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【afterコロナを考える】大学生がいま読むべき、将来を考えさせられるマンガ

全国500名の大学生と一緒に「エンタメ×若年層」事業をつくるAmaductioNが独自に調べた、学生へのアンケートをもとにした調査レポートを記事にしていきます。
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今回は、これからafterコロナ時代を生きていく大学生が「今読むべきマンガ」という観点から、大学生のリアルな考え方、悩みを調査しました。

AmaductioN総研、学生ライターのたいちです。

全国的な緊急事態宣言が解除され、徐々に以前の日常生活が戻りつつありますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

AmaductioNが実施した調査では、大学生は今回の自粛期間の間に、改めて今後の生き方を考えさせられたという声が多く聞かれました。
自粛期間の大学生の考え方の変化については、こちらの記事をご覧ください。

今回はそんな大学生が「今読むべきマンガ」という観点から、大学生が将来に対して抱いている不安や考え方を紹介します。

AmaductioNが抱える大学生ネットワークにヒアリングし、人気の高かったマンガを3つ紹介します。

「やりたいってだけで十分じゃねぇの?」/ BLUE GIANT

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画像出典元:https://bluegiant.jp/

作品のあらすじ

主人公はバスケ部に所属する宮本 大。
中学の時、友人に連れられて見に行ったジャズの生演奏に心打たれた。
その後、たった独りでただがむしゃらにテナーサックスの練習をはじめる。ダンクシュートを打つ身長も、ジャンプ力もない。
身体には限界がある。

でも音にはきっと………楽譜は読めず、スタンダードナンバーも知らない。
ただひたすら真っ直ぐ突き進んでいく。

「絶対にオレは世界一のジャズプレイヤーに、なる」。
雨の日も猛暑の日も毎日毎日サックスを吹く。
初めてのステージで客に怒鳴られても。
それでも大はめちゃくちゃに、全力で吹く。

「僕好きだな、君の音」。
ものすごくめちゃくちゃな演奏。
でも、人を惹きつける力が大の音にはある。

激しく変わる。激しく成長する。
ジャズに魅せられた少年が世界一のジャズプレーヤーを志す物語。
出典元:https://bluegiant.jp/

小栗旬さんが主演を務めた映画も話題になった『岳 ―みんなの山―』をご存知でしょうか?BLUE GIANTは『岳 ―みんなの山―』を描いた石塚真一さんの作品です。

この作品のココがすごい!

主人公の宮本大の「ひたむきに努力する姿」が注目ポイントです。

どんなに忙しくても、どんなに疲れていても、季節も関係なく、夜遅くまで河川敷でジャズの練習をする姿が描かれます。

たとえ雨や雪が降っていたとしても、カッパを着たり、山の中のトンネルで練習するなど、普通では考えられない量の努力をする大の姿に読者は思わず高揚させられます。
目標を掲げても、努力を継続できずに途中で諦めてしまったり、目標を下げてしまった経験がある人は多いのではないでしょうか?私もその1人です。

常人にはなかなか真似できないそのような姿に魅力を感じる人が多いのが、作品の人気の要因の一つではないでしょうか?

大学生には、この視点から読んでみてほしい

よく言われることですが、大学生まではレールに乗っている生活をしています。言われた通りに学校に通い、大きな生活の心配をすることもなく過ごしている人が多数です。
この作品は大学生に対し、「レールに乗らない人生」を教えてくれます。
主人公の宮本 大は高校を卒業後、大学進学せず音楽の道へと進みます。
大が通う高校は進学校で、周囲の友人を見渡すと大学受験に向けて必死に勉強する学生ばかり。
大は1人、自身が夢中になったジャズに打ち込みます。

皆さんは夢中になれるもの、熱狂して取り組むもの、人生をかけられるようなものを見つけていますか?
言われた通りに努力している自分に満足していませんか?

BLUE GIANTは、そんな悩みを抱えた大学生の生き方を改めて考えさせてくれる作品だと思います。

afterコロナ時代を生きる大学生へのメッセージ

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「へでもねぇや」

大がはじめて人前で演奏をした後に発した言葉です。
お店の常連客の前で思いっきり披露した演奏。しかし、常連客には気にいってもらえない上、怒られてしまいます。

普通の感情であれば、張り切って初舞台を行った後にめちゃくちゃ怒られたら、やめてしまう人も多いのではないでしょうか?

ですが、会場から出た後、大は「へでもねぇや」と言ったのです。怒られてしまったことよりも、演奏できて嬉しかった、もっと上達したいという気持ちが強かったのだと思います。また、大には決してブレない「世界一のジャズプレイヤーになる」目標があるからこそ、諦めなかったのだと思います。

目標は必ずしも大きくなければならない、ということはありません。
特に大学生は、自分がやりたいと思うこと、好きなことに向かって素直に、真っ直ぐに努力することを忘れないようにしたいものです。
自らが強い信念を持っていれば、どんな困難が目の前に立ち塞がっても大丈夫。たとえその結果失敗しても、大丈夫。
そんな勇気を与えてくれるセリフです。

「好きなものを好きって言うのって怖いんだな」/ ブルーピリオド

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画像出典元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002314.000001719.html

作品のあらすじ

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!
出典元:https://afternoon.kodansha.co.jp/c/blueperiod.html

「マンガ大賞2020」で大賞に選ばれた作品です。マンガ大賞2019でも最終選考に残っていたのですが、その際は惜しくも第3位でした。
「マンガ大賞」とは、マンガが好きな全国の書店員を中心とした選者が、誰かに薦めたい“今一番フレッシュなマンガ”を投票で決める賞です。
過去には、東村アキコさんの『かくかくしかじか』、末次由紀さんの『ちはやふる』、ヤマザキマリさんの『テルマエ・ロマエ』などが受賞しています。

この作品のココがすごい!

八虎が合格を目指すのは、東京大学よりも倍率が高い日本一の難関校、東京藝術大学。

決意したのは高校2年の夏。しかも絵は初心者です。少し絵がうまいからと言って本気で藝大を目指している人からしたら素人です。
八虎がゼロからの藝大受験を目指すストーリーは、読者もまるで一緒に受験していくかのような感動を味わうことができます
実は作者の山口つばささんは藝大出身ということで、「ブルーピリオド」はフィクションでありながらも、リアリティもあるのが魅力のひとつです。
そのこともあり、絵の技法や美大受験に関する情報が非常に詳細に紹介されています。芸術はよくわからない、絵の知識がないというような人でも、日常生活で生かせるような色環の知識や、思わず美術館に鑑賞に行きたくなってしまうような、構図や絵の技法が紹介されているのも魅力です。

大学生には、この視点から読んでみてほしい

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した生活を送っていた八虎は、高校生ながら空虚な焦燥感を感じて生きています。なんでもできるがゆえに、これといって好きなものがない、熱中できるものがない「何者でもない自分」にもがき苦しみます。
絵画に出会ってからは、本物の才能に出会い、自分の力のなさを痛感したり、大学には合格したが、自分がやっていたものは受験絵画だったと思い知らされるなど、挫折し、悩む日々を送ります。

これは、大学生には共感できる部分が多いのではないでしょうか?
「何か」になりたい、でも「何者でもない」と悩んでいる大学生には悩んでいる人に読んで欲しい作品です。

セリフもイラストも、感情の描写が細かく主人公の心情と自身の心情を重ね合わせながら読んでみて欲しいと思います。美術や絵画についても詳しく説明がされているので、美術に関わりがなくても共感できる作品です。

afterコロナ時代を生きる大学生へのメッセージ

ブルーピリオド2

画像出典元:https://alu.jp/series/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%94%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%89/crop/DiQIWWPVYKIckYeDj8lM

「頑張れない子は好きなことがない子でしたよ「好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?」

絵を描く楽しさを知るが、一歩踏み出せない現実主義の八虎に先生が投げかけた言葉です。
将来の生き方に悩んでいる大学生には、このセリフのように自らが好きなことを一生懸命に取り組むことを忘れないで欲しいと思います。

「天才になれなかった全ての人へ」/ 左ききのエレン

大手広告代理店に勤める駆け出しのデザイナー朝倉光一は、いつか有名になることを夢みてがむしゃらに働く毎日だった。3億のキャンペーンのデザインを担当する光一はプレゼンで勝利するものの、プロジェクトから外されてしまう。失意の中光一は地元の横浜へタクシーで向かい、学生時代の過去を思い出す。
1998年9月- 高校2年生で美術部の光一は美術館の壁に描かれたグラフィティアートを目撃する。作成者を「横浜のバスキア」と呼び、探していた光一はエレンと出会う。社会人時代の光一はCM作成のプロジェクトに苦戦する中、エレンとの出会いを思い返して自身は天才でないと意識していく。
出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A6%E3%81%8D%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%B3

この作品のココがすごい!

左利きのエレンには主に3人の天才が登場します。モデルの岸あかり、写真家の佐久間威風、そしてアーティストの山岸エレンです。

みなさんの周りには天才と呼ばれるような人はいますか?
天才はどのようなことを考えているのでしょうか?

彼らの仕事に対する理念や熱意、天才だからこそ抱えている悩みや葛藤が鮮明に描写されているのが魅力の一つです。
天才とは凡人とはかけ離れた理解できない存在に思われがちですが、この作品では非常に魅力的に天才の姿が描かれています。

主人公の朝倉光一をはじめとする凡人(その中にも素晴らしい人物がたくさん登場します)と対照的に描かれていて、凡人と天才それぞれの考え方・悩みを比較しながら読んでみるのもおすすめです。

大学生には、この視点から読んでみてほしい

主人公である朝倉光一は物語の「主役」ではなく、また決して物語の「主役」にはなり得ないキャラクターです。「〇〇のようになりたい」「〇〇のような脚光を浴びる存在でいたい」「きっと自分はもっとできる」という承認欲求と、結果が伴わない自分との間でもがき苦しみます。

これは大学生には共感できる部分が大きいのではないでしょうか?

大学生の多くは特別な才能もなく、自慢できるようなスキルも持っていません。しかし、多くの大学生は注目されたり、大きなことを成し遂げることに憧れを抱いていると思います。

特に、このwithコロナ期間で、自分の生き方を改めて考え直したという方が多かったのではないかと思います。自分はどうなりたいのか、そのために何をしているか、何が出来ているかをこの作品を通して見つめ直すことができます。

afterコロナ時代を生きる大学生へのメッセージ

左利きのエレン

画像出典元:https://alu.jp/series/%E5%B7%A6%E3%81%8D%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%B3/crop/yVDolPdqD0X330PAr8sQ

「照らされてることをうらやむな…照らされることを待つな…スターを照らす側の人生だってあるんだ」

プロジェクトの打ち上げで、光一が上司の神谷から言われた愛のある檄です。

必死に「何者か」になりたいと思い、もがき苦しんでいた光一は、このセリフをきっかけに、スターを照らす側の人生もあることを知り、凡人ながら一歩ずつ確実に成長していきます。

「注目される何者かになりたい」「みんなが知るような大きなことを成し遂げたい」そう思っている大学生は多いのではないでしょうか?

しかし、実際そのような存在になれる人はごく一部です。

他者を照らす側だったとしても、立派に生きることができるとメッセージを教えてくれる作品です。
特に将来の就職や目標を具体的に考え始める大学生には、自分の生き方と重なる部分もあり、共感しながら読むことができると思います。

マンガから紐解く"afterコロナ時代"の生き方

いかがだったでしょうか?

今回紹介した3作品はどれも「読者に頑張るきっかけを与えてくれる」マンガだと思います。ときには、このような「考えさせられるマンガ」も読んでみてはいかがでしょうか?

ところで、いまだ完全収束の見通しが立たないwithコロナ期間には、就職活動において大手企業の採用中止や、全国的な外出の自粛、大学の登校制限などで、自身の夢を諦めざるをえなかったり、目標から遠ざかってしまった人も多いのではないでしょうか。

しかし、たとえ思うようにいかなかったり、当初目指していたものとは異なる道に進まなければならないとしても、悩み苦しみ、努力を継続することで、自分自身を成長させられるきっかけを作ることができればと思います。

この記事がみなさんの人生の目標を見つめ直す機会、大学生の将来に対する考えを知る機会の一助となれば幸いです。

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今回の調査結果は以上となります。ご覧になっていかがだったでしょうか?
この記事は、日本だけでなく世界的に猛威を振るう新型コロナウィルスの危機的状況下にあって、メリットやデメリットを探りさぐり発見し、柔軟に対応していく若年層を理解するヒントになればという意図で作成したものです。
新型コロナウイルスや、関連する諸問題を肯定するものではありませんのでご理解いただけますと幸いです。

最後となりますが、この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い回復と事態の終息をお祈りいたします。

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【担当ライター】
たいち
明治大学3年生。秋田県出身で、最近のマイブームは『キングダム』とスケートボード。
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