいち、◯◯賞を取るために頑張る!といった感覚がわかりませんでした。わからないものや動機のないものには力が湧かないので、なんとなく取らなきゃな〜と思いつつ先延ばしに。賞やアワードを取るのは、それこそ、すごいと思われたいとか、誰からも一目置かれたいという、作品ではなく自分に箔をつける行為のように考えていました。

でも、承認欲求ってそもそもなんでしょうね?
私が作品を作って人に見てもらいと思うのも承認欲求だと思います。
人はみんな、物心ついた時にはこの世界に生まれ落ちていて、なぜ生まれてきたのかはわかりません。
私が今回考えた承認欲求って、結局のところ、「ここに私は生きてます。」ということを強く発信することによって他人が気づき、自分がここに存在していることを他者を通して確認したい。そういう欲求。
ではSNSでみんなが不快に思う、独りよがりな「承認欲求強めだよね、あの子」と言われてしまうものと何が違うのでしょう?

それはつまり「他者」の存在を認めるか、認めないか、なのではないか。
不快と感じるSNS投稿に共通して感じるのが「とにかく私を見てくれればそれでよい」といったもので、その投稿をすることで傷ついたり嫌な思いをする人がいる可能性を考えずに一方的に自分を押し売りする行為があるからなのではないか。
じゃ、そういう不快じゃないけど強めの承認欲求ってなんなのか。

「私はここでこんなことを考えてこんな風に生きています!!
    .......ところであなたはどうですか?あなたはどんな風に生きてますか?

この差だけなんじゃないかなと思うのです。
でもかなりでかい差です(言葉に出す出さないということでなくてそういうニュアンスを感じられるかどうか)。

他者を受け入れるスペースを保ちながら強い自己の発信をする。
このスペースをたくさん持ちながら大きな声で発信し、遠くまで声が届いたとしたら、、、。
たくさんの人と自分の間に繋がりが生まれ、新しい発見や気づきの種を蒔き合い、変化したり成長していく。
影響力を持つということは、「力」を誇示するのではなく、
たくさんの人と繋がり合い、それぞれの「生」を活かし合える力のこと。

独りよがりの承認欲求っていうのは、きっと他者によって傷つくことを恐れているからそこが狭量になってしまうのかもしれない。
少なからず私も、評価される怖さ=自分を受け入れてもらえないという恐れや不安があって避けてたのもあるなと思いました。

賞を取る取らないも一つの見方には変わりないけど、やはり賞を取ることで
一つラベリングされる感があり、お墨付き、太鼓判を押されたということでじゃ、見て見るかという人も確実に出てくる。
本当のことを言うと私は、キャプションや作家の背景なんかも見ずに「誰がなんと言おうとこの作品が好きだ」と言えるような人と繋がりたいと思うタイプだけど、こういった影響力を持つことは自分とはたぶん繋がらなかったであろう人々と出会えるチャンスであり、自分の影響の輪からは繋がり得ない全く違う感覚の人から自分の作ったものの感想や視座をもらえるという世界を広げるという利点がある。

なので、今はかなり前向きにアワードや賞を取ることに情熱が向いてきているので素直にまっしぐらに取りに行こうと思う。
本当に自分が取りたい賞やアワードが見つかったら、ガツガツいくしかない。
これは人付き合いでも思い当たる気がする。
自分が好きなものや興味のある対象は勝ち取るまで絶対譲ってはいけない。
自分が繋がりたいという人には、向き合ってくれるまで自分なりに真摯に問いつづけるしかないと思う。
賞がなかなかとれないにしても、挑戦の過程の中で冒頭で書いたように自分にとっての実りは常に何かしらあるものだ。

これは私の作品作りの話だけではなくて、起業だったり新しい研究だったり、奮起して結果のわからない問題に向き合おうとしている人にも同じことが言えて、私はそういった人達全てに対してエールを送りたい。
大きな結果を得ている人ほど、小さな成功や挑戦をバカにしない人が多いと感じる。

承認欲求の話からちょっとずれちゃったけど、
とにかく今年は承認欲求を正しく使って、自分も他人も幸せにしたい。

machiko



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?