ぼくのスターの引退

ここ数年、リアルタイムで劇場へ足を運んでいたわけではなかった。だから、たとえば「何かを失った」ような感情は覚えずに済んだ。

「もう一切の創作を辞める」と言われたのならば、それはひどく寂しい。きっと、自分の活動にも響く程度の強い落胆に到ることだろう。だが、どうやらそうではない。これからも、彼の作品に心と表情筋を支配されることは続くらしい。ならば、これからも変わらず、待ち、そして楽しむのみだ。

多感な時期に夢中になり、それから十余年ずっと観つづけた。もう影響は上限まで受けきった。むしろ薄めなければいけないとさえ思い続けている。初見ですぐにばれてしまう、あなたは彼に憧れていましょう?

ひとつ、次の単独公演がないと確定してしまったのは残念ではあるけれど。ぼくのスーパースターの「一面」に、おつかれさまでした。ありがとうございました。

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